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2020年03月25日09:25

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現代の AD Player から「お奨め」なのは…? その2

前回の続き。
 
先に記した事情と基準にて私が「感覚的」に選んだ、現代の AD Player で「お奨め」な製品の続編である。
audio-technica 製の “AT-LP7” に続いて「お奨め」の AD Player を紹介したい。
 

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続いては、これっ! 
TEAC 製の “TN-570” である。
某量販店でのお値段は税込み ¥92,780 とのこと。
その概ねの仕様は下記のとおりである。
 
Turn Table
 操作方式:手動(Full Manual)
 駆動方式:Belt Drive
 Motor:DC Motor
 Platter:直径 300mm, 16mm厚 Clear Acrylic 製, 重量 1.4kg
 起動 Torque:不明
 Wow/Flutter:0.1%(回転数偏差 ±0.05%)以下
 S/N 比:67dB 以上
Tone Arm
 Type:Static Balance, S字型
 Arm 有効長:223mm
 Arm 高さ調整:可能(調整範囲は 0〜6mm)
 Anti Skating 調整:可能
 針圧調整範囲:0〜5.0g
 適用 Cartridge 重量:15〜23g(Head Shell 含む)
 Pick Up Cartridge: audio-technica 製の “AT100E” 相当品
本体
 Cabinet:人工大理石と MDF を組み合わせた2層構造
 Phono Equalizer:有り
 Digital 出力:有り(USB:PCM 最大48kHz, 光:PCM 最大192kHz)
 外形寸法:W420 × D355 × H132mm
 重量:9.0kg
 消費電力:1.5W
 価格:¥132,000(TEAC Store 税込み価格)
 

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私がこの “TN-570” をお奨めする理由とは…? 
その仕様や見た目から想像される「良いかも?」な美点は下記のとおりである。
 
良いかも? その1:
Belt Drive なのに Servo Control を採用して Direct Drive に迫る回転精度? 
いやはや、これは面白いぞ。
PRS3(Platter Rotation Sensing Servo System)と称するそれの詳細は Maker の H.P. を参照していただきたいのだけれど、簡単に言ってしまえば Platter Schaft の回転数を光学式 Sensor で読み取り、この回転数が常に一定になるように Motor を Servo Control(帰還制御)している、ということ。
Belt Drive なのに、結構な高級機構である。
Wow/Flutter は 0.1% と Belt Drive での標準的な値だけれども、回転数偏差は ±0.05% に抑制しているとのこと。
Belt Drive は構造が単純なので Direct Drive と比べて安価に製品化が可能であった、と私は捉えている。
Belt Drive の難点は、Direct Drive と比べて回転精度と S/N 比が低く、起動 Torque は小さい。
その Belt は Rubber(日本ではゴムとも言う)製が故に経年劣化で伸びてしまうと Slip を多発して回転精度は更に低下してしまうのである。
だから、同じ Maker 製でも安価な Entry Model は Belt Drive で、それ以上の Model は Direct Drive という Lineup が ’80年代の常だった。
なので未だに Belt Drive と聞くと「安っぽい」という印象を引きずってしまう私である。
でも Belt Drive であろうと猛烈に高価格な超高級品も存在する。
Direct Drive と比べて Belt Drive の優れた美点は Cogging(コギング)現象が発生しないこと。
その Cogging とはを説明すると長くなってしまうので割愛する。
で、話を戻すと「Belt Drive なのに Servo Control を採用して Direct Drive に迫る回転精度?」という Maker 側の謳い文句が気になる私である。
少々 Belt が伸びてしまってもその回転精度を維持するという、PRS3 による 凄く興味深い Belt Drive である。
 

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良いかも? その2:
厚さ 16mm で重量は 1.4kg もある合成樹脂製の Platter も興味深い。
しかも透明な Acrylic 製と来たもんだ。
金属製と比べて「鳴き難い」と期待できる合成樹脂製 Platter の話は前述の audio-technica 製 “AT-LP7” でも記したとおりである。
それにしても重量が 1.4kg もあると、Belt Drive が故に Start & Stop には少々の時間を要するであろう。
けれどもそれは「慣性質量が大きい」を意味するのであって、Platter の慣性質量は大きければ大きい程に高音質へ貢献するもの。
高級な機種ほど慣性質量が大きい Platter を採用しているのはそういう理由もある。
透明な Acrylic 製という衝撃の Looks は好みが分かれるであろうけれど…? 
これ、私は興味深いぞ。 
 

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良いかも? その3:
Cabinet の構造と Design も衝撃的! 
Top はなんと「人工大理石」製である。
金属よりも硬質な人工大理石の上に Motor も Platter Shaft も Tone Arm Base も固定とあらば、その全てを Mechanical Short させたという理想的な構造になる、と解釈できるのではないか? 
Bottom は高密度 MDF 製で、Top の人工大理石との間に Butyl Rubber(日本ではブチルゴムとも言う)を挟むという、これまた「憎いぞ、おいっ!」な防振対策も素敵に思える私である。
その結果、吹けば飛ぶような薄っぺらい形状なのに、総重量は 9kg という重さ。
しかも…? 
四隅の足は振動を吸収する Insulator ではなく、金属製の Spike っぽい形状のそれ! 
つまりは結構に Rigid 系の「ガチ」な構造という、この価格帯としては大胆不敵で衝撃的な構造と Design に私は驚いたのである。
しかし、この手の Rigid 系で「ガチ」な構造の AD Player は、その Setting と使いこなしが難しいので初心者な方にはお奨め出来ない。
何故ならば、床も Audio Rack も「ガチ」でしっかりしていないと、この手の奴は本領を発揮出来ないのである。
なので、ある程度以上の知識と経験もある Comeback な方に限定で「お奨め」としたい。
これの使いこなしは結構に難しいぞ! …と断言しておこう。
けれども、それを「使いこなしてやる!」というのも Analog Audio の楽しさだったりして…? 
あぁ〜、これぞアホへの入口。
わざわざ茨が生い茂る道を選んで歩み、痛みの向こうにある悦楽を求めてしまうアホな方には「超」が付く程にお奨めしたい “TN-570” である。
 

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良いかも? その4:
ADC(Analog/Digital Converter)も内蔵に加え、Optical(光)Out では PCM で最大192kHz の Hi-Res(ハイレゾ)にも対応している。
その ADC Chip は Cirrus Logic 製の “CS5361” とのこと。
もちろん Phono Equalizer も内蔵されているので、手持ちの AD の音を PC などへ保存したいとあらば、これ1台で全て(の機材)が揃ってしまうのである。
今までは自宅でしか聴けなかった AD という「資産」からの音楽を、My Car や外出先でも楽しめちゃうとあらば素晴らしいではないか。
この価格帯で All In One なのだから、各々の機構の品位もそれ相応であろう。
内蔵される Phono Equalizer にしても、ADC にしても、それは「とりあえず…」な Grade なのは仕方の無いこと。
それを、やれ「S/N 比は…?」やら「音の解像度は…?」やら「DSD には無対応?」を言うなかれ…。
私がお奨めするのは「金に糸目も付けない最上級な…」ではないのだから…。
 

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良いかも? その5:
標準装備の Pick Up Cartridge が audio-technica 製で VM 型の “AT100E”(の相当品)であること。
これは先に紹介した audio-technica 製の AD Player “AT-LP7” と同様に、交換針で更に Up Grade が可能なのである。
その “AT100E” は既に「生産完了」扱いなのだけれども、その後継機種が “AT-LP7” にも標準装備の Pick Up Cartridge “VM520EB” と同等であり、その交換針も完全に互換性を有するのである。
針を交換するだけ、という手軽さで「音の違い」をも楽しめるのは魅力的だ。
 
私が TEAC 製の “TN-570” をお奨めする理由とまとめると…
 Belt Drive なのに Servo Control を採用している
 厚さ 16mm 、重量は 1.4kg もある合成樹脂製 Platter の慣性質量と抑振性に期待
 Cabinet の構造と Design が衝撃的!
 Hi-Res にも対応の ADC を搭載
 針交換だけで標準装着の Pick Up Cartridge を Grade Up も可能
…である。
 
残念(?)なところは…
 やっぱり Belt Drive であること
 Tone Arm の感度が不明 
…が、個人的にはちょいと残念なんだけれども? 
あの「Cabinet の構造と Design が衝撃的!」も含め、この私ですら「これは欲しいかも?」とそそられてしまう魅力を秘めている。
ん〜、これが実勢価格の半分未満だったらば「これで遊んでみたい」で今すぐ私も買っちゃうだろうよ、きっと…。
 
価格に関して:
この “TN-570” が ’80〜’82年頃の新製品だったらば…? 
これも現代の装備や機能は抜きで考えてみる。
いかんせん Belt Drive 方式で Full Manual 、Belt Drive 方式なのに特殊な制御回路、大胆不敵な構造と Design 等を加味すると、当時だったらば Maker の希望小売価格は高くても ¥39,800 ってところか。
それを 20% Off の ¥32,000 が当時の実勢価格のように思える。
これに現代の…
 Phono Equalizer 付きで +¥10,000
 A/D Converter 付きで +¥10,000
 Pick Up Cartridge 付きで +¥10,000
を加えると、あの当時の Maker 希望小売価格に +¥30,000 で ¥69,800 となる。
それを 20% Off の ¥56,000 が当時の実勢価格を基準に考えると妥当なのではないか? 
あれから40年後、この “AT-LP7” の実勢価格は ¥92,780 なり。
1.66倍でおよそ ¥37,000 も高いのが現代の価格である。
 
お次は同じく TEAC 製で “TN-4D” をお奨めしたいのだけれど…? 
話は長くなるので次回に続く。
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