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2020年07月04日23:06

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斬首に焼殺…男たちが妻や娘を惨殺する「名誉の殺人」がイランで多発

斬首に焼殺…男たちが妻や娘を惨殺する「名誉の殺人」がイランで多発
7/4(土) 17:00配信

家名を汚した女性を殺す「名誉の殺人」
5〜6月にかけて、イランでは男性が親族の女性を殺害する「名誉の殺人」が相次いでいるPhoto: Eric Lafforgue / Art in All of Us / Corbis via Getty Images
5月21日、イラン北部のギーラーン州に住むロミナ・アシュラフィ(14)が、実父に農作業用の鎌で首を切り落とされて亡くなった。このいわゆる「名誉の殺人」が、国内外で大きな波紋を呼んでいる。
名誉の殺人とは、婚前交渉や不倫といった「不適切」と見なされる行為をした女性を、家名を汚したという理由で親族の男性が殺害する慣習だ。中東や南アジアなどの一部地域にいまも残り、国連の統計によれば世界中で年間5000人の女性がこの慣習の犠牲になっているという。

ロミナは15歳年上の恋人との結婚を望んでいたが、父親に強く反対されたために家出。自宅に連れ戻された後、就寝中に父親によって斬首された。ロミナの恋人によれば、加害者である父親は犯行前からロミナに殺鼠剤やロープを渡して自殺を迫っていたという。

ロミナの事件が複数の国営新聞の一面を飾ると、それが影響したのか、それともいままで看過されていた問題が告発されるようになったのか、イランで名誉の殺人が立て続けに発生した。地元の記者ナルジェス・タヴァソリアンによれば5〜6月に少なくとも6件の事件が起きているという。

5月末には、イラン北西部のラシュト市に住む18歳の女性が12歳年上の男性との結婚に反対する兄に火を放たれて死亡したとイランの国営通信「IRNA」が報じた。

また、米メディア「アル・モニター」によれば、6月の上旬には南西部の都市アーバーダーンで、ファテメ・バーリ(19)という既婚者の女性が他の男と家を出たという理由で、夫とそのいとこによって斬首された。

6月16日には、同じアーバーダーンで夫を裏切って不倫をしたと噂された妹を、首と胸を刺して殺害した男性が犯行の5日後に警察に出頭。さらに南東部にあるケルマン市でも、16日に25歳のレイハネ・アメリが、父親に鉄棒で殴られて死亡した。殺害の理由は明らかになっていないが、母によれば前夜2人はアメリの帰宅が遅かったという理由で口論をしていたという。

行方不明や自殺で片付けられる場合も

首都テヘランの街を歩く女性Photo: Arash Khamooshi/The New York Times)
米紙「ニューヨーク・タイムズ」は、イランでは近年、家庭内暴力が増加傾向にあったが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行がそれに拍車をかけたと指摘する。「IRNA」によれば4月には外出自粛の影響で家庭内暴力の発生件数が3倍ほど増え、1日の電話相談件数は4000件にのぼったという。

外出自粛や不況で鬱屈した男たちの怒りやストレスの矛先が、家庭内の女性に向けられて名誉の殺人が多発しているのかもしれない。
イランの通信社「ISNA」は、国内では年間350〜450件の名誉の殺人が起きていると見積もるが、専門家のなかにはこうした数字は氷山の一角で、多くの名誉の殺人が行方不明や自殺、不審死などに隠されていると指摘する人もいる。
「この国には何千人ものロミナがいる」
ロミナの事件後にイラン国内で大きな議論になったのが、現行の法律では名誉の殺人の加害者を適切に罰せられないことだ。

前出の「ニューヨーク・タイムズ」によれば、イスラム法の「シャーリア」では殺人の加害者は原則的には死刑にされるが、父親や祖父などの男親は「保護者」の立場にあるという理由で、子供を殺しても死刑には問われない。それゆえ、シャーリアをもとに法の裁きがおこなわれるイランでは、ロミナの父は最長で10年の服役にしか処されないのだ。

こうした厳格な家父長制度は1978年のイラン革命後から特に重視されるようになったが、国内のイスラム法学者やアクティビストのなかには、イスラム教の聖典「コーラン」には保護者の特権を認める記載はないと主張する人たちもいる。

ロミナの事件を受け、イラン国内では女性に対する暴力や名誉の殺人を厳罰化する法改正を求める声が高まっている。ツイッター上には「#Romina_Ashrafi」というハッシュタグが作られ、多くの女性たちが、「男友達と歩いていただけでぶたれた」とか、「学校からスクールバスではなく徒歩で帰宅したためにムチ打ちにされた」といった、男性家族からの虐待や性暴力の経験を告白。「この国には何千人ものロミナがいる」という声も上がっている。

こうした世論の高まりを重く見たハサン・ロウハニ大統領は、女性への身体的・精神的な虐待を厳罰化する法律を早急に制定するように議会に命じた。だが、こうした法の制定は8年も前から俎上にのっており、今回もうやむやにされるのではないかと懸念する向きもある。
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