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2020年10月10日15:35

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名誉毀損罪

いしだ壱成、生活保護不正受給報道に法的措置示唆
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=8&from=diary&id=6263220

保護法益
本罪の保護法益たる「名誉」について、通説はこれを外部的名誉、すなわち社会に存在するその人の評価としての名誉(人が他人間において不利益な批判を受けない事実。人の社会上の地位または価値)であるとする。

これに対して、同罪の名誉とは、名誉感情(自尊感情)であるとする説がある。この説によれば、法人、あるいは法人でない社団もしくは財団に対する名誉毀損罪は、論理的には成立し難いこととなる。

客体
本罪の客体は「人の名誉」である。この場合の人とは、「自然人」「法人」「法人格の無い団体」などが含まれる。ただし、「アメリカ人」や「東京人」など、特定しきれない漠然とした集団については含まれない。

行為
本罪の行為は人の名誉を公然と事実を摘示して毀損することである。

通説では、本罪は抽象的危険犯とされる。つまり、外部的名誉が現実に侵害されるまでは必要とされず、その危険が生じるだけで成立する。

事実の有無、真偽を問わない。ただし、公共の利害に関する事実を、専ら公益目的で摘示した結果、名誉を毀損するに至った場合には、その事実が真実であると証明できた場合は処罰されない。

公然
「公然」とは、不特定または多数の者が認識し得る状態をいう。「認識しうる状態」で足り、実際に認識したことを要しない。また、特定かつ少数に対する摘示であっても、それらの者がしゃべって伝播していく可能性が予見でき、伝播される事を期待して該当行為を行えば名誉毀損罪は成立する。

毀損
「毀損」とは、事実を摘示して人の社会的評価が害される危険を生じさせることである。大審院によれば、現実に人の社会的評価が害されたことを要しないとされる(抽象的危険犯)。

名誉毀損罪は、人の名誉を毀損すべきことを認識しながら、公然事実を摘示することによって成立し、名誉を毀損しようという目的意思に出る必要はない。

事実の摘示
摘示される事実は、人の社会的評価を害するに足りる事実であることが要求されており、事実を摘示するための手段には特に制限がなく、その事実の内容の真偽を問わない(信用毀損罪の場合は虚偽の事実でなければならない)。つまり、たとえ真実の公表であっても、発言内容が真実であるというだけでは直ちには免責されず、後述する真実性の証明による免責の問題となる。また、公知の事実であるか非公知の事実であるかを問わない。「公然と事実を摘示」すれば成立する罪だからである。公知、非公知の差は情状の考慮事由となる。事実を摘示せずに、人に対する侮辱的価値判断を表示した場合は、侮辱罪の問題となる。

被害者の人物の批評のようなものであっても、刑法230条にいう事実の摘示であることを妨げない。また、うわさであっても、人の名誉を害すべき事実である以上、公然とこれを摘示した場合には名誉毀損罪が成立する。

被害者の氏名を明確に挙示しなかったとしても、その他の事情を総合して何人であるかを察知しうるものである限り、名誉毀損罪として処断するのを妨げない。

真実性の証明による免責
刑法230条の2は、名誉毀損行為が公共の利害に関する事実に係るもので、専ら公益を図る目的であった場合に、真実性の証明による免責を認めている。これは、日本国憲法第21条の保障する表現の自由と人の名誉権の保護との調整を図るために設けられた規定である。

公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなされる。

公務員または公選の公務員の候補者に関する事実に関しては、公益を図る目的に出たものである、ということまでが擬制され、真実性の証明があれば罰せられない。これは、原則として構成要件該当性・違法性・有責性のすべてについて検察官に証明責任を負わせる刑事訴訟法において、証明責任を被告人側に負わせている数少ない例外のひとつである(証明責任の転換。同様の例として刑法207条がある)。ただし、対象が公務員等であっても、公務員等としての資格に関しない事項については230条の2第3項の適用はない。

真実性の証明の法的性質については、処罰阻却事由説と違法性阻却事由説との対立がある。処罰阻却事由説は、名誉毀損行為が行われれば犯罪が成立することを前提に、ただ、事実の公共性、目的の公益性、真実性の証明の三要件を満たした場合には、処罰がなされないだけであると解している。

これに対し違法性阻却事由説は、表現の自由の保障の観点からも、230条の2の要件を満たす場合には、行為自体が違法性を欠くと解しているが、そもそも違法性の有無が訴訟法上の証明の巧拙によって左右されることは妥当でないという批判がある。

両説の対立は、真実性の証明に失敗した場合に鮮明になる。すなわち、処罰阻却事由説からは、真実性の証明に失敗した以上いかなる場合でも処罰要件が満たされると考えられるが、違法性阻却事由説からは、真実性の錯誤が相当な理由に基く場合、犯罪が成立しない余地があると考えられる。もっとも、処罰阻却事由説も刑法230条の2ではなく刑法35条による違法性阻却の可能性を認める場合もあり、その考え方は学説により多岐に分かれる。

判例は当初、被告人の摘示した事実につき真実であることの証明がない以上、被告人において真実であると誤信していたとしても故意を阻却しないとしていたが、後に大法廷判決で判例を変更し、真実性を証明できなかった場合でも、この趣旨から、確実な資料・根拠に基づいて事実を真実と誤信した場合には故意を欠くため処罰されないとした。すなわち、現在の判例は違法性阻却事由説であると解される。

罪数
一個の行為で人を非難する際、侮辱の言葉を交えて名誉を毀損した場合、侮辱の言葉は名誉毀損の態様をなすに過ぎず、名誉毀損罪の単純一罪である。
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