それは3月の終わりごろだった。
この時期になると、どこの学校のでも、卒業式が行われる。
それを知ったミランダ神は考えた。
これを利用できないかと。
彼はある学校にターゲットにして、その卒業式の開始を待ち、それが始まると、彼はそこに術を施し、暗黒へのゲートを開くと、そこへ卒業生達を落していく。
そして、そのゲートの先にあるのは、一輪の花のつぼみだった。
そう。これこそが、ミランダ神の求めた物で、どの神も一度も見た事がないとされている、暗黒への始まりとされている花だった。
「フフフフフフ。感じる感じる。暗黒の花の鼓動が! もうすぐ‥‥‥もうすぐ私の完全な野望が達成される。この花が開いた時、全てが私の思い通りの世界になるのだ。フフフフフハハハハハハハハ。
と、彼はまた肉とワインを飲むが、いつもはいい気分になるはずが、今日に限ってすぐに眠気が襲ってきた。
「な……なんだ?……何だ……これは……ま、まさか……エスイ!?」
「その通りですよ。ミランダ様。僕はあなたに憧れていましたが、いささかやりすぎな様な気がしてなりませんでした。それでこの花を調べて分かったんです。あなたはこの神の世界おも1人じめにする気でいたでしょ!」
「ぐ……それでワインに……」
「殺す事は考えていません。でも、今回はどうか、諦めて下さい。僕としても、あなたを殺したくないのです。
と、エスイは、こっそり練習していた、逆転術をかけ、花を枯れさせた。
「これで良いんだ。いくらなんでも、こんな物、あっちゃいけないんだ」
こうしてミランダ神の野望は明るみになり、エスイがその座を継ぐ事になったのだが、
彼は、人間という生き物をもう少し見ていたいという理由で、その座に着く事なく、
人間界に降りて勉強をすることになった。
END
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