昭和初期に書かれた戦国時代小説は、英雄伝説であり、過度に脚色されている。
ありえないエピソードを持ち込んで英雄伝説を盛り上げてあるもがほとんどだ。
私の世代では疑問を感じる人が多い。
小説家では
1.山本謙一 同い年
2.安部龍太郎 同い年
3.火坂雅志 同い年
4.高橋直樹 3歳違い
などみな脚色されたエピソードを見直している。
この作品は良い。歴史を描いたわけではない。面白い小説なのだから脚色もある。
しかし、これはいかにもありそうな判断と戦略が続いているので引き込まれる。
特に勝敗を決した「小早川の裏切り」や「福島の葛藤」の詰め方が秀逸である。
昔の小説でもこの小説でも変わらないのは「大谷吉継の男気」と「左近の頭抜けた武将ぶり」である。
勝利は徳川だったが、主役も男を上げたのもすべて西側だったのは切ないと思わざるを得ない。
ログインしてコメントを確認・投稿する