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2020年10月12日04:07

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一年ぶりのマーラーベスト10、クレンペラー、クーベリック、レヴァイン

過去の日記を見ていたら、一年前にマーラー、ベスト10を挙げていた。
コメントで、せんちゃんさんやちょう50さんもベスト10を挙げてくださっている。ありがたいかぎりだ。


僕の中で一年でいろいろ変わった。
というのも最近TIDAL(Spotifyの音質劣化のないもの)を契約したからだ。
メジャー系のCDはだいたいあるのである。
むかしは、タワレコで視聴していたが、今や月にCD1枚くらいの料金を払えば、無限の音源を聴くことができる。
ちょう50さんやせんちゃんさんが挙げていただいた音源も徐々に聴いていっている。

自分にとってのマーラーにおける発見は、クレンペラーだ。
68年のVPOとのマーラー9番を聴いたが、これがふっとんだ。

***以下FBに書いたもの***


昨夜、リッピングしていたら、すごい名演と出会った。
クレンペラーがVPOに1968年に客演した時の、マーラー9番だ。
これが猛烈ア太郎なのだ。
出の一音から違う。
男性的な、線の太い演奏だが、弦の熾烈な弾き込み、管も弦も絶唱だ。
それでいて内声部のマーラー独特の諧謔も誇張して奏される。読みが深い。
聴いていて無意味な音は一音もない。こんな音もあったのかと発見あるのみだ。
ここでのクレンペラーは、大巨匠だ。
終楽章も、音自体が深く、最後のクライマックスは凄絶のかぎりを尽くす。
心しか感じさせない。
記憶の中にある、バーンスタインの諸盤もコバケンも、ワルター、その他が、吹っ飛んでしまった。
録音は1968年だが、オンマイクで目の前で演奏しているようだ



***
ともかく、68年の演奏では「ウドの大木」のようなクレンペラーではないのである。
それはオケのうまさもあるが、クレンペラーの共感が大きい気がする。

その後、EMIのマラ7を聴いたが、これも素晴らしい。(むかしはピンと来なかった)
オーディオがよくなったせいもあるのだと思う。演奏はスケールが大きく、情報量も多い。
クレンペラーは、厳選したマーラーしか指揮しなかったといわれるが、確かに残されたマーラーはどれもいい。
大地もよいが、これは、クーベリックを上にしたい。

バイエルン放送響との2番も素晴らしい。

***

「大地」は10代からの愛聴曲で、ずーっとワルター/VPOを愛聴してきたが、なんとクーベリックが素晴らしい。
録音もよいが、クーベリックの解釈が素晴らしい。
セカンドバイオリンを強めに弾かせたり、マーラーのスコアを徹底的にしゃぶりつくす。
クーベリックの熱心な聴き手ではないが、彼の最高傑作ではないだろうか。
少なくともステレオではベストだ。
軽々しいことは言えないが、オケだけをとればワルターより、クーベリックの方が上ではあるまいか。
金管の一吹きや、対旋律の隅々にまで神経が行き届いている。
クーベリックがいかに同曲を愛していたか、マーラーを愛する人は一度は聴いて欲しい。

あとはギーレン/BPOによる7番もよい。
これは一枚ものの7番としてはベスト。
造形もクレンペラーのように極端でなく、普通のスケールではベストだ。

あとはあんなに好きで集めていた10番を殆ど聴いていない。(10種類以上集めていた)
3番は、せんちゃん推薦のレヴァイン改めて聴いたところ、すばらしい。
バルビローリの6番は、冒頭のけぞった(こんな超重量級のテンポあり?)

6番といえば、ラトル/BPOがよかった。
退任時の演奏で、TVでも放映されたが、オケもうまく、どこにもスキがない。
ただスケルツォとアンダンテの順番は生理的に逆にして欲しい。

あと、ちょう50さんの推薦のハーディングはタイトな感じである。
もうちょっと聴き込んでから感想を書きたい。
(ただし彼のドイツ・レクイエムはフェイバリット。
クレンペラー以来の名演だ。ゲルネも素晴らしいがハーディングの音作りも素晴らしい。
コーラスの繊細な扱いに涙が出る。)

4番は全く聴かなかった。(笑)
こういうことはベートーヴェンではあまりない。
8番も聴いていない気がする。

レヴァインを部分的に聴き返したが、これはどれも素晴らしい。
特に3番、5番、6番が秀逸だ。
というかこの時期なのに、どれも秀逸だ。10番も9番もいい。

話題のクルレンツィスの6番はイマイチだ。
といっても彼は才能の持ち主だ。声楽を扱ったものは素晴らしい。ショスタコ14番もよかったが、BPOラウンジのヴェルレクは最高だった。
明らかに才能はあるので、今後を期待したい。

というわけで、現時点でのベストを書く。(暫定)

1番:ベルティーニ/ケルン
2番:バーンスタイン/NYP、クレンペラー/バイエルン放送響
3番:ジョナサン・ノット/バンベルク、レヴァイン
4番:特になし
5番:テンシュテット/LPO 84年 大阪ライブ
6番:マーツァル/チェコフィル、ラトル/BPO、レヴァイン
7番:クレンペラー/フィルハーモニア、ギーレン/BPO
8番:ベルティーニ/ケルン、テンシュテット/LPO
9番:クレンペラー/VPO
10番:ゴルトシュミット/PO、ラトル/BPO
大地の歌:クーベリック/バイエルン クメント(T)ベイカー(MS)

PS:

一年前のせんちゃんさん、ちょう50さんのラインナップも再掲させていただく。

せんちゃんさま
1番:テンシュテット&シカゴSO
2番:ワルター&NYP、クレンペラー&バイエルン放送SO
3番;レヴァイン&シカゴSO
4番:セル&クリーヴランドO、バーンスタイン&NYP
5番:カラヤン&BPO、バルシャイ&ユンゲ・ドイツPO
6番:セル&クリーヴランドO、バルビローリ&ニュー・フィルハーモニアO
7番:バーンスタイン&NYP(旧)、ギーレン&BPO
8番:ショルティ&シカゴSO、テンシュテット&LPO
大地の歌:ワルター&NYP、インバル&フランクフルト放送SO
9番:ジュリーニ&シカゴSO
10番(補筆完成版):シャイー&ベルリン放送SO(クック)、スラトキン&セントルイスSO(マゼッティ)

ちょう50さま
1番:ジュリーニ&シカゴ響、小澤&ボストン響(DG)
2番:クレンペラー&ウィーンフィル・ライブ、クレンペラー&ウィーン交響楽団
3番:ジョナサン・ノット&バンベルク(わたしもこれ!!)
4番:ギブソン&スコティッシュ管
5番:ショルティ&シカゴ響
6番:ハーディング&バイエルン放送響、シェルヘン&ライプツィッヒ放送響
7番:クレンペラー&フィルハーモニア管
8番:C.デイビス&バイエルン放送響、R.オールソン&コラルド・マーラー祝祭管
9番:ジュリーニ&シカゴ響、クレンペラー&フィルハーモニア管
10番:モリス&ニューフィルハーモニア、ガムゾウ&国際マーラー管
大地の歌:ワルター&NYP(ヘフリガー、ミラー)、ラドマン(p)&パレイ(Br)ディーン・スミス(T)

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