米国の連邦捜査局レイ長官が、
中国の「千人計画」は、米国など諸外国の軍事関連などの
高度技術を違法に取得する手段だとして厳しい警告を発した。
千人計画(中国での正式呼称は「海外高層次人才引進計画」)とは、
中国政府の国務院と共産党中央組織部が主体となって
2008年末にスタートしたプログラムだ。
諸外国の理工系の最高級人材を破格の好待遇で集め、
中国の軍事、経済の発展に寄与させることを目的としている。
中国政府は同計画の存在を公表し、
2017年までに合計7000人の理工系の科学者、
研究者を集めたとされている。
だが、その具体的な活動内容はこれまで秘密にされてきた。
FBI長官は最近の千人計画の参加者による
米国の高度技術の不法奪取の実例をあげて、
取り締まりの強化を宣言した。
同長官は「現在FBIが捜査中の、
外国機関による米国の官民に対する約5000件の各種犯罪案件のうち、
半数は中国関連だ」として、
中国の政府機関や軍組織、国有企業、民間企業などが
それぞれの組織と人員を投入して、
米国の経済や安全保障を害する犯罪行為を働いている、と言明した。
それらの犯罪活動は、米国政府機関に対するスパイ活動、
米国官民からの高度技術の不法取得、
米国官民へのディスインフォーメーション(虚偽情報)
による影響力行使など広範に及ぶという。
レイ長官はとくに中国の「千人計画」の米国にとっての危険性を強調し、
同計画に関わる最近の犯罪事例を報告した。
『こんなにある千人計画関連の犯罪』
こうした背景の下、レイFBI長官は講演の冒頭で、
千人計画関連の犯罪案件として以下の具体的な事例を明らかにした。
・ハーバード大学化学・化学生物学科長の教授チャールズ・リーバーは、
2020年6月、千人計画への関与を隠した虚偽証言の罪により刑事訴追された。
リーバーはハーバード大学と米国国立衛生研究所(NIH)に雇用されながら、
千人計画を通じて中国の武漢工程大学でも専属の「戦略科学者」として働いていた。
リーバーは千人計画から毎月5万ドルの給料や15万ドルの生活費を得ていたうえ、
中国内に専門の研究所を開設するために150万ドルの資金を受け取っていた。
・オクラホマ州の米国石油企業に勤務していた
中国人で米国永住権を持つ科学者ホンジン・タオは千人計画に加わり、
その価値が10億ドルにも達する同社の高度技術の秘密を盗んだ容疑で逮捕された。
2020年初めに有罪が確定し、現在服役中である。
・テキサス州で研究活動をしていた中国系科学者のシャン・シーは、
潜水艦に使われる高度技術製品「シンタクティックフォーム」
(軽量かつ高強度の複合材料によるプラスティック)に関する
秘密技術を米国側から盗んだ罪で、2020年初めに有罪が確定した。
シーも千人計画に応募しており、
米国の高度技術を「消化」し「吸収」して
中国の国有企業に役立てることを中国側に約束していた。
・中国系技術者のハオ・ザンは2020年6月、
複数の米国企業から無線機器の企業秘密技術を盗んだ罪で刑事訴追された。
ザンも千人計画に関わっていた。
この技術は米国企業が開発に20年もの年月をかけてきた企業財産だった。
・オハイオ州の「クリーブランド・クリニック」
で分子医学と循環器病遺伝子学の研究をしていた
中国人研究者チン・ワンと、アーカンソー大学で
米国航空宇宙局(NASA)関連の研究をしていた
中国系科学者サイモンソー・テンアンは、
2020年5月、ともに詐欺容疑で逮捕された。
2人とも米国公的機関から研究資金を受け取りながら、
中国の千人計画への参加を隠していた。
・ジョージア州のエモリー大学の前教授で
中国系学者のシャオジァン・リは2020年5月、
税金の虚偽申告容疑を認めた。
千人計画から受け取った巨額の収入を申告せず、
エモリー大学で米国連邦政府から50万ドルの助成金を得て
ハンチントン病の研究を続けながら、千人計画への参加を隠していた。
では日本は一体どうなのか?
実は、中国が日本人の学者や研究者が千人計画に参加
していたことを中国当局は認めている….
2009年9月、共産党中央組織部が、
千人計画に外国人の学者や研究者204人が
新たに参加することが決まったと公表した。
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