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2021年02月07日15:55

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だんじょん商店会を遊んだ

久しぶりにレトロゲーをクリアしようのコーナー。
今回プレイしたのはPSソフト「だんじょん商店会 〜伝説の剣はじめました〜」です。
講談社より発売の、経営シミュレーションRPGです。

今回も、ゲームカタログ風に感想を書いてみたいと思います。
ちなみに2周クリア、エンディングはロードを駆使して5種類見ました。

☆ストーリー(説明書より転載)
あなたは新米の魔女。
パートナーである猫と共に、見知らぬ町へやってきたばかりです。
ここはダンジョンと冒険でにぎわう町。
冒険者相手の道具屋を始めようと思いつき、ちいさなお店を開くところから、
あなたの物語は、始まります・・・。

☆概要
ゲーム内容は、少し乱暴な言い方をすれば「簡素化されたアトリエシリーズ」。
主人公は新米魔女の少女(デフォ名は「サララ」)を操作し、自分の店で商売をする。

ストーリー上の目標は、仲良くなったパーティキャラ(後述)と、ダンジョン最下層にいるという魔王を倒すこと。
 ・すべてのアイテムをコンプリートすることで「主人公エンド」を見ることもできる。
 ある意味、これが真のエンディングといえるだろう。
  ・これを目指す場合、パーティエンドを目指す必要はない。
パーティキャラごとにエンディングがあり、中には複数のエンディングがあるパーティ
もいる。
しかしそれ以外にも、自分のレベルや商店会レベルを上げる、アイテムをコンプリートするといった遊び方もできる。
・ストーリークリア後、このまま継続して遊ぶか、集めたアイテムを移行させて二周目
 を遊ぶかを選べる。
 移行できるのはアイテムと所持金だけで、サララや仲間のレベルは1になる。

店で売る商品は、町の商店会から仕入れるか、自分でダンジョンに行って拾ってくる。
・商店会から仕入れる商品は、最初は安価なものばかり。
・しかし商店会に会費を納付することで、徐々にレベルが上がり、いい商品を回しても
 らえるようになる
・また、仕入れた商品を自分で装備したり使ったりすることも可能。

自分の店で「店番をする」を選ぶと、開店し、客を待つことになる。
・時間帯や内装、ショーウインドウに飾った目玉商品などで、客が訪れる。
 ・条件がかみ合わなかったり、好感度が低いと、誰も入ってこないこともある。
・やってきた客は、買い物か、買い取り希望商品を持ってくるかになる。
 ・買い物の場合、欲しいものを何となく言ってくる場合と、目玉商品を
  直接指定してくる場合がある。希望に沿わないと、値段交渉なしで帰ってしまう。
 ・値段交渉になると「定額」の他に「増額」「倍額」「割引」「半額」を選べる。
  買い取りの場合も同様。
  ・商品自体の定価はあらかじめ決められていて、プレイヤー側では設定できない。
 ・相手の好感度によって、交渉がうまくいくかどうかが決まる。
  ・相手が得をする交渉をすれば、相手の好感度が上がる。逆なら下がる。
  ・相手が納得しない場合、二度目の交渉を求められる。例えば「半額」で納得せず
   さらに「半額」を提示すれば、当然売り上げは1/4となる。

ダンジョンに行く際は、町で知り合ったパーティと一緒に行くことができる。
・勇者パーティ、女盗賊パーティ、ドラゴンパーティなど、その種類は様々。
・ササラはもちろんだが、キャラそれぞれにレベルがあり、一緒に戦闘することで
 レベルが上がって行く。また隠しパラメータの好感度もレベルアップごとに上がる。
 ・各キャラは、一定レベルごとに装備がより強いものへと更新されていく。
 ・仲間の装備を外すことはできないが、サララの持ち物を装備させることは可能。
  その場合、一度装備させるとその冒険中は新たな装備品を付けない限り外せなく
  なるが、冒険を終えると自動的に外れて返してもらえる。
  ・ただし、装備破壊の攻撃を受けて敵に壊されてしまうと、そのまま紛失となる。
・ほとんどのパーティは、知り合うだけで以後ダンジョンに誘えるようになる。

ダンジョンでは戦闘と、アイテムドロップが可能。
・戦闘はシンボルエンカウント式のターン制バトル。
 キャラにはMPがあり、魔法や特技を使用すると減って行く。
・戦闘では、攻撃や魔法の他に、ササラのみ「交渉」ができる。
 ・交渉すると、モンスターと商品の売り買いができる。うまくいけば、
  商談終了と共に戦闘が終了。経験値やお金はもらえないが、戦闘回避できる。
 ・モンスターから交渉を持ち掛けてくる場合もある。
  ・まれに、アイテムをタダで貰ったり、タダで持っていかれたりする。
   パートナーの猫が、ちゃんと「タダでくれるみたい」などと教えてくれるので、
   詐欺のように騙されることはない。
 ・交渉に失敗すると、黙って立ち去るか、戦闘継続となる。戦闘継続の場合、
  こちらのターンが1回飛ばされることもある。

・アイテムは「プロップ」で、宝箱だけでなく、草や岩、噴水やドクロといった様々な
 ものを調べることで発見できる。
 ・プロップにはモンスターも潜んでいて、戦闘になることもある。
  何も手に入らないこともある。
 ・プロップは、階段を移動することで復活する。

・ダンジョン探索を終えて外に出ると、強制的にササラが睡眠をとる。
 そのため、ダンジョン探索にはゲーム内時間で二回分の行動時間を消費する。

・町では時間を消費することで、様々な場所に行くことができる。
 ・メインの仕入れ先である商店会だけでなく、教会、研究所、盗賊のアジトなど。
 ・最初は行ける範囲が狭いが、出会いやイベントによって行き先が増える。

・店で睡眠を取ると、まれに「タロット」を引くイベントが発生する。
 ・3枚提示されるが、どれも同じと考えて差し支えない。
 ・タロットが、いわゆるミッション型イベントの発生となり、訪れるイベントを
  こなすことになる。
 ・イベントの解決方法は複数ある。アイテムを持ってくるイベントの場合、
  すでにドロップなどで手元にあるなら、それをさっさと渡すことでクリア可能。
  ・イベントを楽しむなら、指示通りの場所に向かい、アイテムを入手すればいい。
  ・町にある「秘密の店」では、イベント解決に必要なアイテムが購入可能。
   イベントもへったくれもない解決ができる。
   ・いわゆる「詰み防止策」である。利用するかどうかはプレイヤー次第。

☆評価点
・個性豊かなキャラクター達
 ・町で出会えるキャラクターはどれも個性的で、非常に印象に残りやすい。
  キャラデザインもメルヘン風にデフォルメされていて、ともて可愛い。
 ・仲間になるパーティキャラたちも、前向きで明るいが天然な女勇者、盗賊ギルトと
  反目している女盗賊たち、主人公にほれ込んだ吸血鬼伯爵、町から離れて暮らす
  ドラゴンライダー一族、魔王候補生など、多種多様。
 ・パーティの特徴もはっきりしていて、勇者パーティならバランス型、女盗賊なら
  素早さ重視でアイテム集めに強い、ドラゴンパーティなら毒に耐性があるなど。

・アイテムがユニークで、集めていて楽しい。
 ・武器、防具、薬草などのアイテムの他にも、包丁や鍋、香水や指輪、果ては
  バナナの皮や生ごみ、他の冒険者の死体なども拾える。
 ・手に入れたアイテムはすべて売ることが可能。タイトル通り、伝説の剣であろうと
  容赦なくたたき売りすることができる。
  ・冒険者の死体については、教会に持っていくことで「救済代金」という形で
   お礼のお金をもらうことができる。危険な売買ではないのだ。
 ・装備品は、武器、防具の他に、もう一つサブスロットがある。盾が多いが、
  特殊効果のついた装飾品なども装備できるため、強くなる目的でもアイテム集めに
  精を出すことになる。

・店番では、いろんな人のリアクションを楽しめる。
 ・店の前を通り過ぎる人や、チラ見しつつ去る人、店に入ってくれる人など、
  人の動きを見るだけでも面白い。
 ・店に来た人は、その人ごとの話し方で接してくるので、ちゃんと会話をしている
  という感覚がある。
  ・中には、平気な顔してさらっと毒舌を吐いてくるキャラもいる。
  ・同じ人でも、欲しいものがその都度違うので、ちゃんと会話を聞いて
   商品を用意しないと怒らせてしまう。そうした対応もマンネリ化を防いでくれる。

・パーティごとにエンディングがあるため、キャラゲーのように遊ぶこともできる。
 ・気に入ったパーティを使い続けて強くしていき、好感度を上げるのも楽しい。
  ・狙いのキャラが店に来たら、気を引くために目いっぱい贔屓するのも
   また面白い。
 ・エンディングはややシンプルながら、きちんと描かれている。
  ・意外な結末や悲しい物語などもあり、一枚絵が見られることもあって
   「見てみたい」と思わせる内容になっている。


☆問題点
・序盤のダンジョンの難易度がやけに高い。
 ・全員レベル1で、アイテムもほぼない状態の序盤は、敵がかなり手ごわい。
  歯が立たない強さの敵も最初から出てくるため、弱い敵を見極めて慎重に
  戦わないと、普通に全滅もありえる強さ。
 ・また、ダンジョンは5階層ごとに敵が一段と強化される傾向にあり、それまで
  余裕だったのに、階を一つ進むと途端に苦しくなるというバランスになっている。
  ・アイテムを盗む、装備破壊する、味方の攻撃を狂わせて味方に跳ね返えらせる
   など、かなり嫌らしい能力を持つ敵もいる。
  ・そのため、敵が強いと思ったらすぐ引き返し、じっくりとしたレベル上げをする
   必要がある。アイテムドロップがあるとはいえ、単調なレベル上げ作業になりがち。
 ・特に、最終イベントが発生すると、後は最下層の魔王を倒すだけとなるのだが、
  こいつがかなり強く、がっつりとレベル上げをしなければいけない。
  ・最下層にたどり着くだけなら、もっと低いレベルでも行けてしまう。しかし
   いざボスに勝とうとすると、そこから10〜20程度のレベル上げが必須。
  ・初プレイ時ならまだモチベーションも続くかもしれないが、マルチエンディング
   搭載のこのゲームにおいては、周回プレイ時に大きな苦痛となる。

・商売による稼ぎの低さ
 ・お金は、ダンジョンでモンスターを倒しても手に入るのだが、一日ずっと店番する
  よりも、ダンジョンに一回潜ったほうが多くのお金が手に入りやすい。
  ・ササラやパーティのレベル上げ、アイテムドロップ、金稼ぎと、ダンジョンで
   得られる利益のほうが圧倒的に高い。
 ・店番では、好感度がある程度高くなるまでは半額売り、あるいは倍額買い取りを
  繰り返すことになるため、むしろ商売をするほどに赤字になっていく。
  ・むしろ、半額売り、倍額買い取りによる好感度の上昇はかなり高い。
 ・つまり、効率的にプレイしようとすると、ダンジョンに潜ってアイテムドロップ
  と金稼ぎ、店に戻って金とアイテムを減らしながら好感度稼ぎ、という
  ルーティンが基本となる。
  ・そのため、ウリであると思われる「経営シミュレーション」が破綻している。
   ・じゃあそういう商売をしなければいい、と思われるかもしれないが、好感度は
    イベント発生やエンディング条件に関わる大切なパラメータである。
    店番で商談失敗すると好感度が下がってしまうため、どうしても損を被る形
    での交渉が基本になってしまうのである。

・イベント数が少ない
 ・初プレイ時にはそれほど気にならないのだが、周回プレイすると、いわゆる
 「共通イベント」が多く、キャラごとに起こる個別イベントが少ないことに気づく。
  ・飽きやすくなるのもあるが、パーティごとのシナリオの掘り下げが甘く、
   感情移入しにくくなってしまっている。
  ・一応、日常会話や短いイベント会話で、それっぽい「フリ」を聞くことはできる
   が、しっかり明かされる場面が来ないことが多いので、消化不良である。
   ・例えば女盗賊ルビィは孤児で、幼少期に生きるため辛い思いをしたことが
    におわされるが、それが起因であろう盗賊ギルドとの確執や仲間との出会い
    などは語られない。
    終盤、主人公がルビィの願いのために犠牲になるような選択肢も登場するが、
    それを選ぼうと思える動機がプレイヤーに湧いてこないのである。


・総評
ゲーム自体は分かりやすく「アトリエシリーズのようなコンセプトを持ったゲーム」と
すぐ分かるデザインがされている。
ある程度はその層へのアプローチも成功していて、期待する面白さは味わえる。

また、ストーリーもしっかりしていて、例えば主人公は魔女なのに魔法が使えないのだが、その理由もちゃんと描かれていて、なおかつ共感できるものであるなど、シナリオのうまさが分かる。

その一方でゲームバランスは甘く、敵の強さやレベル上げの作業感、店番の利益を感じにくいシステムなど、マイナス面も感じやすい。
面白い部分とそうでない部分、双方がはっきりと出ているゲームといえる。

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