2021.4.16 19:00〜 於:神奈川県民ホール
(前半)
シューマン
ピアノ協奏曲 イ短調 op.54
(ソリストアンコール)
シューマン=リスト
献呈
(後半)
ショスタコーヴィチ
交響曲第5番 ニ短調 op.47
指揮:沼尻 竜典
ピアノ:河村 尚子
コンマス:木野 雅之
管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団
みなとみらいホールの長期改修工事により、県民ホールでの演奏会が続いています。
そして、県民ホールに行くときはかなりの確率で雨です。。
今回もコロナ影響でラザレフ氏が不在となり、代演の沼尻さんがシューマンとショスタコを振ります。ただ、ソリストの河村さんはドイツから(予定通り)帰国して演奏頂けたようです。
県民ホールは響きが残らない感じで、編成を小さくしたオケではちょっと迫力が足りず、1階後方に指定された座席だと小さな音の揺らぎが分からず、ffにあっても迫力に不足を感じてしまいます。
ただ、河村さんのピアノはそのような逆境を超えて心に響くものでした。演奏会で出会う度、可憐さとしなやかさが洗練され、遠く聞こえる音であってもしっかり心を掴んで来ます。
そして今回のベストな演奏はアンコールの「献呈」
コロナ渦にあってアンコールの実施も控えめな傾向と思いますが、昨夜のアンコールは(数分であるのに)メインディッシュに匹敵する完成度で完全にノックアウトされてしまいました。
シューマンが結婚前夜に妻クララへ愛を籠めて捧げた歌曲、それをリストがピアノ用に編曲した3分ほどの短い楽曲。両手に受け止めきれない愛情が手の平から零れ落ちてでもそれ以上にどんどん溢れて来る、そんなシーンが河村さんのピアノの音から湧き出して来ます。ブラバー!
後半のショスタコーヴィチ。ここはラザレフさんの大爆演を期待していただけに、沼尻さんの重くじっくりとした演奏はちょっと物足りない感じが残りました。(木野さんのソロは素敵でした)
早いもので、もうすぐGWです。今年もラ・フォル・ジュルネの音楽祭は中止となったようです。来年こそ!
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