『グリーン・ライ〜エコの嘘〜』 2020年76作目 ☆☆☆★ チネ・ラヴィータ
https://unitedpeople.jp/greenlie/
環境問題を扱ったドキュメンタリー映画。
ドキュメンタリー映画は面白いのですが、多大に「思想」に触れる事が多いので、ドキュメンタリー映画を好んでみる方には極端な方や過激な方が多いんですね。
政治を扱った場合はテーマがテーマなので仕方がないのですが、食、農業、環境を扱ったドキュメンタリー映画を好む方にもそんな傾向の方がいらっしゃいまして、実際とある映画好きの集いでロードショウ作品をことごとく「つまらない」とけなし、イケメン俳優を「冴えない役でざまあみろ」とこき下ろしていた方が居ましたが、某県で開催されているドキュメンタリー映画祭のスタッフの方でした。
その方が推していたのは食や農業を扱ったドキュメンタリー映画でしたが、明らかに何か間違っていると思います。
そんな訳で、ドキュメンタリー映画は「面白いけど、推してる人は危険」「食と農業と環境でも危険」な中で、環境を扱ったドキュメンタリー映画です。
「エコ」や「グリーンなんちゃら」は「環境に優しいです」「環境を考えています」と云う意味で使われていますが、タイトルにある通りそんなエコの「嘘」に迫った作品です。
監督が専門家と共に世界各地を回るのですが、監督は「この商品はエコ商品ですが、どのような商品なのですか?」と企業にソフトに当たって行くのに対し、同行している専門家は「この商品のこれ、嘘ですね。環境を破壊しているのに嘘までつくんですか」とハードに当たる。まるで活動家の様。
ソフトとハードで良いコンビだなと、思って観た居たのですが、時折監督も引くぐらい、活動家、じゃない、専門家の方が熱くなっていました。
様々な製品に使われているパーム油のヤシ農場の「焼き畑農業」から始まり、世界中を回っていました。
伝統猟を悪用したり、逆に排除したり、先住民の居住権の侵害まで出てきたのは驚きです。
企業は口々に「サスティナブル」、「持続可能社会」を訴えるのですが、環境を破壊し、農家や先住民を薄給でこき使ったり、虐待しているようにしか見えませんでした。
冒頭で扱ったパーム油は、食品だけでなく洗剤等にも「自然由来原料」として使われているのですが、安価で大量に買える裏にはこんな搾取があったのかと驚きました。
これらは決して高額な物ではないので、それで利益を得ている企業はどれだけ薄給で農家や生産者をこき使っているのでしょうか。
恐ろしいです。
毛皮や毛糸に至っては、確か国際的に規制が厳しい筈なのに、企業はとことん儲けるんですね。
観て結論が出ました。
「エコ」は「エゴ」。
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