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2020年02月10日09:46

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ポジティブな話ばかりではないのです。

■殺処分寸前の捨て犬が…「セラピードッグ」需要が増加中
(AERA dot. - 02月09日 08:00)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=173&from=diary&id=5966757

セラピードッグを含めた動物介在療法は,治療にプラスになる場面を選んでうまく使えば,とても効果が上がるものだと考えていますが,この記事や,ここにぶら下がっているコメントのような,「良いこと」ばかりではない,ということは,知っておいて欲しいと思います。

まず最初に考えなければならないのは,感染症の問題。
よく,「この犬はワクチン打って衛生管理も万全」と言う話を聞きますが,犬の病気に関するワクチンを打つのは当然として,犬では何ともない,あるいは犬にとっては感受性の無い病原微生物での中にも,人にうつると問題が大きかったり,病気などで免疫力の落ちている人には問題があったり,と言うリスクを持っているものがあります。
犬の常在菌としては問題の無い細菌で食中毒や肺炎などを起こしたら,まずいですよね。

アレルギーの問題もあります。
動物と接する患者さんはもちろん,動物の出入りする病棟で,その動物の被毛などに対するアレルギーを持っている人が居たら,大変です。

人の側の問題はまだまだあります。
同じフロアに,その動物が苦手な人が居たら?
また,セラピーを受ける人が,動物に対する理解が乏しくて,一方的にかわいがりたい,癒されたいだけの人だったら,動物にどんな負担を強いることになるのか,想像してみてください。今の動物愛護系の人達の中には,ほとんど人の都合しか考えないで,(自分がこうすると幸せだから)動物も人と同じようなことをしてもらったら喜ぶし,幸せだろう,と考える人が居ますし,それに似通った考えを持つ飼い主さんは多数見てきましたし,動物と接する人には,こうした,動物を「擬人化」して,自分と同じ価値基準で扱ってしまう人が少なからずいる,と言う点を忘れてはいけません。人は一方的に癒されますが,動物には大きな負担がかかります。

本当は,そういう独りよがりな動物好きは,動物を飼う資格など無いと言い切ってしまっても良いのですが,そんな人に限って、動物好きを自認したり動物を飼いたがる人が多いようです。それが伴侶動物の現実です。しかし、人に役立てる目的で飼いならして改良してきたのが伴侶動物ですから,この辺の動物福祉は,あまり突き詰めて考えず,動物を扱う側の人の理解や配慮に委ねられてしまうものです。

さて,こういう理解があってこそ,セラピー動物が成り立つ,と言うことは,お分かりいただけるでしょうか。正直,動物好きさんの考えや行動が動物に負担をかけてしまうと言う問題は,根が深いけれど目をつぶらざるを得ない問題ではないかと思っています。
考えてみてください。殺処分される動物は,決して野生動物ではなく,動物が好きで動物を飼いたいと考えて飼育していた飼い主が飼育放棄した子や,その子が繁殖して増えた個体がほとんどです。殺処分の悲劇を作っているのも,間違いなく,動物好きさん達なのです。
一人でも多くの人が,動物をむやみに擬人化せず,動物を動物として理解し,彼らの特性を生かした扱い方が出来る人になってくれることを望みます。

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