韓国の国産空母建造、米国でも「対日が目的」の見方
日本に対する警戒を解かない韓国の「歪んだ戦略認識」
2020.11.4(水)
古森 義久
韓国が建造を決めた初の国産航空母艦は、果たして北朝鮮への対処だけが目的なのか。いや、実は日本に対する抑止や攻勢という戦略目的も含まれているのだ、という見解が米国で指摘されるようになった。
まさかと思われる観測だが、韓国には実際に日本を脅威とみて海空軍の強化を図った過去の記録も存在するのだ。
米国、日本に次いでF35Bを搭載機に
韓国国防省は今年(2020年)8月に韓国としては初めてとなる航空母艦を2021年から建造すると発表した。
同発表によると、この国産空母の建造は、2021年から2025年までの国防中期計画に組み込まれている。建造するのは3万トン級の「軽空母」の予定で「部隊や装備品、物資を輸送し、垂直離着陸が可能な戦闘機を運用することができる」としている。艦載用の戦闘機としては米国製のF35Bを予定しているという。
建造予算は艦載機分などを含めて17億5000万ドルほどに達し、実戦配備は2033年ごろになると予測されている。
F35Bは世界最高レベルの短距離離陸・垂直着陸の能力を有し、小型空母に搭載しての運用が可能とされる。F35Bを空母の艦載機とするのは、現時点では西太平洋で米国と日本だけであり、韓国の空母計画が予定どおりに実現すれば3番目の国となる。
北朝鮮との有事で空母が必要なのか
この空母建設と配備の目的について、韓国国防省は「朝鮮半島付近の海域と遠海の海上交通路を保護するため」と述べている。
「朝鮮半島付近の海域の保護」とは当然、北朝鮮への対処であり、北朝鮮の韓国攻撃という有事に備え、新空母は北朝鮮の沿海から抑止や攻撃の役割を果たすとみられる。また「遠海の海上交通路の保護」とは、中東から東アジアに至る「原油運送路」の防衛や保護を意味するとみられる。その場合、韓国海軍にとっては年来の軍事任務の大幅な拡大となる。
しかし韓国にとって最大かつ現実的な脅威である北朝鮮の軍事能力に対して、航空母艦が果たしてどこまで必要で有効なのかについては、韓国内でも議論が起きていた。
韓国にとって北朝鮮の脅威は基本的に地上戦力である。その戦力への抑止や反撃も、あくまで地上からが主体となる。そのため韓国の軍事専門家たちからは、「北朝鮮との有事で空母を必要とする度合いは低い」という意見が相次いでいる。
目的の1つは「日本の脅威への対処」
こうした状況について米国の外交・安全保障雑誌「ナショナル・インタレスト」の最新号が、米国の軍事専門家による「韓国の空母建設は、日本の海上戦力強化の野望による脅威への対処でもある」とする論文を掲載した。
「韓国がまもなく軽空母を保有する」と題された同論文は、東アジアの軍事情勢に詳しい米国人研究者のピーター・スシウ氏によって書かれた。スシウ氏は自らの見解に加えて、米国側官民の複数の軍事専門家の意見として、韓国の空母建設が「日本の海上戦力強化の野望による脅威への対処を目的の1つとしている」ことを明記していた。
スシウ氏は、とくに日本の海上自衛隊がいずも型護衛艦を改造して、最新鋭のF35Bを艦載機とする実際の「空母化」を決めたことを強調し、韓国側も日本のこの動きに刺激を受けたという解釈を述べていた。
米国ではワシントンの大手シンクタンクであるヘリテージ財団のダコタ・ウッド上級研究員も「韓国の対北朝鮮戦略にとって空母の必要性はきわめて低い」という見解を発表し、韓国側の真意は対北戦略以外にあるのではないか、という見方を表明していた。
韓国の「歪んだ戦略認識」
韓国の、軍事面で日本に対抗し、日本を警戒するという態度は、近年の韓国海軍艦艇による日本の自衛隊機へのレーザー照射事件でもうかがわれた。
さらに古い話ではあるが、1994年には米国クリントン政権のウィリアム・ペリー国防長官が「韓国軍は日本を潜在的脅威と見立てた空、海軍の増強に傾きすぎている」という警告を発したこともある。
当時、米国は北朝鮮の脅威に備えて地上戦力の強化を最優先させることを韓国に強く求めていた。だが、韓国の金泳三政権は、駆逐艦や潜水艦、さらには高性能の航空機という海空両軍の戦力強化に国費の多くを投入する計画を進めていた。その背景にあったのは、「北朝鮮の軍事脅威はやがて薄れ、日本が正面の脅威になる」という対日警戒の認識が根を広げていたことである。米国では政府と議会が共同歩調をとり、韓国のこの対日警戒を「歪んだ戦略認識」と断じて公式に抗議した。
こうした経緯からみると、今回の空母建造計画に日本への警戒や対抗があってもけっして不思議ではない、といえよう。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/62779
戦略的忍耐が外交戦略となる米国は、韓国をコントロール出来なくなるでしょう。
日本は北朝鮮だけでなく韓国の脅威にも対応しなければなりません。
防衛費を早急に上げなきゃね^^;
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