今朝の10時28分に配信された聯合ニュースによると、
韓国の新型コロナ感染者は、前日から10人増え計1万728人となり、
死者は2人増えて、242人になったとの事です。
1日当たりの新規感染者数は、18日に20人を下回って以降、
8日連続して10人前後で推移しています。
この日発表された新規感染者10人のうち、9人が海外からの流入によるもので、
死者は24日と25日には出なかったが、新たに2人増えたとの事で、
今後どうなるかは分かりませんが、概ね制圧に近づいているような感じがします。
韓国では、2月下旬、
韓国の新興宗教である、新天地イエス教大邱教会の信者の発症が確認され、
その後、連日100人、200人と新規の感染者が発生しました。
病院はどこもパンク状態となり、あわや医療崩壊とまでいわれていました。
そこから危機を脱するまでの10日の間、政府は大きなルール変更を行いました。
病院とは別の隔離施設(生活治療センター)を開設し、
軽症者はそちらで管理することで病床を確保しました。
また屋外テントなどを利用しての外来の分離、
さらに医療従事者と患者の双方を感染から守るための「ドライブスルー検査」も
世界に先駆けて実施されています。
とにかく徹底的な検査によって拡大を防止して来ました。
検査件数では、世界一のようです。
そして、韓国政府の方針は徹底的な情報公開です。
感染者それぞれについて、名前は伏せられていますが、通し番号が付けられ、
「◯番患者さんは、何時にどの地下鉄に乗って、どこで何を食べて、
どこで買い物をして……」とネットで公開されていて、
地域ごとの検索も可能であり、たとえば◯◯市◯◯区をクリックすれば、
自分のエリア近くの感染者の動きが確認できるとの事です。
こうした事が可能なのは、
韓国の住民番号は、クレジットカードはもちろん、携帯電話やパスポートなど、
すべてのものにつながっているためで、
保健所でのPCR検査で陽性となれば、
保険証→住民番号→クレジットカード→監視カメラで行動が明らかになります。
そして、その行動の動線上接触した人などを追跡して検査を行える訳で、
完全に個人のプライバシーが明らかになってしまいます。
このように、プライバシーの保護の観点からいかがとの気はしますが、
逆にこれは抑止力にもなるようで、
「コロナに罹りたくない」と感染を警戒して、注意深い生活をすることは、
感染拡大の防止に効果があるとの指摘もあります。
韓国政府は欧米式ロックダウン(都市封鎖)のような強制措置はとっていません。
学校の休校措置を除くと、人々の移動や、商業施設の営業なども、
全て自主判断に任されているとの事です。
4月10日の文春オンラインには、
フランスのマクロン大統領がかつて
「行動経路を把握することは市民の自由を奪うことだ」と非難しましたが、
今はフランス全土がロックダウンされ、
人々の自由は奪われてしまったとの記事がありました。
プライバシーの保護と感染防止、どちらを優先させるべきでしょうか?
僕としては、やはりプライバシーの保護を優先させたいような気がしますが。
以上、4月7日付けの論座を参考にしました。
原文は、下記のアドレスです。
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2020040700002.html
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