9月に内閣総理大臣に就任した菅首相は、法政大学のご出身とのことです。
秋田の高校を卒業して東京に上京し、しばらく社会人として働いた後、法政大学に入学し空手部に所属したという経緯は、就任当時マスコミでずいぶん取り上げられましたが、政治家の子供でなければなかなか有力な政治家になれない昨今の風潮から考えれば、現代のサクセスストーリーと言えるでしょう。
ところで昭和時代までの内閣総理大臣は、ほぼ東京大学出身者で占められ、まれにその他の大学の卒業生がいたくらいでした。(尋常小学校卒業の田中角栄さんは異例中の異例で、二度とこのような経歴の総理は出ないと思います。)
それが平成に入ると、東大出身者はぐっと減り、近年は私立大学出身者がほとんどになっています。
これは学歴が関係なくなったということなのでしょうか。
実は、今から20年程前、自民党の総裁レースで非常に有力視されていた政治家が、最終的に見えない力が働いて脱落したことがあり、それは出身大学によるものだったというのが今やほぼ定説になっています。
その人は、大変な実績があり、人望もあったそうですが、ある大学の出身だったということがネックになり、ついに日本の宰相にはなれなかったというのです。
そのある大学とは、いわゆる中堅レベルのマンモス大学ですが、そのレベルの大学が総理大臣になると、例えば文部行政に支障が出たり、あるいは官僚の方々に指示したりするのが難しいということなのかもしれません。
そういうこともあり、大学としては、卒業生から総理大臣を輩出することが非常に大きなことになり、今回晴れてそれを初めて達成した法政大学は、さらに人気やレベルが上がったりということが期待されるはずです。
よく学歴や大学は関係ないと言いますが、もし本当にそうなら、受験勉強がこんなに厳しくなるわけがないのです。
ただ、総理大臣ばかりでなく、近年は多くの優良企業でも社長になる人は、東京大学が減っているらしく、私大上位出身が非常に増えているとのことですし、要するにある程度以上のレベルであれば、あとはその後の努力次第ということになって来ているということはあるでしょう。
そのある程度以上のある程度のレベルというのは、目指す職業や生き方、考え方などにもよるのでしょうし、例えば政治家になりたいなら、総理大臣を輩出した大学ということになるのかもしれません。
多くの人にとって、出身大学というのはその後の人生を一緒に歩んでいくようなものにもなり得ます。
最近、高校生と進路の話をする時に、総理大臣の出身大学の話をよくしています。
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