安倍氏側、領収書廃棄か　資金団体、夕食会９００万円超補填

安倍氏側、領収書廃棄か　資金団体、夕食会９００万円超補填
2020年11月26日 05時00分 (11月26日 05時02分更新) 会員限定


　安倍晋三前首相の後援会が「桜を見る会」前日に主催した夕食会を巡り、安倍氏側が不足分の費用を補填（ほてん）した際、ホテル側発行の領収書を廃棄した疑いがあることが二十五日、関係者への取材で分かった。負担したのは安倍氏の資金管理団体「晋和会」とみられ、五年間で計九百万円を超すことも判明。晋和会の政治資金収支報告書に夕食会に関する記載はなく、東京地検特捜部は記載義務があったかどうか調べている。
　関係者によると、二〇一九年までの五年間で夕食会の支払総額は二千万円を超えたが、参加者の会費だけで賄えなかったため、安倍氏側が毎年百万円以上、多いときで二百五十万円を負担していた。ホテル側は晋和会宛てに領収書を発行していた。事前に見積書なども出しており、特捜部は安倍氏側が参加者の会費だけでは足りないことを認識していた可能性もあるとみて、関連資料の分析を進めている。
　安倍氏周辺は特捜部の任意の事情聴取に、差額分を補填したと認めている。昨年末に夕食会の問題が発覚し、安倍氏が事務所に経緯を確認した際、秘書は収支報告書に記載していなかったため「会費以外の支出はない」と事実と異なる説明をしたとしている。