『ファンシー』 2020年41作目 ☆☆☆★ チネ・ラヴィータ
http://fancy-movie.com/
山本直樹先生の漫画を永瀬正敏さんと窪田正孝さんのW主演で映画化。
原作が原作なので、エロなのかな? と思ったら違いました。
詩人(窪田正孝さん)と、郵便配達員で彫り師(永瀬正敏さん)と、詩人の元に押しかけて押しかけ女房になるファンとの話。
に、ヤクザの抗争が絡んでくる。
山本直樹先生の別名義の漫画なら読んだことがあるのですが、山本直樹名義だと真面目な話が多いんですよね。
ペンギンを名乗る詩人と郵便配達員とファンの女の子の話に、映画独自に彫り師のエピソードを入れたそうで、ヤクザの抗争は原作にあるかは分かりません。
詩人と郵便配達員とファンの女の子の3人の話がメインなんだけど、役者さんの個性そのままでした。
詩人は窪田正孝さんのおっとりさがそのままだし、郵便配達員の渋さ、寡黙さは永瀬正敏さんそのままだし、ファンの女の子はバストサイズが山本直樹だった。
ストーリーよりも雰囲気や個々の演者さんの芝居を楽しむ映画なんだと思う。
主演の三人だけじゃなくて、他の役もそれぞれに個性的だった。
郵便配達員の父の彫り師も、別れた元妻も、妻が連れてった娘さんも、出演シーンは少しだけだったけど印象に残る役でした。
墓を売りたがる坊主も、ダブルワーク(トリプルワークだったけど)の郵便局長も個性的で良かった。
出版社のパーティーシーンのモブ役なんて「正に山本直樹」で、極端なステレオタイプだったし。
原作を知らないので分からないんだけど、作中で「ダブルワーク」を強調していて、昼は郵便局長。夜は「じゃない方の置屋」やってるのは不味いと思う。最後はトリプルワークだし。
彫り師のエピソードは映画オリジナルなんだけど、ヤクザの抗争もそうなのかな?
舞台が温泉街なので良い感じにひなびた街に、ストリップや「じゃない方の置屋」が良く似合ってたんだけど、ヤクザの抗争の乾いた感じも何故か似合ってた。
支店(末端)が本店(本家)に軽くあしらわれるのは堅気もヤクザも同じなんだね。
エピソードそのもの。
個々の芝居。
舞台になった街。
それぞれが個性を放っていて、話がどうのじゃなくて「雰囲気」を味わう映画でした。
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