mixiユーザー(id:64025750)

2020年05月11日16:41

80 view

王の男

韓国で1200万人を動員し、韓国のアカデミー賞と称される大鐘賞では最優秀作品賞をはじめ当時史上最多となる10部門を受賞した大ヒット歴史ドラマ。2006年作。

アラン使道伝で、そーとーイカレてしまったので、箸休めというか、ちょっと一服みたいな感じで見始める。が、間違ってた(^^;

日本語のレビューではイ・ジュンギ様が美しいみたいな感想しかないんだもんね。期待するわけない。あと、「下ネタが下品過ぎる」みたいなのもあった。益々期待しなくなる。
だけど、見終わってから思うのは、下品という感想はむしろ制作側の狙い通りだ。とんでもない悪政を風刺するのだから、とんでもなく下品・下劣と感じてもらうことは大成功だ。

作品では、コンギルとチャンセンの関係が語られていないけど、これも故意なんだろう。兄弟のような関係にも見えるけど、兄弟では無さそう。でも単純に家族という設定なら、物語に深みは無かったかも。「友だち」というのもしっくり来ない不思議な関係だ。かといって恋人でもない。近いものはあるかもしれないけど、もっと・・・なんていうか・・・うーん、やっぱり芸人仲間か。それも心底「芸」が好きで、「芸」を楽しんでいて、「芸人」としての誇りも持っている。身分は低くても誇り高いのだ。思い付きで風刺芸をするけど、風刺の為の芸ではなく、芸の為の風刺なんだと思う。

コンギルの存在は不思議だ。何故かとても愛される存在。一人だけ王の寵愛を受けて官職まで賜って、他の芸人仲間からは嫉妬されてもいいはずだ。なのに、その仲間たちが、殺されそうになったコンギルを庇って一人が死んでしまったり。チャンセンは口に大きな傷があるけど、それは、以前、金の指輪を盗んだコンギルの代わりに罰を受けたものだったと語られる。そして今度は、またコンギルにかけられた濡れ衣を自ら被って失明させられる。なんか凄い話だけど、映画を見てると皆がコンギル大好きなのも納得してしまうような「良さ」が出てるんだよね。イ・ジュンギ様凄いぞ。

一方、お偉い大臣様方は、誰かが罰を受けようと嵌められようと欲しんするのみの醜さなんだよね。

コンギルって最初は助けられてばかりでヘタレなんだけど、最後は頑張ってチャンセンを助けようとするのは健気だった。弱いんだけど、とても優しい性格なんだと思った。だからみんなに好かれ、王にまで寵愛を受ける。彼は他の誰にも理解できない王の哀しみにまで触れてしまって、見捨てることができなくなる。イ・ジュンギが、この王(燕山君ヨンサングン)をいつかは演じてみたいと言ってるのも興味深い。彼がどんなヨンサングンを演じるのか、絶対に見てみたい。(「麗」の第4皇子を受けたのも納得だ。)

ラストの群衆が押し寄せる場面での綱渡りは悲しくも圧巻だったなあ。なんていうか、心に残るシーンだ。音楽も合ってるし。余韻がすごい。去年のアカデミー賞は韓国映画だったけど、2006年にこんなの作ってるんだから、不思議はないかもしれない。それにしても1200万人もの動員があったということは、老若男女が映画館に行ったものと思われる。韓国の人々が、何を思って本作を見ていたのか気になる。

【参考】
ちちんぷいぷい出演動画。


1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する