自分は、ブラームスのドイツ・レクイエムが好きだ。
特に第三曲は、心の宝といえよう。
ブラームスは信仰者ではなかった、とドヴォルザークが述べていたが、果たしてそう単純なものだろうか。
彼のアンヴィバレントな苦悩は現代の我々に直結する。
最後のオルガン曲のタイトルを見ても宗教抜きには考えられないし、彼の複雑な心境が伝わってくるではないか。
脱線失敬。ドイツ・レクイエムにもどす。
第三曲だけ取り出して聴くことが多く全曲を聴くことは少ない。
とはいえ、けっこう集めてしまった。
クレンペラーが第一だ。(順不同)
クレンペラー
クーベリック
サヴァリッシュ
バレンボイム →遅いテンポだが、素晴らしい (ハンプソン)
メンゲルベルク
ベルティーニ →普通の意味でよい。録音と歌手が。
アルブレヒト
シューリヒト
マタチッチ
アーノンクール →声楽よし。この人はピンと来ないが、この演奏はよいと思う。
クレンペラー →歌手ともどもベスト
チェリビダッケ
ジュリーニ
ワルター
ガーディナー
ハーディング
思いつくだけでも、16枚か。。。。アホやなー。(笑)
僕の総括では、クレンペラーの造形の大きさとディースカウにやられてしまう。
特に3曲、6曲は独断場だ。
宇野さんは、クレンペラーに言及せず、バレンボイム/シカゴを評価している。
ハンプソンともども、旧スタイルだが、動的な迫力に不足している。
僕は今回、ハーディング盤に接し、はじめてクレンペラー以来の感動を受けた。
クレンペラー、ハーディングが2トップ。
その次がアーノンクールと、バレンボイム、クーベリックか。
***
まず、スウェーデン放送合唱団が素晴らしい。
繊細、透明感があり、録音もマッチしている。
コーラスはクレンペラーより上だ。
第三曲は、ゲルネのソロ、オケともども最高だ。
ゲルネは、ディースカウに匹敵する。
もちろんやや味はうすいが、発音が古いドイツぽく、素晴らしい。
コーラスとの丁寧な連携はクレンペラーにみられなかったものだ。
あつぼったくない点は、旧スタイルを脱しているが、おぎなってあまりあるのが、コーラスの美しさだ。
この美しさは旧スタイルのクレンペラーにはなかったものだ。
いつまでも続いてほしいと思う、3曲だ。
第六曲も言わずもがなの素晴らしさだ。
というわけで、この曲を愛する人には、ハーディング盤は是非聴いていただきたい。
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