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2021年05月05日11:03

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最近知ったエンジンの秘密(1)

私はエンジンとかのメカ物が大好きです。
でも車のエンジンはそんなに興味ないのです。
(ドライブは好きだけど車自体にそんなに思い入れがない。趣味の本業は「お鉄」です。)

車のエンジンのような小さな(3〜5Lとかでも私的には超小型エンジンかな?)物にはあまり興味がなくて最低でも鉄道用(11L超、400ps以上とか)、超大型客船やタンカーの数万psのものを見るとうっとりします。

ところで水平対向エンジンの事はそこそこ知っていましたし、車の世界では現在スバルとポルシェしか作っていない(あってますよね?)事も存じております。

でもエンジンの世界には【V型180度バンクエンジン】なるものがあることを最近知りました。
「え?これって水平対向エンジンそのものでは?」と思ったのですが、調べると別ものなんですね。

添付の説明図(非常に汚い手書きですが)を見て頂くと分かりますが、水平対向エンジンはスバルが「ボクサーエンジン」と言うようにボクサーがパンチを打ち合うようにピストンが動くので振動を打ち消して静かになります。

でもV型180度バンクはピストンが常に同じ方向に動くので、振動を逆に助長するようになります。

図をよく見てください。水平対向エンジンだと1つのコンロッドに1つのクランクピンですが、V型180度バンクだと1つのクランクピンに2つのコンロッドが接続されるのです。
だからV型はピストンの動きが同方向になります。

なぜ振動が増えるのにこんな仕組みにしたのか?という事ですが、V型180度バンクの方がエンジンの全長が短くなるからです。
(図では省略していますが、1つのクランクピンには2つづつバランスウェイトが付くので水平対向は余計全長が長くなります。)

特に多気筒や1つのシリンダー径が大きいエンジンだとこの長さがバカに出来なくなります。

さらに調べるとV型180度バンクは振動が物凄いので、最低でも8〜10気筒にしないと乗り物などで快適性を求めるものには不向きのようです。
だから車でV6、V8と言っているものはすべて水平対向の180度未満のバンクを付けたものとなるようです。

12気筒以上のエンジンだとほぼ全てV型180度だそうで、理由は全長の短縮化とここまでの多気筒だと振動が打ち消されて静かになるそうです。

でも12気筒以上なんてスーパーカーやレースカー用の特殊なものしかありません。
産業用エンジンで高出力だったら自然とディーゼルになり、1気筒の排気量制限が無くなりますのでタンカー用の10万馬力だって10気筒程度です。

機関車や船舶など産業用の多気筒、もしくは単にV型と言っているもののほぼ全てはV型180度バンクを基本にして様々なバンク角を設けたものであり、水平対向エンジンではないのですね。
全長が短くなる=クランクシャフトも短くなる、なのでクランクシャフトの剛性を高めることが出来るというメリットもあるそうです。長いとシャフトに捻じれが発生しますので。

なお車で水平対向エンジンは重心が低くなり、旋回性能が上がると説明されますが最近の直列型エンジンの方が重心が低かったり、振動も少ないようですし、水平対向エンジンのメリットはあまり無いように感じます。
(これらはWikipediaにも書かれています。)

事実少なくても国内ではスバル(トヨタへの供給含め)だけですし、他社が一切採用していない、メンテナンス性が非常に悪い(2年位前のバルブスプリングのリコールではエンジンを下さなければならないという問題が露呈しましたね。)という問題があるので結局車に水平対向を採用する理由は趣味的要素だけだと思います。

鉄道では水平対向エンジンはありますが、両側から自由にアクセス出来るのでメンテナンスは非常に楽になっています。でも最近の高出力エンジンは全て横型直列エンジンに変わってしまいましたけど。



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