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2020年01月07日14:22

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真砂ノ触覚ー其の拾七

1月5日 綜合芸術茶房 茶会記にて

会場には新聞紙で作られた七夕飾りに用いる天野川が天井から無数に下げられ、張り巡らせている。
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吉本裕美子のダクソフォンの演奏が始まり、傍らに木村由がたたずんでいる。
ダクソフォンを演奏するためのバス弓の先端には鈴が取り付けられていて、ダクソフォンの音に鈴の音が加えられていていつもとやや趣を異にしていた。
ボウイング音+鈴の音。鈴の音がどれほど効果を上げていたかは疑問だが、それなりの試みとして良しとしよう。それ以上に耳を刺激したのは、左手に持つ名前は知らないが音程を変えるための黒板けしのような道具によってもたらせるクリック音だ。
クリック音が今回特に際立っていた。ボウイングの連続音に対して、クリック音は弦楽器におけるピチカート以上に歯切れよく新鮮な響きを私の耳に届けてきた。

一方、木村由はその特徴的な不格好な姿態と急激な落下といった、壊れた操り人形(あるいはコッペリア)のような動きにとどまらず、様々なニュアンスを伝える動きが加わって、より豊かな場を提供していた。
譬えては語弊が生じるかもしれないが、時に石井かほるを彷彿とさせる毅然とした表情を見せ、時に韓国のダンサーナムジョンホを思わせるコケティッシュな動きをする。
さらに、昨年の第Q芸術のソロパフォーマンスの時に見せた、ややロマンチックでセクシーな表情も加味されていた。
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タイトルにあるように17回目のコラボレーションということで、互いの信頼関係の上に成り立つ協調と裏切りが随所にみられ、ドラスチックではないけれどスリリングな舞台だった。
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