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2020年11月15日16:16

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特許権,著作権と同様の考え方です

■ブランド農作物の海外流出防げ 種苗法改正案が審議入り
(朝日新聞デジタル - 11月12日 23:46)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6304266

種苗法改正の目的を誤解している人,勝手なフェイクを作っている人が多過ぎて,混乱している。

シンプルに考えて欲しい。

新しい技術や製品は,特許法により,特許権や実用新案などで守られている。
商品名には商標登録が出来て,それを守ることが出来る。
著作物には著作権があり,年々強化され,現在では著作者の没後70年まで,権利の範囲が伸びている。

では,品種は?

新品種を作るのには手間も金もかかる。
米や野菜で10年ぐらい,果樹だと20年以上かかることもある。
コストも膨大で,固定品種を育成するのに,作物によっては何億,何十億の単位の投資が必要。

しかし現在,育成権を取得できたとして,育成権料を直接,育成者に支払っているのは,その種苗を販売する業者。その育成権料も,特許等に比べれば安いもので,例えば,CDや音楽配信のミリオンセラーは普通にあるが,果樹の苗を何十万本も作って売る,と言うようなことはあり得ない。

しかも,果樹やイチゴ,いも類などは,栄養生殖で増やすので,増殖効率が悪い上に,F1種苗で売っている野菜品種のように,その種子や苗を育てて取って種子の遺伝的な特性がバラバラになって使い物にならないくなる,と言うことも無く,一度手に入れたら,どんどん苗や芋を勝手に増やしても,同じ形質の作物が得られる(ただし,増殖効率は悪い)ので,国外に苗を盗み出して勝手に増やし,安い労働力で栽培して安く輸出販売すれば,日本の農家も育成者も,大きなダメージとなる。

平昌五輪の時,日本のカーリングチームが美味しそうに食べていたイチゴは,実は日本の品種が韓国に流出して作られたものだった。

日本を代表するリンゴ品種「ふじ」は,世界最大の生産量を誇る品種だが,国際市場で流通しているのは,中国産が最多。

既に中国産シャインマスカットも,国際市場に出回っている。

最近の話題では,日本で,焼き芋向けのサツマイモのヒット商品となった「べにはるか」が,既に韓国に流出し,国際市場に出回っていると言うニュースもある。

◇サツマ「べにはるか」 無断流通 韓国で拡大 栽培面積の4割 輸出競合に懸念
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6376559

これはかなり深刻。
韓国では,寒い気候なので,サツマイモの育種研究が出来ない。
育種には開花,受粉が必要だが,韓国では花が咲くほど暖かくない。
日本でも,南九州などで,サツマイモの苗をコダチアサガオに接ぎ木して,やっとこ開花,受粉できる状態にして育種していると言う,厳しい条件の中で,お金と手間をかけて,育種している。
特に基幹作物では,育種にコストが掛かり過ぎるので,民間ではなく,国や県が投資して新品種を作っている。つまり,我々の税金で作った品種が,何の規制も罰則も無く,海外に流出し,それが日本の農産物の国際競争力を弱めていると言う,皮肉な状況なのだ。

日本が海外への輸出も視野に入れた高品位の品種を作っていても,それを丸々盗まれて,かつ,この行為について,規制もペナルティも無いのが現行の種苗管理に関する法制度。

日本の品種,日本の農業を守るために,今回の法改正は必須。

……だったはずなのだけど,国内で反対論が盛り上がっているのが現状。

ここは,国防論や,反中・嫌韓論ではなく,正攻法に正々堂々,正論で,「日本オリジナルの種苗を守れ」と主張して欲しい。

なお,育成権は著作権や特許権と同様,期限があるので,古典的品種や在来品種には全く適用されない。その辺にも誤解があるようだ。

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