今年の中学受験、高校受験で顕著だったのは、大学付属の人気がますます高まったことでしょう。
理由はいくつか考えられますが、一番大きなものは近年の都市部の大学の定員減により、首都圏の中堅以上の大学の偏差値が大幅に上がったことです。
大っぴらには言われませんが、大学の定員を削減しても、付属高校からの推薦や指定校推薦などの人数は変わっておらず、わりを食うのは一般受験の受験生です。
しかも、来年度から大学入試センター試験に代わる新テストが始まり、こちらも相変わらず不透明でごちゃごちゃしており、一般入試の準備がさらに複雑になってしまっています。
こういう状況の中にあって、中堅以上の大学の付属高校は軒並み過去最高倍率となり、さらに厳しく、複雑になるであろう大学入試を避け、この段階で確保しようという動きが活発化しているのです。
もう一つは、私立高校に入学する生徒に対する補助金がこの4月から拡充され、これまでは御家庭の事情から、どうしても都立高校にいかなければならなかった層の子も、少し手を伸ばしてみようと大学付属を考えたということも数多くあったように思われます。
中学受験でも、例えば中堅大学の代表のようなN大の系列中学は、一時期偏差値40近くまで下がっていたにも関わらず、数年前からジワジワと上がって来て、50近くまでなって来たところもあるくらいです。
中学受験は、ある意味6年後の大学をその時点で決めるということでもあり、お子さんの可能性を閉ざすことになってしまうのではと考える親御さんもいらっしゃいますが、逆に中高をのびのび過ごさせたいという方もおられるわけです。
首都圏の大学受験の定員減が始まって以来、浪人する人が増え、そのことがさらに受験を難しくして来たわけですが、それの受験生が順繰りで送られて来るのもそろそろピークではと言われているものの、恐らくしばらくは似たような状態が続くと考えられています。
中学受験にしても高校受験にしても、志望校を考えるの際にまず大切なのは、全体像をよく知ることです。
学校を調べることも必要なことですが、まずは受験のトレンドがどのようになっているかを正確に知り、お子さんの将来を想像しながら、方向性を決めていくことです。
うちの塾でも今年度の高校受験生は、大学付属志望がとても多く、その中には塾の受験相談での情報から判断された方もいらっしゃいました。
塾としては様々な情報ソースを活用して、より正確な情報を取り入れ、時に数年後をあらゆる見地から予想もして、生徒さんとご家庭にきちんと提供できるようにしていきたいと考えております。
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