名護市辺野古の新基地建設は米国の国家歴史保存法(NHPA)に違反するとして、日米の環境団体などが米国防総省に建設中止を求めた「沖縄ジュゴン訴訟」の控訴審が3日(日本時間4日未明)、米国第9巡回裁判所で結審する。初の実質審理となったサンフランシスコ連邦地裁で示された原告敗訴の判決内容が妥当かどうかが、今後示される。
日本の高裁判決と異なり判決日程は指定されない。前回の連邦地裁は結審から約1カ月後のスピード判決だった。判決内容によっては辺野古の新基地建設がストップする可能性があり、注目が集まる。
主な争点は(1)NHPAに基づき、国防総省は関係者と協議するなど適切な手続きを進めたか(2)新基地建設は「ジュゴンに悪影響を与えない」とする国防総省の結論は妥当か-の2点。地裁はいずれも同省側の主張を全面的に認め、違法性はないと判断した。
同訴訟は2003年9月に日米の環境保護団体などが米国防総省を提訴したことが始まり。米国の環境裁判の中で最も長い裁判の一つとなっている。
15年2月の連邦地裁は原告適格(訴訟を起こす資格)や政治的問題を理由に門前払いとしたが、17年8月の控訴審判決で覆され、審理は差し戻された。18年6月、地裁で初の実質審理が行われ、同年8月の判決で原告敗訴となった。
原告側は判決を不服として翌9月に高裁へ控訴。国防総省は法的手続きに問題があり、ジュゴンに悪影響を与えたのは明らかだとして、地裁判決の破棄などを求めている。
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