現在、政府は新型コロナウイルス感染防止を目的として、全国的な経済活動の停止と、国民の外出自粛を同時に要請している。しかし、この二つを同時におこなうことは、非常に非効率であるということを指摘したい。
まず前提として、いったん生まれたウイルスは、二度と「消滅」はしない。それはウイルス自体が、極めて微細な生き物だからだ。ウイルスは、たとえ人間に寄生しなくなったように見えても、変異を繰り返し、いずれまた、人間の体内に入り込んでくる可能性を持っている。エイズ、インフルエンザ、ノロウイルスなど、これまでにも人類は、ウイルスを原因とする様々な疫病に悩まされてきた。今でも多くのウイルスが、我々の生活と密接に関わっている。
それでは、それらのウイルスについて、問題は「終息」したのだろうか。答えは「是」でもあり、「否」でもある。
ウイルスの終息云々について語るには、最初に何を以て「終息」とするかを定義する必要がある。先に挙げたウイルスは、ウイルス自体が消滅したわけではない。
それでは仮に、「�／祐屬�ウイルスに感染しないようになった状態」、「�⊃祐屬�ウイルスに感染しても、容易に死亡しなくなった状態」の二つの場合が、ウイルスが「終息」した状態だと考えてみよう。
すると、ウイルスの「終息」については、以下の三つの条件のいずれかが満たされた場合に実現する、ということになる。
１、人間の大半が抗体（免疫）を獲得した時
２、ワクチンが完成した時
３、治療薬が完成した時
１と２は、人間がウイルスに「感染しない」状況の実現を目指した場合であり、３は、仮に感染しても、それを直接「死亡」につなげない状況が実現した場合だ。
これまで、私たちが「克服」してきたと思っているウイルスは、すべてこの１，２，３のいずれかに当てはまる。
例えば、日本脳炎は１で、インフルエンザは２、エイズは３に該当するだろう。
現在流行しているコロナウイルスについても、この１から３のいずれかの方法で対処していくことが求められている。そしてどの方法を目指すのが最も効率的、かつ現実的であるか、ということが次の問題になる。
仮に、コロナウイルスがエボラ出血熱のように高い致死率を持つウイルスであるならば、当然に１の選択肢はなくなるだろう。２、または３が実現するまで、とにかく「感染しない」ことに努めるべきだ。
一方で、コロナウイルスが感染力は強いものの、ノロウイルスなどのように人の死に至る確率が低いものであるならば、２、または３の実現を目指すことの方が理想的である。治療薬さえできてしまえば、人間は基本的に、そのウイルスを恐れる必要がなくなるからだ。
では、新型コロナウイルスの脅威度はどの程度なのだろう。
どんなに過大に見積もっても、その致死率は高くて１パーセントといったところだろう。
その根拠は以下の通りだ。
今回のコロナウイルスについて、世界で報告されている「感染者数」は、ＰＣＲ検査をして陽性の判定が出た人の数を言っているに過ぎない。だが、今回のウイルスの特徴として、感染していても自覚症状がない、あるいは、発症しても症状がごく軽微な場合が極めて多いことが言える。
当然、そられの人はＰＣＲ検査自体を受けない。だから面白いことに、ウイルスが大流行した世界の都市圏で、健康な人を対象に抗体検査を実施すると、高いところで２０パーセントもの人が「陽性」の結果が出るというのだ。これはつまり、本人も自覚がないうちに感染し、やがて平癒してしまっていた、ということを表す。
ここから言えるのは、現在世界で報告されている「陽性者」の数よりも、実際には数十倍もの人々が、すでにこのウイルスに「感染」していたことがほぼ確定的である、ということだ。
とすれば、本日（２０２０年５月９日）時点で、日本国内で少なくとも５パーセントの人がすでにコロナウイルスに過去に感染していたと推定しても、すでに６百万人が感染していることになり、対して死者の数が６百人ということは、致死率は１万分の１、０．０００１％に過ぎない、ということになる。
このことから、コロナウイルスの致死率は、どんなに高くても１％にも満たないということが言えるであろう。
ちなみに、パチンコで大当たりの出る確率は、比較的あたりやすいと言われる「遊パチ」で、ちょうど１パーセント前後だ。１００回リーチがかかって、１回当たるかどうか。
このウイルスが原因で死ぬ確率が、どれだけ低いか理解できるだろう。
それほど致死率の低い、つまり人間にとって脅威となりにくいウイルスに対して、「２、ワクチンの完成」や、「３、治療薬の完成」を本当に待つのか、ということである。これは、あまりにも現実的ではない。
要するに、このウイルスに対する現時点での最大の防御策は、人間が早々にこのウイルスに対しての「抗体（免疫）」を獲得することである、という結論にならざるを得ないのだ。
しかし、そうは言っても、今回のウイルスは感染力は強い。多くの人が一度に感染してしまっては、医療機関も対応しきれないだろう。
だからこそ、経済の活動をいったん停止する、というところまでなら、話は分かる
だが、それと同時に、「人の行動」まで抑制してしまっては、何の解決にもならないのではないだろうか。
経済活動が停止している、ということは、裏を返せば、今こそ国民がコロナウイルスに対する「免疫」を獲得するチャンスだ、ということでもある。
経済活動が継続している状況にあっては、ウイルスの流行は是が非でも避ける必要がある。感染が感染を生む状態を作ってしまうからである。
しかし、経済活動が停止しているのであれば、話は変わってくる。
より多くの連鎖感染の懸念が小さくなっている今こそ、人々は積極的に、このウイルスに対する「抗体」を獲得すべきなのだ。
治療薬やワクチンの開発には、国の認可を得るまでを含めて、最低でも数年はかかる。その間、ずっと経済活動の停止と一般生活の自粛を継続することは、誰が考えても無理なことだ。
それが、「感染したらおよそ死ぬ」、という病気であるならば、ある程度は仕方がない。しかし、今回のコロナウイルスは、絶対にそのようなウイルスではないのである。
高齢者や基礎疾患のある人、要するに通常時から免疫力の低下している人に対しては、確かに恐ろしい病気なのかもしれない。しかし、それは何もこのウイルスについてだけのことではない。そのような人は、季節性のインフルエンザでも死に至る可能性は十分に高い。
今回のウイルスで、健康な成人とそれ未満の人が死ぬ可能性は、極めて低いのである。であるならば、経済活動を停止した今こそ、国民は「免疫」を獲得しにいかなければならないのである。
何も、無理に「感染しろ」と言っているのではない。
しかし、経済活動も止め、市民の活動も止めてしまっては、いったんは感染者の人数を減らすことができたとしても、ウイルスの活動に適した季節（冬）になれば、再び人間に対して猛威を振るうことは容易に想像ができる。
その時になって、再び今回のような経済の停止、人の行動の制限をするのだろうか。だとすれば、今我々が強いられているこの不自由は、いったい何の意味があるのだろうか。
経済活動を停止したのであれば、一方で国民の行動は極力自由に任せるべきである。その方が、国民がゆるやかに「免疫」を獲得することにつながり、結果的に冬の「大流行」を未然に防ぐことができることにつながる。
一方で、経済の活動も、人の交流も同時に止めてしまってはどうなるか。確かに、一時的には感染者の数が減少したように見えるかもしれない。しかし、それは人の交流がなければ当然のことで、人間側にウイルスへの備えがなければ、ウイルスは条件さえ整えば、再び人間に厳しい牙をむくのである。
はっきり言おう。
経済活動が停止している今こそ、国民はコロナウイルスに感染するチャンスである。
テレビや政府の言うことに、素直に従っていてはいけない。結局、彼らは自分に利益のあることしか発信していない。
冬になって、またこの問題で「自粛」を強いられたくないのなら、他人に感染させるリスクの極めて低い今こそ、積極的に「免疫」を獲得する行動に出たい。
そのためには、ステイホームなどを馬鹿正直に続けていてはだめだ。
人と会って、人と話して、人と笑う。
そうしてこそ、私たちは明日への希望、生きる希望を見出すことができる。
政府が訴える「三密」より怖いもの。
私は考えた。
家に閉じこもっていることで発生しうる、「三くつ」の方が、よほど恐ろしいと。
「三くつ」とは、すなわち、
退屈
鬱屈
窮屈
である。
コロナウイルスは怖くない。そして、感染するなら、今が絶好の機会である。
私はそう主張したい。
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