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2020年06月17日16:27

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小説『幽遊白書2』書いてみた!第8話です(*´▽`*)

第8話 『戦』


「あれか・・・」

駆逐部隊のリーダーである痩傑が裏世界樹の樹の洞窟とそこを守る妖怪たちの群れを見て呟く。

ざっとみて1000人ほど。
そのほとんどはこの機会に一旗揚げようという名もなきB級やA級妖怪達。
しかしその後方にはあきらかに妖気の違う妖怪たちが待ち構えていた。

「まずは先発部隊に雑魚の掃除をしてもらい、後方で待ち受けるS級のやつらをリーダーの俺と第一部隊の隊長の陣、第2部隊の隊長の凍矢で片づける、いいな?」
「それでいくべ」
「了解した」
陣と凍矢の返事を聞き、先発隊へ突撃の合図を出す痩傑。

「油断するなよ?いつぞやの俺たちのように今までは野心を持たず
潜んでいたやつがいるかもしれんからな」

第1回のトーナメントに参加した雷禅の喧嘩仲間たちはまさにこれだった。
躯や黄泉ですら把握できていなかった強者たち。

今回の事件でも多くの妖怪たちが修羅の元に集まった。
その中に自分たちと同じような存在がいないとも限らない…そう考えた痩傑は部隊のメンバーの気の引き締めを図ったのだった。

雷禅の元ナンバー2であった北神が先陣を切って相手の軍勢を順調に駆逐していく。


「ある程度相手の前衛部隊を掃除できれば俺たちで精鋭部隊7人の突破口を真ん中にあける!」

そろそろ頃合い、と痩傑、陣、凍矢の3人が幽助たち突入部隊の通り道をあけるべく、妖怪たちの守備部隊へ突入の準備をした。

が、その時だった―
北神とそのほか20名ほどの先発部隊が黒い炎の竜に飲み込まれ一瞬のうちに絶命した。

「今のは・・・」
「飛影の炎殺黒龍波か!?」
蔵馬と幽助がその巨大な妖気に気付く。

「何が何だかわかんねぇけど急げ!先発部隊があぶねぇ!」
幽助が援護に向かおうとしたが、煙鬼がそれを制する。

「気持ちはわからんでもないが任務を忘れちゃいかん。我々7人は修羅とその取り巻きの2人を倒し魔界に秩序を取り戻すこと、それが最優先事項だろう?」
「そう、こんな時のためのバックアップ部隊がいるんだ。私の兄と痩傑の2人ならなんとかしてくれるはず」
棗が煙鬼のフォローに入り幽助と蔵馬の心配を取り除く。

「陣や凍矢、そして俺やこいつもいるんだ。飛影のやつをおとなしくさせるくらいならやってみせるさ」
鈴木が死々若丸に目をやり親指を立てて見せた。

「そうそう、仲間は信じるもんだぜ?浦飯」

精鋭部隊に選ばれた酎も幽助の肩をポンと一叩きして落ち着かせたのだった。

棗に一目ぼれし、「弱い男には興味がないの」と言われたが引き下がらず、修業を重ね棗にも幾度となく手合わせを申し込み本当に強くなった酎。その有言実行する姿に棗も折れ、今や恋人同士となっていた。
そういったいきさつも知った仲である幽助も酎の言葉に耳を傾けた。

「そうだったな・・・」
強く頷き洞窟のほうを鋭く見つめる幽助だった。

「よし、先発部隊とバックアップ部隊が飛影とその他大勢を引き付けている間に我々は洞窟へ突入する!」

決戦への号令が煙鬼から下された。


第8話  ―完―





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