さようならムーンライトながら号(その３)

廃止が決まったムーンライトながら号を偲ぶ連載日記。
【episode3:ムーンライトながら号の兄弟たち】
最下層の旅人たちにとって、日本列島の大動脈となったムーンライトながら号、兄弟も次々に増えていきます。
・東京〜仙台「ムーンライト東北」
・新宿〜新潟「ムーンライトえちご」
・新宿〜松本「ムーンライト信州」
・京都〜高知「ムーンライト高知」
・京都〜博多「ムーンライト九州」
と、文字通り百花繚乱！日本の夜が、ムーンライトの描く光の輪で結ばれる時代が来たのです。


当時、早朝の東京駅に着いた上りのムーンライトながら号の車輌が、折り返し静岡行き普通列車として運行され、普通乗車券のみで快適なリクライニングシートを利用できるサービスもあり、これもムーンライトの一族に入れてあげたくなります。

そしてムーンライトながら号と言えば忘れられないのが「大垣ダッシュ」です。終点の大垣駅で、接続する米原行きの座席を確保するために行う、乗客による駆け比べで、西宮神社の一番福男に準じる催しでした。米原行きのホームに向かう跨線橋が崩れるのではという迫力のレースに、私も何度となく参加し、いつも席は確保できましたが、大垣〜米原間はせいぜい小一時間。席取りよりもダッシュの高揚感が人気だったようです。