次の日
この日、山下家にある人物が訪ねてきた。
あの旧姓・縁天下凪子(えんてんかなぎこ)だった
相変わらず、着物姿だった
ひかる『おばさん、いらっしゃい
』
元輝(げんき)菜子(なこ)『こんにちは(*≧∀≦)』
凪子『こんにちは。久しぶりね
』
ひかる『どうぞ、あがって下さい』
ひかるは凪子を上げた。
実は凪子はひかるパパの姉、つまりひかるの伯母ということだ。
東京に嫁いで今は苗字が千宮(せんのみや)になっている。
ひかるは皇居へ行った話をした。
ひかる『菜子ったら、パーティーの日に指輪を拾って間違ってうちに持って帰ってきたの┐( ̄▽ ̄;)┌』
凪子『よくあることね
』
ひかる『すぐに返したくて連絡したら、ご公務がしばらく続いて。ようやく返しに行けるかと思ったら。
菜子の幼稚園の行事と被って。だから、どうしようかと思って。とても大切な指輪らしくて』
凪子『あらそうなの(?_?)』
ひかる『N.to.Yoshinomiyaと指輪に彫られてたから。誰かからのプレゼントらしくて』
凪子『そうなの』
凪子は一瞬、目が泳いだ。
その指輪は若かりし頃、凪子から常陸宮殿下(当時、義宮殿下)へプレゼントしたものだったから。
凪子『よかったら、私が代わりに届けに行こうかしら
』
ひかる『えっ
そんなこと頼めないです!』
凪子『いいのよ
』
菜子『なこも行く』
ひかる『ダメよ』
菜子『つまんない
お兄ちゃんは夏休み、お勉強するし。遊んでくれないし』
菜子の機嫌が悪くなる(-∀-`; )
元輝『菜子ちゃん。お兄ちゃんは宿題が終わったら遊んであげよう
』
菜子『うん』
ひかる『凪子おばさん、申し訳ないけど。お願いしてもいいですか
』
凪子『いいわよ
』
ひかる『それじゃあ、殿下にもそう伝えておきます』
それから、数日後
凪子は常陸宮邸を訪ねた。
宮内庁には。
凪子『脚本家の※徳永智里(とくながちさと)さんの代理で常陸宮殿下に落とし物をお届けに来ました』
※ひかるの芸名、ペンネーム
そして、常陸宮殿下は凪子の姿を見て驚いた
常陸宮殿下『凪子さん
なぜあなたが』
凪子『お久しぶりです。殿下』
常陸宮殿下『凪子さん、こちらへどうぞ
』
家の中へ入れてお茶を飲みながら昔話に華を咲かせた。
常陸宮殿下『まさか、凪子さんが智里さんの伯母さんだったとは』
凪子『驚いたかしら(*≧∀≦)』
常陸宮殿下『智里さんは長屋育ちと聞いていましたから
』
凪子『うちが没落したせいで弟一家も不憫な思いをさせることになったわ┐( ̄▽ ̄;)┌』
常陸宮殿下『聞きました。凪子さんは国際基督教大学の試験で四年間授業料免除になったそうで( ・∀・)
』
凪子『それからが大変だったけど。私は本屋さんでバイトしながら大学に通ったから(笑)』
常陸宮殿下『凪子さん。妻は今は海外で帰ってくるのは明後日です。私と一晩過ごして欲しい』
凪子『何をおしゃってるのですか
』
常陸宮殿下『またお会いしたい』
なんと、焼けぼっくりに火が着いた
これは大変だ。
結局、凪子は常陸宮殿下にお別れを言って常陸宮邸を後にした。
話はまだまだ続きます
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