子供の病院で医者と話をするため同行。
帰りは13時を廻っているので昼食を何処かでと思うが最近メタボ腹なので、かつて1回だけ行った鵜沼の蕎麦屋「まつも」へ。
時刻は13時30分とランチタイムとしてはギリギリ入店期限。だからだろうか他の客の気配がない。
営業中の札があり、入店する。自分ら以外の客は居ないようだ。以前1回だけ来たが結構賑わっていたんだがな。
ここは老夫婦で営業されているらしく、接客担当の老婦人に案内されてテーブルに着席。店内には蕎麦の品書きが貼ってあるが、「唐からし」とか「田舎」とか、蕎麦切りの種類らしい。
老婦人が暖かい茶を出してくれる。10月の終わりだから暖かいお茶が嬉しい。しかも「蕎麦茶」なのが如何にも蕎麦屋らしくていい。
温かい蕎麦が欲しかったが、老婦人は「どうしてもと言われれば作るが」と答える。蕎麦の味で売っている店なので蕎麦の味が解りにくい「かけ」などは作りたくないのであろう。確かにそうだよな、と思いつつ紙のメニューも眺めていろいろ聞く。「唐からし」は蕎麦に唐辛子が練りこんであるそうな。「田舎」は「挽きぐるみ」で黒いそば、しかしメインは殻を除いて挽いた白い蕎麦らしい。(メニュー名はうっかり忘れた)
白い蕎麦というので「更科系?」と訊いたら「一茶庵」の流れと言われた。関東の名店らしいが、残念ながら知らなかった。いや、1回来ているのだから忘れてしまったのだろう。
出てきた蕎麦、うん太い。「太く切った蕎麦だ」と説明を受けたが確かに太い。そして歯応えが強い。「コシ」ではなく「歯応え」だ。「蕎麦はのどで味わう」なんて言うのは細くてスルスル啜れる蕎麦の話でこの蕎麦を啜りこむと絶対むせる。
一箸一箸をゆっくりと口に入れて噛みしめると、ジンワリと蕎麦の味が感じられる。ゆっくり食べることで少ない量でも腹は朽ちくなる。
というのも、美味い蕎麦によくある、「量が少ない」である。蕎麦粉10割でボソボソにもならず、ちゃんと蕎麦切りになっている技術は凄いし、良い国産の蕎麦粉を使用しているので高価(盛り一杯で1,200円)なのは解るが、いかんせん量は少ない。
それでも惜しみ惜しみ食べていると、あら不思議、それなりに腹は満足してしまった。
後で出された蕎麦湯もホンノリと蕎麦の香がするし、蕎麦好きには堪らない店なのであろう。
しかし前回来た時はまだ店には「焼車海老」とかのメニューが有ったのに、やはり店主らの年齢が上がって多様なメニューはしんどくなったのだろうか。
蕎麦を堪能して店を出てそんなことを思った。誰か若い職人が後を継いでくれないだろうか。
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