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2020年04月28日11:30

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コロナ疲れの長期化

「コロナうつ」の原因は
コロナ疲れの長期化

 新型コロナウイルスというストレッサー(脅威)に対しては、多くの人が「にげる」を選択し、外出の自粛や自治体からの要請による休業などを実行しています。また、企業は従業員に在宅勤務や自宅待機を指示し、感染拡大を防止しようとしています。しかし、「にげる」を選択してもストレッサーから完全に逃げ切るまでは闘争・逃走反応が続きます。すると、次第に従業員の間には次のようなネガティブな感情が増幅してきます。

 ・「この状況はいつまで続くのだろう」という不安感
 ・「自分ではどうにもできない(解決できない)」という無力感
 ・「在宅勤務はいつもとやり方が違って難しい」という負担感
 ・「自分は自宅で仕事をサボっている」という罪悪感

 これらの感情がコロナストレスを生み、長期化することでコロナ疲れに陥るのです。そして、コロナ疲れを放置していると、コロナうつにまで発展してしまいます。
 
 
在宅勤務が「コロナうつ」の社員を
生み出しやすい理由

 このような非常事態の中、部長や課長などいわゆるマネジメント層と呼ばれる組織の管理監督者に求められているのは、部下のケアです。在宅勤務や自宅待機では、会議や「ホウレンソウ」などの情報共有を対面では行えません。多くの方は、メールや電話、オンラインミーティングで代用するでしょう。

 こうした非対面のコミュニケーションには、デメリットがあります。今まで直接部下の顔を見たり、リアルな声を聞いたりすることで、「いつもと違うな」と部下の不調に気づくことができた人も、部下の不調を見落としてしまうケースが増えてしまうのです。

 そこで、在宅勤務中でも部下の心身の健康状態を確認する具体的方法を紹介します。
部下のコロナうつを防ぐため
「心身の健康状態」をチェック

 まずは、部下へ次の3点を伝えましょう。「部下のプライベートを侵害するつもりはない」ということを理解してもらうことがポイントです。

・ 仕事環境の変化が心身の健康に影響を与えること、「今、あなたのことを心配している」ことを伝える
・ 「あなたの健康状態を確認したい」ことを伝え、本人の了承を得る
・ プライベートの事情や家族の内情など「話したくないことは話さなくていい」ことを伝える

 そのうえで、部下の心身の健康状態を確認してください。ちなみに、労働契約法第5条で事業者には労働者に対する「安全配慮義務」が課されています。部下の健康状態を確認せずに、部下が不調になった場合に「債務不履行」や「不法行為」で訴えられるケースがあります。

 部下の心身の健康状態は以下の3点に絞って確認します。具体的に話を聞くことが大切です。

・ 生活習慣(睡眠の状況、食事の状況や食欲、運動の状況)
・ 体の症状(頭痛や肩こりがないか、消化器系の症状、疲れの状況)
・ 困っていることや悩み(仕事や家庭・プライベート)

 もし部下の不調につながるような気づきがあった場合は、まずは部下自身からの相談を受けましょう。職場で相談を受ける場合は、声をかければすぐに相談されることが多かったかもしれませんが、在宅勤務の場合は家族の問題や家計の問題などプライベートな事情も絡んでいるので、部下から相談しにくいとも考えられます。

 そこで次の3点に注意して相談を受けてください。

・ あらためて「今、あなたのことを心配している」ことを伝え、仕事上で困っていることがないか確認する
・ 併せて「仕事上でサポートできることがないか」を確認し、後ほど説明する「4つのサポート」を的確に与えるよう心掛ける
・ プライベートの相談を受ける場合は、(ケース・バイ・ケースですが)「問題解決につながらないかもしれない」「聞くだけになるかもしれない」ことを前提に聞き、入り込みすぎないように注意する

 相談を受けたうえで、自分では対応できないと判断した場合は、上長に相談してサポートを受ける、または産業保健スタッフにつなげます。なお、「部下の物理的な職場環境や情報リテラシーは個人によって違う」ことを理解し、特に部下が仕事におけるハード面で困っていることを詳しく聞き取るようにしましょう。

上司が部下にするべき
4つのサポート

 部下から仕事で困っていることや悩みを聞き取ったときは、「4つのサポート」で部下のコロナストレスを緩和しましょう。4つのサポートとは、「情緒的サポート」「情報的サポート」「道具的サポート」「評価的サポート」です。

 具体的に説明していきましょう。「がんばってるね」「お疲れさま」などと声かけをしたり、「大変だよね」「感染拡大が終わるまでの辛抱だよ」などと慰めをしたり、その人の愚痴を聞いてあげるなど、本人の情緒を安定させることを目的にしたサポートが「情緒的サポート」です。

 そして、効率的な仕事の進め方についてアドバイスをしたり、「この仕事は○○さんが詳しいから聞いてみたら」と専門家を紹介したりするなど、問題解決に役立つ情報を与えるのが「情報的サポート」です。

 また、仕事を職場のメンバーで手伝うなど、問題解決のために物質的な手助けをするのが「道具的サポート」です。

 さらに、「よくがんばったね」「いつも助かっているよ」と努力をほめたり、仕事の結果を適切な人事考課で評価したりするなど、仕事での良い点を本人にフィードバックするのが「評価的サポート」です。

 この4つのサポートを効果的に行い、部下のコロナストレスを緩和していくことが重要です。
リモートコミュニケーションで
注意すべき3つのポイント

 最後に、在宅勤務や自宅待機をしている部下とのコミュニケーションで注意すべきポイントを3つ紹介します。

 1つ目は、「在宅勤務や自宅待機をすることの意義について理解させる」ことです。在宅勤務や自宅待機が感染拡大の防止につながること、組織としてのリスク対策として長期的な利益になることをしっかり伝え、「自宅にいることに意味がある」と自覚させてください。

 2つ目は、「リアルなストレスとバーチャルなストレスがあることを理解させる」ことです。慣れないリモートの仕事が難しい、お金に困っている、家族の人間関係がうまくいかないなどのストレスは、仕事に慣れる、お金を借りる、家族との関わり方を変えるなど、自分の行動を変えることで軽減できます。これがリアルなストレスです。

 ところが、「自分も感染して病気になるのではないか」「外出の自粛はいつまで続くのだろう」「これから日本の経済はどうなるのだろう」などの不安は、行動ではなく「自分の考え方」を変えないと軽減できません。このようなバーチャルなストレスについては、「ネガティブな情報を与えるようなニュースや報道番組を見すぎない」ことをアドバイスすることも必要です。

 3つ目は、勤務が元に戻ったときのために「出勤していたときと同じ規則正しい生活を送るのが大切だと理解させる」ことです。バーチャルなストレスに結びつくネガティブな考え方は、規則正しい生活を送ることを阻害する要因になります。「出口のないトンネルはない」「春の来ない冬はない」「いつかは元の生活に戻れるだろう」というポジティブなつぶやきを自分で言い聞かせるようアドバイスし、少しでも早く職場に戻る準備を促すことが上司が今やるべきことでしょう。

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