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2020年11月15日05:55

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古楽の楽しみ、他 LXXII (随時追記)

古楽の楽しみ 2020/9/21(月)放送分
▽ラインケンのオルガン作品
ご案内:鈴木優人/北ドイツ・オルガン楽派の巨匠ラインケンのオルガン作品をご紹介します。

「フーガ ト短調」
ラインケン:作曲
(オルガン)フリートヘルム・フランメ
(4分37秒)
<cpo 777 246-2>
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「コラール幻想曲「いかなる辛苦が我らを襲えども」」
ラインケン:作曲
(オルガン)ベルナール・フォクルール
(11分50秒)
<RICERCAR RIC 204>

シュニットガーオルガンによる演奏
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「トッカータ ト長調」
ラインケン:作曲
(オルガン)フリートヘルム・フランメ
(8分15秒)
<cpo 777 246-2>

北ドイツのトッカータの特徴:即興的なパッセージのトッカータとフーガが交互に

跳躍の多いフレスコバルディ的なフーガ
パイプに風を送る装置自体を揺らす奏法
18cの歴史的なオルガン

今のピアノより半音あるいは全音高いピッチで建てられている
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「コラール幻想曲「バビロン川のほとりで」」
ラインケン:作曲
(オルガン)グスタフ・レオンハルト
(18分13秒)
<TELDEC WPCS 6300>

ハンブルクの聖カタリナ教会を退いたラインケンの元を訪れたのは若きバッハ
その時バッハ35歳、老ラインケンは80歳

異教徒の国バビロンに囚われた民が故郷のエルサレムに思いを馳せる
北ドイツオルガン楽派を継承するために必要な技術が全て組み込まれている教科書的な作品
オランダ改革派教会のシュニットガーオルガンで
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古楽の楽しみ 2020/9/22(火)放送分
▽バッハのカンタータ
ご案内:鈴木優人/バッハが20代前半に作曲した初期のカンタータ第106番と第4番をご紹介します。

1685年アイゼナッハで生まれる
18歳ワイマール宮廷のヴァイオリニスト
北ドイツに滞在、ブクステフーデの影響で不協和音も取り入れる
1707年24歳 ミュールハウゼン オルガニスト

「カンタータ第106番「神の時」BWV106から第1曲」
バッハ:作曲
(合奏)ヴォクス・ルミニス、(指揮)リオネル・ムニエ
(2分55秒)
<ALPHA ClASSICS ALPHA 258>
楽譜に"哀悼の"
母方のおじが亡くなった時に作曲されたらしいが確たる証拠がない
リコーダー2 ヴィオラダガンバ2 通奏低音
20代のバッハが既に深い死生観を持っていた
静かで心洗われるソナティーナ
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「カンタータ第106番「神の時」BWV106から第2曲」
バッハ:作曲
(ソプラノ)ジュジ・トート、(カウンターテナー)ダニエル・エルヘルスマ、(テノール)フィリップ・フレーリガー、(バス)トマーシュ・クラール、
(合奏)ヴォクス・ルミニス、(指揮)リオネル・ムニエ
(9分11秒)
<ALPHA ClASSICS ALPHA 258>

ソプラノの声にバスが朗らかに答える
活発なアレグロの三拍子
テノールのアリオーソ レント
リコーダーの物哀しく下降する伴奏

バスのアリア イエスの声部
"地上の財産を整理しておきなさい"

ソプラノが歌いきらぬうちにバスの沈黙。ベースラインをふと失う、空白に気を遣う
ふと歌い終えるソプラノが印象的
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「カンタータ第106番「神の時」BWV106から第3,4曲」
バッハ:作曲
(ソプラノ)ジュジ・トート、(カウンターテナー)ダニエル・エルヘルスマ、(テノール)フィリップ・フレーリガー、(バス)トマーシュ・クラール
(合奏)ヴォクス・ルミニス、(指揮)リオネル・ムニエ
(9分03秒)
<ALPHA ClASSICS ALPHA 258>

通奏低音が音階を駆け上る
天国へ向かおうとする魂の動き

"今日あなたは私と天国に居る"
高いところから降りるバスの旋律、魂を迎える
ルターのコラール、安らぎと喜びを持って私は逝く

リコーダーが戻ってき牧歌的な旋律を奏でる
力強い合唱

リコーダーとヴィオラダガンバが合唱にこだまを返す
優人先生はヴォクス・ルミニスと長い付き合い
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「カンタータ第4番「キリストは死のとりこになられても」BWV4から第1〜3曲」
バッハ:作曲
(ソプラノ)キャサリン・フーグ、(カウンターテナー)カルロス・メーナ、(テノール)ハンス・イェルク・マンメル、(バス)ステファン・マクロード、
(合奏)リチェルカール・コンソート、(指揮)フィリップ・ピエルロ
(9分07秒)
<MIRARE MIR 057>
1708年復活祭
コラールカンタータ

1.1ページほどの短いシンフォニア、非常に印象的
2.合唱が登場するアレグロ、ソプラノがコラールの旋律を
 死の縄目につきたまへり
 復活祭だが受難に焦点があてられている
3.ソプラノとアルトの二重奏 伴奏は通奏低音のみ
 人間の罪により誰も死から逃れられない
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「カンタータ第4番「キリストは死のとりこになられても」BWV4から第4〜8曲」
バッハ:作曲
(ソプラノ)キャサリン・フーグ、(カウンターテナー)カルロス・メーナ、(テノール)ハンス・イェルク・マンメル、(バス)ステファン・マクロード
(合奏)リチェルカール・コンソート、(指揮)フィリップ・ピエルロ
(9分33秒)
<MIRARE MIR 057>

テノールのアリア
 中間部に面白い仕掛け
イエスと死の戦い
ヴァイオリンの重音奏法
奈落に落ちるような
アダージョ

合唱 フーガ
アルトがコラールの旋律
忙しい他のパートとの対比
生命の勝利

通奏低音による半音階に導かれたバス
 信仰は死に勝利する
tod:非常に低い音が当てられる
ソプラノとアルトが3度でハモる
コラール
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古楽の楽しみ 2020/9/23(水)放送分
▽バッハの無伴奏チェロ組曲(1)
ご案内:鈴木優人/バッハが残した「無伴奏チェロ組曲」全6曲から、第1番と第4番をご紹介します。

ケーテンの宮廷に勤めていた1720年頃

ト長調:弦楽器と相性の良い調性
レの音もドミナント
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「「無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調」BWV1007から、前奏曲、アルマンド、クラント」
バッハ:作曲
(チェロ)ヴィーラント・クイケン
(11分15秒)
<ARCANA A 383>
プレリュード 広い音域を流れるような分散和音
アルマンド ゆったりと深呼吸するような
クーラント 立体的な作品

プレリュード、クーラントと相まってホンダ車を思い浮かべ(コラッ
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「「無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調」BWV1007から、サラバンド、メヌエット、ジーグ」
バッハ:作曲
(チェロ)ヴィーラント・クイケン
(9分28秒)
<ARCANA A 383>

サラバンド 元々はスペインの激しい舞曲だったがフランスで荘重な舞曲へと変化
メヌエット 優美なメヌエットは二つ置かれている 長調−短調−長調
ジーグ バッハは実に様々な拍子で書いている 6/8
 スタッカートも見える
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「「無伴奏チェロ組曲 第4番 変ホ長調」BWV1010から、前奏曲、アルマンド、クラント」
バッハ:作曲
(チェロ)鈴木秀美
(12分16秒)
<BMGビクター株式会社 BVCD-1908/09>
バロックチェロ:弓は先が細く尖ったまさに弓なり
エンドピンが付いていないので自らの脹脛で支えて演奏

よりダイナミック
前奏曲 変ホの音が毎回ドラムのように頭の部分で
天から下るようなアルペジオ 複雑な転調を繰り広げ 魔法のように変ホ長調に戻る
アルマンド なめらかな十六部音符に挟まれた八分音符
クラント 点描的に構成される八分音符 駆け上がる十六部音符
なだらかに揺蕩う三連符
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「「無伴奏チェロ組曲 第4番 変ホ長調」BWV1010から、サラバンド、ブーレ、ジーグ」
バッハ:作曲
(チェロ)鈴木秀美
(11分20秒)
<BMGビクター株式会社 BVCD-1908/09>

無伴奏チェロ組曲、サラバンドの次に来るのは
1,2メヌエット3,4ブーレ5,6ガヴォットと大変論理的

サラバンド 長い音で貯めた緊張感を符点のリズムが解消する
 まるでオルガンを弾くような部分が
ブーレ 二拍子の活発な踊り
 深く息を吐くようなサラバンドと対照的
ジーグ 8/12のジーグ

優美な第一番とダイナミックな四番
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古楽の楽しみ 2020/9/24(木)放送分
▽バッハの「無伴奏チェロ組曲」(2)
ご案内:鈴木優人/バッハが残した「無伴奏チェロ組曲」全6曲から、第3番と第5番をご紹介します。

チェロのためにバッハが残した大作
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「「無伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調」BWV1009から、前奏曲、アルマンド、クラント」
バッハ:作曲
(チェロ)アンナー・ビルスマ
(10分50秒)
<BMGビクター株式会社 B18D-38001/02>
ハ長調 C線の存在を生かした作品

前奏曲
快活なユーモア
本来は曲の終わりを感じさせる出だし
分散和音
初めのパッセージが戻って終わる

アルマンド
 ランタタタンタンタンのリズム、軽やかな舞曲
クラント
 どの曲も2オクターブ駆け下りる

語り口の変化によってリズムが一定であることを感じさせない
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「「無伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調」BWV1009から、サラバンド、ブーレ、ジーグ」
バッハ:作曲
(チェロ)アンナー・ビルスマ
(9分24秒)
<BMGビクター株式会社 B18D-38001/02>

ゆったりとしたサラバンド 4本の弦を一度に奏でる
旋律的な動きは符点を用いる
ブーレ
最も人気のある作品の一つ
三部形式、メロディだけを弾いている作品、かえって珍しい
ジーグ
開放弦を駆使、押さえた音と交互
田舎風のハーディガーディを演奏するような効果
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「「無伴奏チェロ組曲 第5番 ハ短調」BWV1011から、前奏曲、アルマンド、クラント」
バッハ:作曲
(チェロ)鈴木秀美
(13分08秒)
<BMGビクター株式会社 BVCD-1908/09>

誰のためにチェロの金字塔というべき作品を書いたのか?はっきりとした記録はない
1720年代、ケーテン時代に活躍したチェロ兼ガンバ奏者の
クリスティアン・フェルディナント・アーベルが有力。バッハとも親しかった

最も悲劇的な作品
調弦を変えるよう指示
ハ短調の和音
4度調弦のヴィオラダガンバに近づく

フランス風
まるでフーガを聞いているような錯覚
重音を駆使した
妻の残した筆写譜では誤ってクーラントとなっているが
ためらいながら気持ちを引きずる

クラント 優美なフランス風
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「「無伴奏チェロ組曲 第5番 ハ短調」BWV1011から、サラバンド、ガヴォット、ジーグ」
バッハ:作曲
(チェロ)鈴木秀美
(10分17秒)
<BMGビクター株式会社 BVCD-1908/09>

サラバンド
不協和音を崩した分散和音の旋律は内面に深く沈み込む印象、舞曲であることをすっかり忘れる
少し明るいガヴォット
第二、三連符が忙しい
ジーグ
第五番全体にある緊張感を解きほぐしてくれるように思う

快活/深く内面を掘り下げる
陰と陽 コントラスト
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「無伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調」BWV1009
ブーレは好きというよりもはや懐かしい…
ヴァイオリンの練習曲ではト長調だった事を思い出す

allemandeはドイツに起源を持つ舞踊・舞曲
フランス語ではドイツ人の意味
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古楽の楽しみ 2020/9/25(金)放送分
▽バッハの「無伴奏チェロ組曲」(3)
ご案内:鈴木優人/バッハが残した「無伴奏チェロ組曲」全6曲から、第2番と第6番をご紹介します。

金字塔的作品
1720年代 ケーテンで宮廷楽長を務めていた頃に作られた作品と言われている
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「「無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調」BWV1008から、前奏曲、アルマンド、クラント」
バッハ:作曲
(チェロ)アンナー・ビルスマ
(9分02秒)
<BMGビクター株式会社 B18D-38001/02>
1979年の録音
短調ということもあり非常に内面的な性格

前奏曲 慎重に一歩一歩
複7の和音 16部音符
次第に楔を打つような音型へと変わる
フェルマータの不協和音で停止、極限まで音程が下がりもがくような
最後はアルペジオで自由に

アルマンド 少し軽やか

クラント これまでとは一変
16分音符で前のめり
最も激しい性格
どのようなスラーで弾くか語り口が全く異なる
ある意味楽譜通りが通用しない世界
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「「無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調」BWV1008から、サラバンド、メヌエット、ジーグ」
バッハ:作曲
(チェロ)アンナー・ビルスマ
(9分03秒)
<BMGビクター株式会社 B18D-38001/02>

サラバンド
落ち着いたテンポのサラバンド
不安と穏やかさの入り混じるような

メヌエット
最初の4音:ラメント
 下降する音は少し憂いを
第二メヌエット 一気にニ長調、束の間の安らぎ

ジーグ
十字架の音型
途中で耳につくのは二つの音を同時に弾く荒々しい重音
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「「無伴奏チェロ組曲 第6番 ニ長調」BWV1012から、前奏曲、アルマンド」
バッハ:作曲
(ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ)セルゲイ・マーロフ
(7分03秒)
<Solo Musica SM343>

一般的な4本のチェロのためではない

二番目の妻アンナ・マグダレーナの筆写譜によれば5本弦

5本弦のチェロ:更に上にミの音
ヴィオロンチェロ=小さなヴィオローネ
バッハ当時旋律楽器に使うのは珍しかった

この曲は何の楽器で弾くのが議論の的
ヴィオロンチェロ・ピッコロもしくは
肩にかけるチェロ:ヴィオラ・ダ・スパッラ(ヴィオラとチェロの中間の大きさ、横倒しにして演奏)
シギスバルト・クイケンらが復活に尽力

前奏曲
高音域に駆け上がる、超絶技巧
アルマンド
装飾音が沢山書き込まれた優美なアルマンド

小回りが効き通常のチェロより軽やかに聞こえたかも
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「「無伴奏チェロ組曲 第6番 ニ長調」BWV1012から、アルマンド」
バッハ:作曲
(ヴィオロンチェロ・ピッコロ)アンナー・ビルスマ
(7分01秒)
<BMGビクター株式会社 B18D-38001/02>
通常のチェロより一回り小さい
1700年頃作られたオリジナル楽器

縦型のチェロの方が低音が響く
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「「無伴奏チェロ組曲 第6番 ニ長調」BWV1012から、クラント、サラバンド、ガヴォット、ジーグ」
バッハ:作曲
(ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ)セルゲイ・マーロフ
(8分25秒)
<Solo Musica SM343>

クラント
喜びにあふれた 自由自在に

サラバンド
5弦の魅力が遺憾無く発揮
全編重音奏法
5弦の共鳴が豊かに

ガヴォット
素朴な舞曲 レの音がリズミカルに 田舎風の楽しい
ジーグ
6/8拍子 組曲全体の統一性、野外音楽あるいはクリスマスオラトリオとも共通する楽しい曲
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