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2020年06月27日00:01

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足元を見られないように

かつては街角で、道行く人の靴に靴墨を塗り、
布でこすって綺麗にする【靴磨き】と呼ばれる職業の方が
沢山見られた時代もありましたよね。


特に第二次大戦後は、社会的な貧困と戦災孤児が浮浪児化した事から、
都市部を中心に【シューシャインボーイ】などと呼ばれる、靴磨きの少年が溢れ、
【東京シューシャインボーイ】なんて歌謡曲になったりもしました。


顔に靴墨をつけながらも一生懸命に靴を磨く少年に、
「君は派遣社員なの?正社員なの?」
「いえ、シューシャインです」


有名人が、昔は靴磨きをしてたなんて方もいらっしゃいまして、
あのウルトラマン俳優の黒部進さんも若かりし頃、靴磨きをやっていたそうですね。
一足、必ず三分以内で仕上げてそうですけどね。


海外では、アメリカのソウルシンガー、ジェームス・ブラウンもやっていたそうです。
ある日、酔っ払って仕事をしていて気持ち悪くなり、
磨きあげた靴に『ゲロッパ!』って吐いちゃったそうですけどね。


今時の靴というのは、
合成樹脂や合成皮革の大量生産によって廉価で販売されてる物が多いですから、
基本的に靴磨きを必要としないんですね。


とはいっても、今でも靴磨きという商売は存在するわけでして、
おしゃれなスタンドバーのような店構えの靴磨き店が存在するそうですね。


蝶ネクタイにベスト姿のシュッとしたマスターが靴を磨いてくれるそうでして、
開店当初は中年のお客さんがほとんどだったようですが、
近頃は若い世代にも『良い物を長く使いたい』という【こだわり派】が増えてきたため、
二十代〜三十代のお客さんも増えてきているそうですね。


靴磨きというのは、磨くごとに革の質が変化して、
新品とは違うツヤが出るというところが魅力なわけですね。
「そうか。何でもかんでも新しい物を欲しがるんじゃなくて、
古い物を磨いて光らせるというのも、ひとつの価値観だよな〜」
なんてんで、たまには奥さんの顔に靴墨を塗ってこすってあげれば、
新たな魅力を発見できるかもしれません。


靴だけではなくて、色んな物を磨く商売というのは、
他のジャンルでも出てくる可能性はありますよね。
肌を磨いてツルツルにして、若い頃の素肌を取り戻してくれる【肌磨き屋】とかね。
二十代の頃のハリと弾力を取り戻したお婆ちゃんを見て孫が、
『俺たち、付き合わね?』なんて思わず口説いちゃったりしてね。


「あの落語家、急に面白くなったね〜」
なんてんでよく聞いたら、
【腕磨き屋】で腕を磨いてもらっていたなんて事が判ったりするかもしれませんね。


微笑亭さん太
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