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2020年03月16日14:38

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『ドクター・スリープ』(『シャイニング』比較編) 

『ドクター・スリープ』(『シャイニング』比較編) 
TEXT by 浅尾典彦(夢人塔)

4月8日にブルーレイ&DVDセット発売予定日の
『ドクター・スリープ』には、前作『シャイニング』の
恐怖要素がたくさんちりばめられている。

・絨毯の模様
あの図柄だけで前作を思いだす人が多いと思うが
画面切り替えにも面白い効果を与えている。
色使いやセンスはネイティブ・アメリカンから引用。
因みに『トイ・ストーリー』の中にもこの模様が出てくる。

・双子の幽霊(グレイディ・ツインズ)
今回も同じく恐怖イメージとしてインパクトを与える。モトネタは
「ヴォーグ」や「ハーパーズ バザー」の写真家でありながら
48歳で自殺した写真家ダイアン・アーバスDiane Arbusの作品
「一卵性双生児 ローゼル ニュージャージー州 1967年」
友人スタンリー・キューブリックが、彼女の追悼の意味で
オマージュを捧げて映画に出した。

・アルコール中毒
前作ジャックはラウンジで酒に溺れて狂気に走るが、今回も飲酒はキーポイント。
今回は対極的な表現で二作品のコントラストを掘り下げている形だが、
アルコール中毒のDVのモトネタは、
1921年製作のスウェーデン映画『霊魂の不滅』
Korkarlen (The Phantom Carriage)という作品 。
アル中の夫が妻子を斧で襲うシークエンスやカット割りが
『シャイニング』と全く同じであるが、キューブリックのオマージュ。

・血まみれエレベーター
狂気を象徴するかのようなこのシーンは、『シャイニング』では
映画の序盤、中盤、終盤に3回ある。エレベーターからあふれ出て
部屋の家具を流すくらいの血の洪水。まぎれもなくホラー映画史上、
一番出血の多いシーンだ。もちろん『ドクター・スリープ』にも
そのシーンはある。

・時間
『シャイニング』は一般的に119 分だが、北米公開版は143 分。
より丁寧な作りとなっているので当然北米版画お勧め。
ジャックが「このホテルへは何故か何度も来たような気がする」
というセリフや、前述のホテルの内装などに
ネイティブ・アメリカンの様式を引用している事などが語られる。
また、危険を察知した黒人ディック・ハロランがホテルに行くまで
乗り物を乗りかえたりと道中のシーンも長い。
今回『ドクター・スリープ』も劇場公開版に加え、30分近く付け加えた
描写のより細かいディレクターズカット版も発売される。
もちろん劇場公開版にないシーンも入っていて観られるので断然お得だ。
『ドクタースリープ』劇場公開版 152分
『ドクタースリープ』ディレクターズカット版 181分

※『ドクタースリープ』(『ドクター・スリープ』比較編)に続く
※日本SF作家クラブの関係で ワーナー・ブラザーズからもうすぐDVD発売される
映画『ドクター・スリープ』 を、販売に先駆けて見させてもらっています。

「ドクター・スリープ」
ブルーレイ&DVDセット
(初回仕様/3枚組/ディレクターズカット ブルーレイ, ポストカード1枚付)
発売予定日は2020年4月8日

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