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2020年06月15日15:30

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景気後退すると外国人労働者はお荷物^^;

コロナがあぶりだす 世界一裕福な国の貧困
ジュネーブ支局 細川倫太郎
2020/6/15 0:00

5月30日の土曜日。スイス・ジュネーブのアイスホッケー場に入場するため、数千人が長蛇の列を作った。3月中旬から続いたロックダウン(都市封鎖)がようやく解除され、久々の試合を心待ちにしているのではない。待っているのは、食料品や日用品の無料配給だ。新型コロナウイルスの感染はひとまず落ち着いたが、次に押し寄せているのは移民を中心とした暮らしの危機。突如襲った感染症は世界一裕福な国に潜んでいた貧困をあぶりだしている。

「生活保護は受けているが、とてもじゃないけど家族全員を養えなくて…」。3人の子どもと妻がいるスリランカ出身のラミスさん(39)は嘆く。勤め先の飲食店は新型コロナで閉店に追い込まれ、解雇された。新しい仕事を探す日々が続くなか、この日はドライフードやおむつを受け取って帰路についた。

■食料が入った支援物資を大量に配布

会場に入ると、缶詰やパスタなどの保存食や、生鮮食品が入った大量の買い物袋が目に飛び込んできた。その数ざっと計3500袋。1袋あたり約50スイスフラン(5700円)分の品物が詰められている。約6割は一般個人からの寄付で、残りは企業などが支援した。収入証明などは不要で、希望者は誰でも受け取れる。会場では新型コロナウイルス感染の検査も無料で受けられるほか、雇用や生活の相談ができるブースも設けた。

主催団体の非政府組織(NGO)「キャラバン・ド・ソリダリティー」は4月上旬から週1回のペースで無料配給を始めた。ただ、当初は活動の必要な許可を得ておらず、押し寄せる人の密集を警戒した警察が中止を指示した。その後、ジュネーブ市や他のNGOが活動への支援を表明し、規模が徐々に大きくなった。これまでに1万人以上が訪れ、当日は早朝から順番待ちをしている人も目立つ。

キャラバン・ド・ソリダリティーの共同創設者シャルルマーニュ・ヘルナンデス氏は「ここに来る人は新型コロナの最大の犠牲者だ」と強調する。来訪者の属性を調べたところ、半数はスイス滞在や就労許可証を持っていない外国人だ。一方、スイス国籍の人は4%未満にとどまっている。6割は義務となっている医療保険に加入していない。家政婦や清掃などの仕事に就いている人が多く、生活基盤は極めてもろいのが現実だ。

ジュネーブに住んでいると、貧困を感じるような光景を見ることはあまりない。街中では高級車が走り、富裕層向けのプライベートバンクも立ち並ぶ。金融大手クレディ・スイスの世界の富裕度に関する2019年版の報告書によると、スイスの大人1人あたりの純資産は56万4650ドル(約6050万円)で首位。2位の香港(48万9260ドル)や3位の米国(43万2370ドル)を大きく引き離している。一方で、スイス政府の統計によると、18年で人口の7.9%にあたる約66万人が貧困状態で、国民7〜8人に1人は貧困の一歩手前にいた。

■10万人を超える不法滞在者

スイスには貧困に陥りやすい不法滞在者が推定10万人以上いると言われる。理由の一つは、安価な労働力への需要が強いためだ。人件費が高いスイスでは、企業や個人は少しでもコストを抑えようとする。他の国と同じように、地元住民がやりたがらない仕事を安い賃金で引き受けてくれる不法滞在者は、貴重な働き手になる。不法滞在者にとってみれば、スイスの給与水準を考慮すれば、どんな仕事もそれなりの収入を得られる。出身国への仕送りも十分にできるため、他国で働くよりも魅力的に映りやすい。

一方、今回の新型コロナのような危機が襲えば、打撃は大きい。物価高のスイスでは、欧州全体に比べ食料品は平均6割、公共交通機関は同3割高いとされる。収入が絶たれて、救援策を受けられないと、たちまち経済的な困窮に陥る。高額な治療費は払えないため、病院に行くのを諦める人も少なくない。

そもそも15年の難民危機の経験などを経て、スイスでも不法滞在者への視線は年々厳しさを増す。滞在許可証の申請の審査に数カ月かかるのが常態化しているほか、人道的な理由であっても不法移民の入国を手助けすれば罰則を科されることもある。かつて人口に対する外国人の割合を10%に制限するかを問う国民投票が実施された歴史もあって、一部の国民の間では根深い排外主義もくすぶる。

■自営業者の3分の1も生活に危機感

不法滞在者だけでなくスイス人でも自営業者を中心に収入は大きく減っている。ここ数カ月で支援依頼が急増しているカトリック系慈善団体「カリタス」の広報担当者は、地元メディアを通じ「もともとこれまで収入が少なかった人々は(経済的に)厳しい状況に陥る恐れがある」と警鐘を鳴らした。60万人の自営業者のうち、3分の1は生活の危機を感じているとの調査もある。

貧困を放置すれば社会不安が高まりかねない。近年、欧州では個人が無条件で一定のお金を定期的に受け取れる「ベーシックインカム(BI、最低所得保障)」がたびたび議論になる。フィンランドは18年までの2年間、BIの給付実験を行った結果、雇用には大きな効果は見られなかったが、健康状態や生活満足度は改善したとの結果が出た。スイスでも16年にBIの導入の是非を問う国民投票があったが、財源の問題などを理由に反対多数で否決された。新型コロナの危機で再びBIを巡る論争が熱を帯びるかもしれない。

スイスのシンクタンク、アベニール・スイスのジェローム・コサンディ研究員は貧困の削減には「誰もが仕事がある強い経済を目指すことが最善の策」と話す。外国人の労働市場への参入障壁を軽減することや、技能の高い労働者を育成するための職業訓練制度の推進が重要と強調する。スイスの20年の経済成長率はマイナス6.7%と1975年以来最大の落ち込みになる見通しで、今、見えている貧困はまだ「氷山の一角」との声もある。未曽有の経済危機を克服できるか。平和や安全を内外にうたう永世中立国は試練の時を迎えている。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60180870Q0A610C2I00000/
スイスの様に生産性が高い豊かな国にも外国人労働者は多数います。

経済力が右肩上がりの時は、労働力不足から、外国人労働者はチヤホヤされますが、景気が悪くなると、お荷物でしかありません。
それは、スイスでも例外では無いです^^;

景気後退が今回みたいな恐慌レベルになると、期限付きのベーシックインカムは必要かもしれません。
ただし、国籍条項を付けないと、難民が押しかけてくるでしょう^^;
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