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2020年06月11日10:39

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黒姫山 / 黒姫のルートはひとつじゃない!

日・月と夫婦で連休が取れることになり、せっかくなので泊まりでどこかに登りに行こうという話に。以前戸隠山に登った後に食べた戸隠蕎麦が絶品だったのでまた食べたい、しかしもう戸隠山は勘弁というひるねの意見から戸隠近辺の山をいくつか候補に挙げた結果、二百名山であり北信五岳のひとつ、黒姫山(2,053m)に行くことと決まった。
この山には黒姫伝説という民話が伝えられている。室町末期、日野城主高梨政盛には黒姫という美しい娘がいたが、近くにある池の主である竜に見初められ、若者に姿を変えた竜から求婚を受けることになる。人間でない者に嫁がせるなどもっての外と政盛は竜を迫害する。これに怒った竜は付近一帯に大洪水を引き起こし、許しを乞うた黒姫とともに山に消え、その山を人々は黒姫山と呼ぶようになったのじゃそうな。伝承によっては姫が竜を剣で退治したり、逆に恋仲になったりと多少の内容の変化はあるものの、大筋においてはだいたい上記のようなものらしい。

さて黒姫山の位置する場所は、すぐそこに新潟があるという長野県の北の端である。堺を前夜10時半に出発し、休憩や仮眠をはさみながら名神→中央道→長野道と夜通しかけて爆走、黒姫野尻湖PAに到着。このPAには野尻湖から化石が発掘されたナウマン象のブロンズ像(象の像というやつだ)が安置されていたりする。
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信濃町ICを下りると信濃富士とも称される黒姫山の円錐形がドドーンと大迫力で出迎えてくれる。

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さらに北の方に見えるゴツゴツした山は妙高山であろうか。か、かっけえ!いつかあの山にも登りに行こう。

高速を下りると20分ちょいで戸隠牧場の近くにある大橋に着く。黒姫山の登山ルートは他にもいくつかあり、黒姫温泉へ戻ってくるルートなども候補に挙がっていたのだが、下山後に前回の戸隠登山の際にありつけなかった戸隠牧場のソフトクリームを食べたい&時間があれば戸隠流忍法資料館にも行きたいというひるねの希望により大橋登山口から登ることにした。さらに、先人の記録を読むと西登山道は下りではオススメしない的なレコがあったので、古池から逆8の字を描いての周回ルートを取ることにした。

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7時に大橋を出発。水門の向こうに見えるのは火打山だろうか、なんとも牧歌的な風景で心なごむ。5分ほど車道を歩いて登山口に到着、登山届を提出して登山開始。

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20分ほどで古池に到着。中部電力が管理しているらしく、普段なら水面に映る黒姫が美しいらしいが、現在は何か水を抜いているようで、荒涼たる大地が広がっているだけで残念。

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幽玄な沢の清らかな流れ。

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丸木橋。

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倒木が行く手を遮る。

裾野が広くなだらかに広がっているのは火山ならではの特徴なのだろうか。徐々に登りが急になってきて、沢を丸木橋で渡渉したり、倒木と倒木の間をザックを引っ掛けながらくぐり抜けたりとそれなりに苦労しながら進み、8:20に新道分岐に到着。

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尾根のほうへは行かず、沢筋の道を進む。この近辺は戸隠竹細工の森に設定されているのだそうで、タケノコ掘るなという看板がそこかしこにある。一度作業服の3人とすれ違ったときに「登山ですか」と声をかけられたが、この格好で登山以外の何と思ったのだろう。もしかしてザックの中にタケノコでも持っていると思われたのだろうか。

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分岐から30分弱で大ダルミに到着。一面は湿地帯になっており、もう少しし早ければミズバショウの花が咲き乱れている光景を目にできたようだ。残ってないか探してみたが、花が落ちかけのものが2、3残っているくらいだった。
ここからしばらくはほとんどアップダウンもないなだらか道を進むことになる。西登山口をすぎて10分ほど歩くといよいよ本格的な登りとなる。

小黒姫に向けてどんどん高度を上げていくと、後ろにはまだ雲海の上に雪の残る峰々が見えてきて思わずその美しさに歓声を上げる。あれはどこの山だろうか。雨飾あたりだろうか。

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しばらく登ると巨岩がゴロゴロした一帯を通過することになる。岩と岩の隙間をすり抜けたり、大岩の上によじ登ったりとアスレチックに突破していく。今回は登りだったのでそれほど苦労なく通過できたが、なるほどここは下るのは多少めんどくさそうだ。巨岩群の一番上のあたりには「天狗岩」と書かれた標識があった。

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巨岩帯を抜けると、右手に黒姫、左手に小黒姫を眺めながらの林の中の道となり、傾斜もやや緩やかになる。ある程度進むと今度は道は下りに転じ、急に残雪が登山道を覆い始める。この辺は日照が少ないのだろうか。ザクザクと雪を踏んで、時々ズボッと踏み抜きそうになりながら歩くのは楽しい。

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やがて火口湖の峰ノ大池が現れる。向こうに見えるのは中央火口丘でもある小黒姫(御巣鷹山)2,046m。

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そのままポストカードにしたいような美しさ。雪解け水だったらさぞ冷たいだろうと手をつっこんでみたら意外とぬるかったwww

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さらに分岐をスルーして進むと七ツ池の池塘群が見えてくる。鳥がホーホケキョと鳴きのどかなことこの上なし。なんだここ。桃源郷か。

分岐まで戻って外輪山に登る。稜線に出たら山頂までは15分ほど。

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2,000m付近になるとハイマツが現れる。

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山頂直下の岩場の登り。

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12時前に黒姫山(2,053m)到着。

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上空はよく晴れているのだが下界は雲海となっていて、本来なら野尻湖がよく見えるはずなのだが全く見えない。木々の間からは妙高が顔をのぞかせているがそちらもガスに覆われはじめている。ここで昼食にしようか迷ったが、日差しを遮る場所がないし天気も回復しそうにないので下山を開始することに。戸隠や高妻がよく見えるというしらたま平も同様の理由でスルー。

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向こうに見えるのは後立山連峰だろうか?こんなに近くはないか。

稜線を後にして急坂を降りていくこと約40分ほどで丸木のベンチがあるしなの木に到着。ここで昼食にする。ラーメンを食ったりコーヒーを飲んだりしてるうちになんか晴れてきてるっぽい。戸隠方面の雲が取れてる。おや?
しなの木からは傾斜も緩やかになり歩きやすい下り坂となる。20分ほどで新道分岐に戻ってくる。そこから今度は大橋林道に向けてしばらく下って行くと割とすぐに林道に合流する。
15:15に大橋登山口に戻ってくる。行動時間8時間か。いやーよう歩いた。

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早速戸隠牧場へ。3年前に戸隠山からヘトヘトで降りてきた時には閉まっていてありつけなかったソフトクリーム、今回は無事やっていた。濃厚でめっさ美味い!

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宿のチェックインまではまだ時間があるので、これまた前回時間がなくて行けなかった戸隠忍法資料館を見学に行く。展示の数々も興味深かったし、からくり屋敷も楽しかった。

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晩は前回もお世話になった武井旅館に宿泊。

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江戸時代から続く由緒ある宿で、母屋は270年前の建築だそうな。

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信州サーモンに信州牛が美味い。そしてお待ちかねの戸隠蕎麦。これが絶品。コロナの影響で久しぶりの宿泊客だったらしく、しばらく蕎麦を打っていないので腕が落ちたとおっしゃっていたが、腕が落ちてこの美味さなら全盛時はどんだけ美味いんだ。
夜は夜通しの運転&長時間山行の疲れもあってか泥のように眠る。

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翌日は朝から快晴。せっかくなので鏡池に戸隠山を見に行く。こりゃ美しい。絶景です。旅の最後にいい思い出となった。
土産物を買い、そしてまた6時間かけて堺へ帰ってくる。前回の戸隠のリベンジも果たせ、また新たに登りたい山もできたし、よい山行となった。
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