部下たちに煙たがられている上司の頭が薄かったりすると、
すぐに【ハゲ部長】なんて仇名をつけられ、陰で呼ばれたりしますよね。
でも中には、それを逆手に取る方もいらっしゃるようですね。
「ウチの部長、幅広く雑誌を読んでるせいか、
自虐的なキャッチコピーを作っては俺達に披露するんだよね。
真面目な顔して『俺はハゲじゃなくて、ゆるふわ系だよ』とか
『ある意味、ツーブロック男子だな』とか
『薄くナチュラルな仕上げを意識してるから』なんて、
ハゲを前向きにとらえたアプローチしてくるんだよ」
「なるほど、それは反応に困るね」
「だけど、『あえて、抜け感を意識してる』って最新作には思わず笑ったね」
こういう上司は案外、愛され系なのかもしれませんね。
ブルース・ウィルスとかケビン・スペイシー、
ジャン・レノ、ニコラス・ケイジ、と言えば、いずれも世界で活躍する、
渋くてカッコいい二枚目映画スターという共通点がありますが、
彼らには、もうひとつの共通点がありますね。
それは【薄毛】であるという事ですね。
海外では薄毛は割とポジティブにとらえられてますが、
日本においてはネガティブな印象が拭えないところがあります。
ちなみに日本では四十代で三十%、五十代以降は四十%の人が【AGA】、
男性型脱毛症に悩んでいるという調査結果があるそうですから、
少しずつ後退していく生え際が気になって仕方ないという方も少なくないようですね。
そういう方々には朗報なんですが、ハゲや薄毛に関する情報だけを発信し、
薄毛男性を応援するWEBマガジンが今、注目を集めているそうですね。
【ノーヘアーズ】というタイトルのそのWEBマガジンは、
ハゲや薄毛はカッコ悪いという世の常識を覆し、
個性のひとつとして発信していこうというコンセプトで、
昨年の七月に立ち上がり、世の男性から熱い視線を浴びてるんですね。
掲載されている記事もなかなかユニークでして、
『スキンヘッド歴十五年の玄人が語る、アフターケア化粧品比較検証』とか
『同性にもカッコいいと評される【日本のジダン】の清潔感の理由とは?』、
『世界坊主連合発起人のひとりが、十年隠し続けた頭を剃りあげた瞬間とは』といった、
なかなか格調高いタイトルの記事が並んでるんですね。
他にも髪の毛に捉われず人生を過ごす、元地方公務員の体験談とか、
薄毛でもできる髪型の特集、新たな世界【ハゲマッサージ】の紹介といった、
薄毛の方垂涎の記事のオンパレードなんですね。
テーマは薄毛でも、中身は濃いですよね。
こんなWEBマガジンを企画したのは、きっと薄毛に悩む男性かと思いきや、
何と二十五歳の若い女性なんですね。
この女性、アパレル業界で働いてるものですから、
普段からいつも、洋服を着る方の個性を
どうやって生かそうかと考えているそうですね。
その中で、『どうして薄毛はカッコ悪いと思われてるのだろうか?
なぜカツラで隠すのだろうか?』と、男性の薄毛に対する世間のイメージに
疑問を感じるようになりましてね。
ハゲや薄毛は引け目を感じる事じゃなく、むしろポジティブな個性ではないかと思い、
それを発信していこうと考えたわけですね。
この【ノーヘアーズ】の中では、
カッコいいハゲを【ハゲリシャス】と呼んで、目指すべき目標としているそうですから、
薄毛もなかなか捨てたもんじゃないですよね。
微笑亭さん太
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