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2020年12月26日21:37

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三島由紀夫「金閣寺」を読む

 2020年は三島由紀夫没後50年。買ってあった「金閣寺」は今年中に読まねばと思い、読みましたわーい(嬉しい顔)いつからか小説を読まなくなった私ですが、これほど著者の美学または美意識を感じさせた小説は記憶にありません。同じ京都を舞台とした川端康成の「古都」とはだいぶ趣が違う。古都からは純日本的な美意識を感じたが、金閣寺にはそこにエロティック、グロテスク、タブーなものが混じりあっていると感じた。
 印象的な場面としては、主人公がもらった尺八を奏でる場面で、現れてはすぐ消える音楽と金閣のように建築として常に存在する美を比較するところです。ここに著者の美学の一端が現れている気がしました。
 京都の描写もなかなか面白く、第二次大戦から戦後すぐの京都はこんなふうだったのかと認識を新たにしました。今はなき市電も金閣寺のい近くまで走っていたり、西陣あたりも遊郭があったりしたのですね。
 現在の金閣寺はいかにも昭和に作られた感があり、やはりオリジナルを見たっかったと思いますが、放火事件がなければこの小説も書かれなっかただろうと思うとなんとも複雑な思いがします。
 今年の京都はいつもの寒さが戻ってきた感がありますが、今冬は金閣の雪景色は見られるのでしょうか?洛中洛外図屏風(国宝の上杉本)に描かれている金閣寺は屋根に雪が降り積もってるのを最近のテレビで初めて知りました。できた当初から金閣寺には雪景色が最も似合うということだったのかな?
 
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