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2021年05月04日18:32

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葛飾北斎の川柳・・・

 葛飾北斎は言うまでもなく、江戸時代後期の浮世絵師です。
 「富嶽三十六景」、「北斎漫画」など数多くの作品を残していますので、
 ご存知の方も多いでしょうね。

 その北斎が川柳を詠んでいた事は、余り知られていないようです。
 僕は、もう20年近く前になりますが、
 長野県の渋温泉で旅館の経営をなさっていた、宿六心配さんがお書きになった、
 「謎解き 北斎川柳」と言う本で初めて知りました。
 柄井川柳が編集を始めた「誹諷柳多留」は75年も続きますが、
 柄井川柳が編集を止めて後、北斎は卍と言う号で寄稿していました。
 84篇から125篇のあいだに北斎の川柳が182句採られているとの事ですし、
 第85編では、序文を書いているとの事です。

 僕が好きな句が、「芋は今 喉元あたり ろくろ首」です。
 これは、吉原の名妓、高尾大夫の
 「君は今 駒形あたり ほととぎす」のパロディだと思いますが、
 秀逸だと思っています。

 「足長の 三里手長が 据へてやり」と言うのもあります。
 「足長手長」は2匹の妖怪です。
 足長の足が長すぎて、お灸のツボである三里に手が届かないので、
 手長がお灸をすえてやると言う事なのでしょう。
 このバカバカしさが良いと思っています。
 この句を題材にした絵もあるとの事です。


 川柳と言えば、下ネタを扱った、いわゆるバレ句が多くあります。
 北斎は、例えば「蛸と海女」と言う有名な春画を描いていますが、
 川柳でもバレ句も詠んでいます。
 其の腰で 夜も竿さす 筏乗り
 立ちながら こそ細布は おつぱづれ
 いゝのいゝのを 尻で書く 大年増
 間のわるさ 月の影さす 夜蛤
 解説は省略します。

 作者の宿六さんは、本名西山新平さんで、
 長野県の渋温泉で旅館を経営されていましたが、
 2004年(平成16年)12月に、お亡くなりになったとの事です。
 宿六さんのご尽力なのでしょう、
 渋温泉では、北斎の川柳が句碑になっているそうです。
 是非一度訪ねてみたいと思っています。


【今日の一句】
 懲りました 若い娘は 宇宙人

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