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2020年08月05日10:25

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動物屋から補足解説しておきます

■緑色のハト「アオバト」を知ってる?中学生写真家の神秘的なショット
(女子SPA! - 08月05日 09:21)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=156&from=diary&id=6183266

一応,獣医師免許を持っていると専門家と言われるらしいので,本文の補足をしておきます。御参考になさってください。

アオバトは,俗に言う「山鳩」の1種で,森林地帯には比較的普通に生息しています。かつてはキジバトも「山鳩」と呼ばれることが多かったのですが,今では街の中に進出し,街の中でも普通に見られる鳥になってしまったため,「山鳩」と言うと,アオバトを指すことが多くなっているようで。

なお,日本人の「あお(あを)」の範囲は広く,「青葉」「青信号」と呼んだり,「あをによし」の「あを」が青緑色であったりすることからも分かる通り,緑色から灰色に近い色まで「あお」と呼んでいましたので,「あおばと」も「青鳩」ではありません。
「アオサギ」も,ほぼ灰色の鳥です。
ちなみに,南西諸島に居る「キンバト」は金色ではありません。

アオバトが海水を飲むことについては,諸説あります。
キジバトは海水を飲みに来ません。
その違いは,食性の違いにあると言う説があります。
キジバトはおもに種子食,ナッツ類,シード類を多く食べます。
一方,アオバトは,果実食の傾向があります。
特に果実の豊富な春〜夏には,主食が果実となり,カリウムの摂取量が増えるために,ナトリウムが不足することで,ナトリウムを求め,海水が欲しくすなるのではないか,と言う説があります。水分の要求量に関しては,アオバトは果実食ですから,キジバトよりも水分は足りているはずです。

アオバトが海水を飲みに来るスポット(大抵は磯)はだいたい決まっています。
集団で訪れることで外敵かr身を守る効果が期待できる,と言う説があります。
神奈川県の大磯町にある照ヶ崎海岸は,山が海岸に迫っている場所で,アオバトの生息地に近い海であることと,周辺はだいたい砂浜で,アオバトの飲水行動に適した磯のある場所が非常に限られているため,個体の集中度がより高くなっていることが想像できます。

ひとつ,お願いです。
照ヶ崎海岸に限らず,アオバトが海水を飲みに来る観察スポットは,足場が悪く,写真撮影に入る人たちの危険な行為や,撮影者が大挙して押しかけてアオバトの生態に影響するような心配も出ています。撮影マナーと自然環境と我が身の安全を守ることを,何よりも優先するよう,お願いします。

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