第11話 『最終回』
―それから数日後―
幽助、蔵馬、躯、棗、酎、孤光の突入部隊そして陣と凍矢たち先発部隊とバックアップ部隊の面々が今回の騒動の討伐作戦で命を落とした者たちの葬儀と埋葬を終え、その墓の前に集まっていた。
「蔵馬、そういや飛影のやつはどうしたんだ?姿が見えねぇけど、、、」
「彼は旅に出たよ。雪菜さんの結界を解く能力者がこの広い魔界の中にならいるかもしれない。それを探すとのことだ。今回の件での単独行動の反省もかねて、、、ね」
「そうか、、、見つかるといいな」
幽助と蔵馬の2人はそうやりとりをしたあと大きな3つの墓に目を落とす。
墓標にはそれぞれ煙鬼、痩傑、九浄の名前が刻まれていた。
雪菜が結界を作り裏世界樹の樹の封印に成功した後、悪鬼と羅刹との戦いに挑んだわけだが、この2人が実は本当の首謀者であった。
魔界統一トーナメントの折、参加者の中から今回の話しに一番乗りそうな者を探し、それが修羅だったということだった。
2人はもともと1つの個体であり融合を果たすことで元の姿『鬼神』へと変貌を遂げた。
神と名がつくだけあってその力はすさまじく7名の精鋭である突入部隊を圧倒。
7名のそれぞれの最大にまで高めた妖気の攻撃により幾度となく大きな傷を負い妖怪の心臓であるコアが露出したが、鬼神の自己治癒能力はその傷をほぼ瞬時にと言っていいほどの速さで治癒し7名を苦しめた。
だが戦闘のさなか幽助の「桑原の仇のおめーらだけはぜってー許さねぇ」の言葉に
「あぁ、あの人間界で反抗してきた人間のことか、、、ふふふ、お前もあいつのようにぼろ雑巾のように殺してやるよ」
この鬼神の返しが幽助の逆鱗に触れた。
そしてその怒りが幽助を完全な闘神の姿へと変えていく、、、
雷禅の旧友たちが口をそろえて、「全盛期のあいつと同等かそれ以上」と評した。
それでも鬼神の治癒能力が邪魔をして、決着がつかない千日戦争の様相に。
そして何度目かのコア露出のおり、煙鬼、痩傑、九浄の3名が鬼神の体を動けないように押さえつける。
「雷禅のせがれ!今じゃ!わしらもろともこやつを討て!」
煙鬼のその言葉に
「すまねぇみんな!俺もあの世に行ったらその時は、、、おやじと一緒に100ぺん頭下げるぜ!」
そう言いながら渾身の妖気と霊気を込めた特大の霊丸を放ち鬼神を倒したのだった。
多大な犠牲を払った討伐作戦。
修羅、悪鬼、羅刹のもとに集った妖怪たちの中にも手練れが数人存在し、鈴木と死々若丸も命を落とした。
旧友たちと最後の別れを終えそれぞれの日常へと戻っていく幽助たち。
裏世界樹の樹の急激な成長により魔界に点在するかなりの村や町、そして自然が壊された。
その修復作業には蔵馬を中心とした復旧部隊があたることとなった。
幽助の提案でその作業が終わり次第、「第3回魔界統一トーナメント」を開催することが決定。
皆の目標はもちろん「打倒!闘神・幽助」となっていた。
―そのあと―
復旧作業なども一段落したのち幽助は蛍子に会うべく人間界に戻っていた。
第3回の魔界統一トーナメントに向けての修業はあるものの、穏やかな日々が幽助に戻っていた。
そしてある日の夜、蛍子の父親が営む食事処に2人の姿があった。
「蛍子!トーナメントが終わったら今度こそ一緒に暮らそうな!」
「どうせまたフラフラどっかへ行っちゃうからどうしたもんかしらね〜?」
「絶対幸せにして見せるから、お願い!」
「しょうがないわね、そこまで言うんなら・・・」
いつぞやの時のようなお馴染みの2人のやりとり。
静かな夜に穏やかな2人の時間が流れていた。
「なぁ蛍子〜」
「なによ?」
「子供いっぱい作ろうな!」
「バカ幽助///」
幽遊白書2 おしまい(*´▽`*)
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