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2020年05月22日00:03

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賭け麻雀認めた検事長、定年後勤務延長なしなら「民間人」? 今後の捜査に影響も

賭け麻雀認めた検事長、定年後勤務延長なしなら「民間人」? 今後の捜査に影響も
前田恒彦 | 元特捜部主任検事

5/21(木) 18:03


(写真:つのだよしお/アフロ)
 文春砲の直撃を受けて辞意を表明した東京高検検事長の黒川弘務氏。記者の自宅に上がりこみ、賭け麻雀をしていたうえ、ハイヤーまで用意されていた。容疑を認めているという。今後の捜査の行方は――。
悪質な賭博行為では?
 そもそも、現金を賭けて麻雀をやっていたということであれば、記者ともども、今のような単なる「調査」ではなく、きちんと賭博罪で「被疑者」として立件し、「捜査」しなければならない。
 最高刑は罰金50万円だ。元プロ野球選手や著名な漫画家など、検挙例は山ほどある。
 しかも、週刊文春の報道によると、「黒川氏は昔から、複数のメディアの記者と賭けマージャンに興じており、最近も続けていた」「その際には各社がハイヤーを用意するのが通例だった」とのことだし、一晩で10万円の金が動いたという話もある。かなり悪質性が高い。
 最高刑が懲役3年の常習賭博罪にあたるのではないかといった点まで視野に入れ、過去にさかのぼって捜査を行う必要がある。
 例えば、いつ、どこで、どの社のどの記者と、いかなるレートやルールで賭け麻雀をやっていたのかや、勝ち負けの結果や支払いはどうなっているのか、といった点だ。
 黒川氏の公用と私用の携帯電話を差し押さえ、通話履歴も入手し、メールやメッセンジャーアプリなどの送受信内容を分析したうえで、黒川氏が誰とどのようなやり取りをしているのか、また、いかなる交友関係を有しているのか、早急に特定を進める必要がある。
 特に、週刊文春が黒川氏に突撃取材した17日以降、関係者との間で口裏合わせと見られる行動がなかったかが重要となる。
贈収賄の目も
 一方で、実は「接待麻雀」だったという話もある。
 賭博罪が成立するには、勝敗の結果が偶然に左右されるものでなければならない。
 黒川氏が知ってか知らずか、記者ら3人が意を通じ合い、黒川氏にあえて当たり牌を振り込んで勝たせるようなことをしていれば、黒川氏が勝つことは偶然ではなく、はじめから仕組まれていたということになる。
 そうなると、賭博罪の成立には難がある。勝つ機会がないのにそれがあるように装って客を負けさせた「いかさま賭博」の胴元も、賭博罪ではなく、詐欺罪で処罰される。
 黒川氏の場合、その逆パターンだから詐欺罪には当たらないが、一方で、ハイヤーの手配を含め、接待した記者には贈賄罪、接待された黒川氏には収賄罪が成立するのではないかとも考えられる。
 もちろん、露骨に当たり牌を振り込むような麻雀をやって勝ったところで、面白くもないだろう。
 記者のほうも、うまく「さじ加減」をし、勝ったり負けたりを繰り返しつつ、最終的には黒川氏の勝ちで終わるような流れを演出していた可能性もある。
 そうなると、賭博罪のほうに傾いていくことから、実際に行われた賭け麻雀の具体的な状況が重要だ。
 それとともに、「便宜供与」の有無や内容、すなわち黒川氏が記者と頻繁に会い、賭け麻雀で勝たせてもらう見返りにどんな情報を漏らしていたのかといった点について、よく調べる必要がある。
記者との蜜月関係にも捜査のメスを
 その点は、贈収賄の成否だけの問題ではない。
 今回の件は、単なる賭け麻雀だけでなく、検察幹部と記者との蜜月関係や検察による恣意的リーク、メディアコントロールの実態にも波及する話だからだ。
 そもそも、特定の記者の自宅に上がり込み、記者と6時間半も接触しているというだけで、第一線で捜査や公判に従事している検察の現場からすると、許しがたいという声が上がるはずだ。
 そうした幹部に極秘の捜査情報を上げたらメディアに漏れる可能性ありということだけでも、現場にとって最低最悪の上司であり、誰もついていこうとは思わないからだ。
 確かに記者による「夜討ち朝駆け」はあるが、まずヒラ検事のところには来ないし、来たとしても会話すら交わさない。
 毎夕刻、幹部による記者レクのあと、記者と個別にやり取りする幹部もいるだろうし、一昔前なら、幹部が記者を自宅に招いたといった話もあった。
 しかし、さすがに記者と夜な夜な賭け麻雀を繰り返すとか、そのたびに記者が用意したハイヤーで帰るといった幹部など聞いたことがない。
 黒川氏の脇の甘さが最大の原因だが、今回の記者が黒川氏を自宅に招き入れられるほどズブズブの親密な関係を築けていたことについては、他社の記者としても驚きを隠せないのではないか。
 黒川氏の身の処し方について、極めて軽い訓告処分や、7千万円超の退職手当が出る依願退官でいいのか、むしろ懲戒免職に値する話ではないのかということを改めて判断するためにも、前提となるこうした事実関係について、徹底した捜査が求められる。
法的地位は不安定
 ただし、大前提として、クリアしておかなければならない最大の問題が横たわっている。
 そもそも、国家公務員法の勤務延長規定は検察官に適用されないから、黒川氏の勤務延長を決めたという1月31日の閣議決定は違法無効であり、黒川氏に交付された「8月7日まで勤務延長する」という2月7日付けの内閣辞令書も同じく違法無効ではないか、という点だ。
 もともと野党側が、これまでの国会審議の中で強く主張していたことでもある。
 そうなると、検察庁法の規定により、黒川氏は63歳となった2月8日の誕生日をもって定年で退官していたということになる。
 それ以後は、法的には検事長ではなく、元検事長にすぎない「民間人」ではないかというわけだ。
 賭け麻雀が賭博罪に問われるのは変わらなくとも、公務員ではないから、記者との接待麻雀は贈収賄に当たらなくなるし、公務員の倫理規定の適用もなくなる。
 さらには、定年退官後の民間人としての賭け麻雀を理由に、検事長であった2月にさかのぼって懲戒免職にしたり、退職手当を支払わないといった決定ができるのか、という複雑な問題まで生じてくる。
 政府は国会答弁の中で繰り返し勤務延長は有効だと主張しているから、今後も黒川氏についてはその方向で対処するだろう。
 しかし、いまだに司法審査を経ていない問題だ。
 裁判所がどう判断するのか、不確定要素が残されたままであり、やや不気味な事案であることは確かだ。
 検察にとってもメディアにとっても痛手となるので、ソフトランディングで終わらせることも考えられるが、そうなると国民から「検察は身内に甘い」という批判が巻き起こることは間違いない。(了)
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