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2020年10月31日09:53

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死神博士の合唱コンクール

僕の通った中学では、
毎年、各学年ごとで
全クラス参加の
合唱コンクールが有った。
コンクールなので
当然、1位2位3位と
評価される。
特に何かが貰えるわけでも
なかったが(^^;

中学2年の時の話。

担任は、前の年に
ドイツから帰って来た
とかいう話で、
(ドイツで何をしていた
 かは知らない…)
担当教科は化学。
白髪交じりの天パーを
無造作のままで、
いつもお白衣を着ていて、
痩せていて、
苦虫をかみつぶした
ような顔をしていたて、
怒鳴ることは
なかったけど、
厳しめの感じで、
怖い先生という
認識だった。
クラスでは、
密かに「死神博士」と
あだ名されて
いたのだけど、
そんなだから、
何かに熱くなるなんて
ことは無いのでは?
と思っていたら、

今年も合唱コンクールが
実施されることが
決定すると、
三か月も先の話なのに、
楽曲を決めることになり、
(課題曲がまずあって
 それにプラスで
 各クラスで歌を選ぶ)
我がクラスは
1971年に赤い鳥という
フォークグループが歌った、
「翼をください」に
決定(定番と言えば定番)。
即効で、練習が開始
されることになった。

担任要請で音楽
(当然、教科担当は
 別の先生だが)の時間は
完全に合唱コンクールの
練習に充てられ、
他の教科担当の先生が
欠席や、他用事で
授業が自習になった時も、
合唱コンクールの練習。
合唱コンクールまで
後二月となってからは、
科学の時間さへ
練習に充てる
という滅茶苦茶ぶり。
生徒からは
「それでは科学の単位は
 どうなるのか?」
という当然の
クレームが発生w
それには死神博士は、
全員の単位を5
にすると約束。
(いやホントに滅茶苦茶)

他のクラスが
せいぜい一月前から
音楽の時間だけ
練習しているに対して、
三月も前から、
練習三昧の我がクラスは、
そりゃ、自分たちでも
びっくりするくらい
巧くなっていたさ。

そして
合唱コンクール
本番当日。

自分たちの歌う声に
聞き慣れてる耳で、
他のクラスの歌を聴くと、
音のずれや、
はもってないのが
手に取るように
わかるというw

ついに我がクラスが
いよいよ舞台に。

♪今〜私の〜ねが〜いごとが〜♪
練習通りの巧い滑り出し。
綺麗に整った和音。
水を打ったように
静かになる
他のクラスの生徒たち。
(他のクラスが
 歌っているときは
 割と私語があった)
歌はまだ中盤にも
差し掛かっていないが、
手ごたえは有った。
と思った。

が!

何がどうしたのか、
みんなの歌うテンポが
少しずつ速くなり始め
前に立った指揮者が、
明らかに動揺しながら、
声に合わせて
指揮の速度を速めていく。
ところがさらに
歌う声はペースを上げ、
やばい領域に。
ピアノも必死で
追いかけて来る。

最初はニコニコと
舞台を見上げていた
死神博士の顔が
どんどん険しくなる。

これはダメだ。
失敗している。
そう思う頃に歌は終了。
クラス全員が自分たちの
ミスに気が付いている。

が!

体育館の中は
割れんばかりの拍手で
埋め尽くされた。
他のクラスが
これだけの拍手を
されたのは、
後にも先もない。

明らかな失敗を
犯しているのに、何故?
と思いながら舞台を
降りる我がクラス。

後に舞台に上る
他のクラスは完全に
戦意喪失しているのが、
目に見えて分かった。

これはまだわからないか?
1位は無くても、
2位か3位は狙えるか?
ドベは無いよね。

最後のクラスが
歌い終わってからの審査で、
なんと、我がクラスが
1位という結果に!
みんな狂喜乱舞である。
死神博士も
滅多に見せないニンマリ顔。


次の日、死神博士は、
クラス全員に
コーヒー牛乳を
奢ってくれたw
当時、我がクラスは
40人くらいいたので、
一本百円のコーヒー牛乳だと、
4000円くらいの出費か?

後で聞いた話。
他のクラスは一か月前から
練習だったのに、
我がクラスは三か月前から
練習したのだから、
優勝して当然。という陰口を、
他のクラスの生徒が
していたらしい。
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