早い段階から警戒していたとはいうものの、一度疑念が生じると頭の中が混乱してくるものです。会話そのものが楽しかったこともあり、余計に混乱度が増して行きました。
最初から全部嘘なんかなあ、、、
そう思いつつも、ジャンヌさんにはこちらが疑っていることは悟られないように、いつも通りを装ってDMのやりとりを続けていたんでやんすよ。
そんなある日、ポジティブシンキングなジャンヌさんから、ものすごいネガティブな話しを聞かされたんでございやす。
その衝撃的にネガティブな内容は
、、、
「仲間が敵の爆弾で死亡した」
、、、
えっ?
なんですと?
仲間が?
爆弾?
、、、
彼女は軍人としてシリアに派遣され、現地で平和維持活動を行っている。もし本当であれば、死と隣り合わせの仕事である以上派遣先によってはこんなこともあるだろう。
しかし、、、
あたくしの頭は更に混乱の度合いを深めました。
嘘だという疑念は頭の隅っこに置いておきつつ、ジャンヌさんを慰めやした。ええ、友達ですから。嘘っぽいけど。
「私達の友情は固く、ずっと続いて行くわよね」
そんなことを言われた日にゃあ、そりゃあなんとかせなあかん思いますわ。
しかしジャンヌさんの落ち込みようはひどく、慰めても悲しみのコメントが終わることがない。
「彼は軍の中ではベストフレンドだった。」
「彼とはまるで姉と弟のような関係だった。」
「悲しくてたまらない。」
ええ、ええ、わかります。
同じ釜の飯を食って共に修羅場をくぐりぬけて来た文字通り戦友であるならば、平静でいられるはずはないでしょう。
本当ならば。
ジャンヌさんがどんどん弱気になって行きます。
「悲しくてもうなにも手につかない」
「この仕事が怖くなった。」
「死にたくない。」
「アメリカに帰りたい。」
、、、
ん?
どうしたどうした?
気持ちはわかるがあなたも軍人でしょ?
自らの意思で入隊したということはこういう危険を覚悟の上でしたでやんしょ?
アメリカに帰りたい?
それを言っちゃあおしめえよ。
娘さんのためにも生きて帰るまでがミッションなわけなんでやんすが、軍人としての覚悟はどうしてしまったのか、、、
いや、あたくしも生きて帰ってほしいでやんすよ。そりゃあ友達ですから。固い友情はずっと続きますから。
本当ならば。
ネガティブシンキングに陥ったジャンヌさんから、とんでもない依頼が来てしまうのです。
それは
、、、
「私をアメリカへ帰国させるよう、あなたからgeneralにお願いしてほしい。」
、、、
ん?
、、、
を?
、、、
は?
、、、
、、、
、、、
何を言っとるのだこいつは?
第五話へ続く。
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