mixiユーザー(id:2471537)

2020年08月07日19:08

105 view

燕岳・大天井岳 その1 / 30年ぶりの女王謁見

「山小屋に泊まってご来光とかの写真を撮りたい」と言っていた義妹を連れて初めて山小屋泊まりしたのが5年前。燕岳に行くか白馬岳に行くか迷って、結局その時は白馬に大雪渓から登り白馬山荘でディナー満喫、翌日は白馬鑓温泉に泊まって湯ったりというプランとなった。一昨年に義妹を連れて東鎌を縦走した時は大天荘・ヒュッテ大槍とこれまたサービスの行き届いた山小屋に泊まることができた。
今回夫婦で3連休を取り、上で1泊、麓で1泊の計画を立てることに。→それなら燕山荘に泊まりに行こう→それなら義妹も誘ってみようという流れとなったのであった。合戦尾根から燕岳に登って燕山荘に泊まり、翌日コンディションが良ければ大天井まで表銀座縦走路を往復して下山する計画にした。
土曜日の晩にひるね実家へ義妹を迎えに行き、日付が変わる前に大阪を出発。名神から中央道と乗り継いで明け方に長野入り。黒姫に行った時以来だ長野。本当なら先月にも乗鞍に行ってたはずなのになあ。梓川SAで朝メシを食い、常念山脈の山々の眺めに胸を高鳴らせながら登山口のある中房温泉へ向かう。ところが途中で警備員の人に止められる。どうやら登山口周辺の駐車場はすでに満車なのだそうな。下山後に宿泊予定の有明荘に電話して聞いてみるも、チェックイン当日しか駐車させてもらえないらしい。仕方なく有明山神社に車を停め、乗合バスで登山口へ向かうことに。

フォト
7:45、中房の登山口を出発。北ア3大急登と言われている合戦尾根。調子に乗ってガンガン登ればすぐに電池切れとなるであろう。最初は意図的にペースを落として、息が上がらない程度にゆっくり登るよう心がける。それでも登り始めは元気が有り余っているのか第一ベンチ、第二ベンチまではCTよりも早く到着。このコースは休憩場所が要所要所に整備されていて歩く目安にできる。第二ベンチから先は意図的にではなくフツーに疲れてペースが落ち、ほぼCT通りのペースとなる。

フォト
人の造りし木の階段。

フォト
自然の造りし岩の階段。

フォト
謎植物。

気になるお天気だが、当初はよく晴れていたのだが、登っているうちに下からあれよあれよのうちにガスが沸いてきて、富士見ベンチでは富士山どころではなくなり、合戦小屋に着いたころには辺り一面ガスガスに。合戦小屋ではまず名物のスイカをいただく。うまーい!しかしスイカを食ったら身体が急に冷えてきて慌てておでんを頼む。これまた美味い。

フォト
合戦小屋に到着。

フォト
その昔、有明山の鬼を坂上田村麻呂がこの地で退治したことが合戦尾根の由来なんだそうな。

フォト
名物のスイカ。火照った身体を冷やしてくれる。

フォト
合戦小屋から少し上がると傾斜は若干ゆるやかになる。晴れてたら槍ヶ岳が見えるはずなんやけどなあ。やがて森林限界を超え、ちょっとしたクサリ場なんかも出てきて、高山植物の可憐な花々に心洗われていると割りといきなり頭上に燕山荘が現れる。

フォト
晴れていればもっと手前から見えたようなのだが、ガスに巻かれていたため発見が直前になる。まあ「まだあんなに遠いの・・・」とレ目にならずにすんで結果オーライであろう。

稜線へ上がってビックリ。ガスっているのは安曇野側だけで、稜線の向こうは晴れている。

フォト
眼下に高瀬川渓谷を挟んで鷲羽・水晶といった黒部源流の山々。

フォト
南に目を向ければ北鎌尾根を従えた槍ヶ岳、そしてその横にチョコンと小槍。これだよこれこれ。こーでなくっちゃ!!
ところで、合戦尾根は「北ア三大急登」というからよっぽどだろうと覚悟していたが、登り終えてみると「言うほど急登か?」という感じだ。定期的に配置されているベンチのおかげなのか、行き届いた整備のおかげなのかはわからないが、ある程度の山行経験者なら拍子抜けするんじゃなかろうか。

12:30、燕山荘到着。マスクをして中へ。自前で消毒液や体温計も持参して来たが、両方玄関に備え付けられてあった。チェックインしてコロナ関連の誓約書だか名簿だかを提出し部屋へ。ずっと満室だった個室が一週間前にキャンセルで空きが出たのは願ってもない幸運だった。コロナが増えて山行をキャンセルした人がいるのだろう。早速予約を一般室から個室に切り替えて嫁や義妹と狂喜乱舞したものだった。個室はよい。誰に気兼ねすることもなく広いスペースで全裸になって、こんな場所の汗やあんな場所の汚れもゆっくりと拭き清めて着替えができる。カイコ棚ではこうはいかない。もちろんお値段は多少上がるが、費用対効果は十分である。あと特筆すべきはトイレ。以前大天荘やヒュッテ大槍に泊まった時、トイレが臭くないのに感心させられた。同じグループの燕山荘もおそらくそうだろうと思ってはいたが、臭くないどころか簡易水洗でしかもトイレットペーパーを流してもOKだという。そんな山小屋ある?これには驚きである。ひょっとしたらあと何年かしたら便座が温かいタイプに替わってるかも知れん。

フォト
少しゆっくりしていよいよ燕岳へ。実はオレにとっては燕岳は今から30数年前、中学生の時に父に連れられて家族で行った初めての本格登山の場所でもある。それから常念や槍、穂高などにも行ったが、その頃は特に山や北アルプスそのものに興味があったわけではなく、ただ連れられて登っているだけだった。大人になって妻と一緒にまた登るようになり、今度は主体的に山と向き合うようになった。今回の山行はそんな自分の原点を追体験する旅でもある。

フォト
燕岳は、日本二百名山にも数えられる山である。白い花崗岩とハイマツの緑に彩られた美しい山容は「北アルプスの女王」という異名を持ち、登りやすい山でありながら表銀座縦走ルートの起点でもあるため、初心者からテン泊装備を背負った山ガチ勢まで人気の山である。
燕山荘から燕岳まではおよそ30分ちょい。その短い間にも風化した花崗岩による種々の奇岩や、コマクサなどの高山植物が目を楽しませてくれる。

フォト
中でもイルカ岩は一目見てすぐわかるほどイルカそのもの。目の位置や嘴の形、腹側が白いところまで思わず「マジで人間が手を加えてないの?」と言ってしまいたくなるほどの見事な造形。自然は偉大だ。

フォト
山頂直下は花崗岩の立体迷路。

フォト
明日歩く予定の表銀座縦走路。大天井の向こうに見えるのは前穂かな?

フォト
頂上が見えてきた!

フォト
13:40、燕岳(2,762m)登頂。
山頂は狭く、標識は山名が刻まれた石のプレートが埋め込まれているのみ。そしてプレートの後ろには何故か多数の硬貨がお供え?されている、一体どのようなご利益があるのだろうか。
20分ほど山頂からの眺望を楽しんで、燕山荘への帰途に着く。

フォト
来る時は気付かなかったメガネ岩は北側からみるとわかりやすい。

フォト
登山道の脇にはコマクサの群落が。馬の顔に似てるから駒草なんだそうな。

フォト
燕山荘に戻ってきた。

フォト
安曇野側だけ半分隠れた燕岳もまたナイス。

部屋に戻って装備を解く。11時ごろにスイカとおでんを食っただけなので小腹が減ってきたし、ちょうどおやつの時間なので喫茶室へケーキセットを食いに行く。

フォト
2年前の大天荘では寝てしまってケーキにありつけなかったので燕山荘のケーキはかなり楽しみにして来た。3人でそれぞれ違うケーキを頼んでシェア。どれも美味かった。個人的にはキャラメルりんごがイチオシ。喫茶室から外を見ていると、時々ガスが薄くなってまれに安曇野の市街地まで見下ろせたりして楽しい。
明日に備えて荷物のパッキングをし直し、ちょっと一服したら晩メシの時間。オーナーによるスライドを見ながらの山の話が楽しい。燕山荘は今年99周年なのだそうな。そりゃスゲー。いつもならアルプホルンの演奏も披露されるようだが、今年はコロナの影響で自粛だそうな。残念。
メシを食った後は部屋に戻って就寝。持参したシュラフカバーを布団の間に挟み、そこに潜り込んで寝る。夜通し運転と山登りの疲れもあってか早々に眠りに落ちる。

0時半ごろ暑くて目が覚める。試しにカメラを持って外に出てみたが、あたりはガスがかかっていて星空を見ることはできなかった。
4 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2020年08月>
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031