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2019年12月30日16:14

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平成のまとめ。アルバム10選。vol.2

続き。


��Dir en gray 「Withering to death」 (2005)

Dirはインディーズ時代の超ヒット曲「I'll」の頃から追ってはいたのですが、前述のPierrotほどの熱は無く、何となく出たらレンタルして聴く…くらいの距離感でいました。
特にアルバムを通して聴いていたことはほとんど無かったと思います。
何というか、どうにも奇をてらった印象が強くて手放しで褒める対象ではなかったというか。

ところがこれまた大学時代に出会った虜(Dirのファン)からの影響で聴き直すことになり、その良さを再認識するようになりました。
そしてこのアルバム「Withering to death」、この一枚でDirに対する評価が一変しました。
元来持つハードコア性が遂に突き抜けたようでもあり、その一方でアルバムとしての統一感が格段に上がったようでもあり、とにかく聴きやすくなったのです。
…いや、耐性の無い方が聴いたらそれでもビックリするとは思うのですが。
PVも相変わらずグロテスクだし。

でも、今回挙げる10枚の中で仮にベストを挙げるならこのアルバムになると思います。
それくらいよく聴いた一枚だし、今もよく聴いてます。
特に何か頭に来ることが仕事であった後の帰り道。
時に美しく、時に狂おしく、また時に悲しげに、場合によっては負の感情が行き過ぎて楽しげにすら聴こえるボーカル・京の歌声が怒りの激情をいい具合にエネルギーに転換してくれるような気がして、自分にとっては大事な“癒し系”の一枚として重宝してます。

あと、私は「V系」という呼称及びカテゴリーに対して別段目くじら立てる気はないのですが、悪い意味としてカテゴライズして不当に評価を下げるような、特に国内の動向が非常に気に食わないです。
そりゃ世界が絶対的な基準ではないけど、海外で渡り歩ける数少ないバンドなんだから、もう少し素直に応援してもバチは当たらないだろうよ、と。
今じゃDirが海外のロックフェスに出演するなんて当たり前過ぎる話になりましたが、それでも未だにつまらないジャンル分けをして良し悪しを語ろうとする輩がいたりするんですよ、という話でした。
そういうのいいから。


〜推しの一曲〜
C
https://m.youtube.com/watch?v=v-viTTG-fXM

このアルバムに限らないのですが、Dirのアルバムは何も知らないで聴いた時にどれがシングル曲なのかがさっぱり分からないという傾向があると思います。
個人的にはこの「C」、一番シングル曲っぽいと思うのですがどうでしょう。
この振りで分かるとは思いますが、もちろんシングル曲ではありません。
非常にキャッチーだし、それでいて怒りや痛みがダイレクトに伝わるDirにしては珍しくシンプルに格好良い曲だと思います。
ライブでの再現性にムラがあるというのはご愛嬌。



��disarmonia mundi 「MIND TRICKS」(2006)

disarmonia mundi(ディサルモニアムンディ)はイタリアのメロディックデスメタルバンドで、現在は2人組ですが、この3rdアルバムをリリースした当時は3人編成でした。
前にもどこかで書いたかもしれませんが、そのパート分けが狂っていて、

・ボーカル
・ボーカル(ゲスト)
・全部

という役割分担という言葉の定義を問いたくなる構成になっています。
早い話が、中心人物のエットレ・リゴッティが全部やりたいマンであり、そして全部出来ちゃうマンなのでこの構成が理想的なんだと思います。
ただしオリジナルメンバーだけでは一生ライブが出来ません。

日本ではあまり知られていない名前だと思うのですが、エットレはジブリ主題歌のメロデスアレンジトリビュートアルバム「Princes Ghibli」をプロデュースしたことで、もしかしたら門外漢であっても知ってる方がいるんじゃないかと。
ボチボチ売れてたみたいだし。
そんなプロデューサーとしての手腕も光るエットレが手掛けるだけに、disarmonia mundiの楽曲群はクオリティコントロールが徹底しています。
友人からはdisarmonia mundiのことを「全曲が1曲目のバンド」として教えてもらいました。
字面だけ見ると意味分かんないですよね。
要は全曲クオリティ高過ぎてどれから聴いても・どの曲で終わっても問題ない、ということです。
一度聴き始めるとやめ時が分からないので、結構な回数を聞いた今でも個々の曲のタイトルは覚えられていません。
一つひとつが超格好良くて、その集合体もまた超格好良い。
なので、全部ひっくるめた「MIND TRICKS」が超好き、という結論になってしまうのです。

個人的にはバランスの良さという意味ではメロデスの到達点だとも思いますので、デス系聴いたことないという方にもオススメしたい一枚です。


〜推しの一曲〜
MIND TRICKS
https://m.youtube.com/watch?v=u_XgZPdEA6o

どれも良いのですが、敢えて選ぶならアルバムタイトルにもなってるこの曲かなと思います。
何でも出来るマンが、ゲストボーカルを敢えて呼んでまで作り上げたトリプルボーカルの激しさと美しさを最も感じられる曲だと思ってます。
あと、言ってもやっぱり速い曲は格好いい。



�╂仞鄰匸� 「僕はまだ何も知らない」 (2007)

梶浦由記とのユニット・See-Sawでボーカルを担当していた石川智晶のソロアルバムです。
アニメ「ぼくらの」の主題歌「アンインストール」を聴いてどハマりし、シングル発売を指折り数えて待ち、その流れでアルバムにも手を出すことになりました。

ちなみにその時のシングル・アルバム連動プレゼント企画である「アンインストール アコースティックver.」をちゃんと抽選で当てているという点は自慢として書き残しておきたいと思います。

「ぼくらの」は14人の中学生が巨大ロボットバトルに巻き込まれ、負ければ宇宙ごと消滅・勝っても操縦者は死ぬという、極限にも程がある絶望の中で繰り広げられるドラマを描いた物語です。

このアルバムの中の「アンインストール」を含む4曲が主題歌及び挿入歌としてアニメに使われているのですが、どっぷりハマった身からするとアルバム全体から「ぼくらの」で描かれている「死」のイメージが放たれているように思えてならないのです。
関係ないタイアップ曲もあるのに。
美しい歌声も歌詞もメロディも、その先にある終わりの存在が見え隠れしていて、でもそれがノイズになるわけでなく、美しさを際立たせているような感じでしょうか。
自分が「ぼくらの」のイメージに引っ張られ過ぎているだけかも?とも思ったのですが、インタビューの中で「アニメがアルバムの軸になっている」と答えているので、多分原作を知らないで聴いてもそのイメージは伝わるんじゃないかと思います。
自分は「ぼくらの」のイメージアルバムとして聴きましたが、そういうの抜きにしても純粋に美しいアルバムとして万人にオススメ出来ます。


〜推しの一曲〜
Little Bird
https://m.youtube.com/watch?v=6Cu97vbgyoU

散々アンインストールを推した後でなんですが、それはもう推す必要が無いと思うのでそれ以外で(結局「ぼくらの」のエンディング曲ですが)。
特に今の自分に重ね合わせると、やはり親目線で歌詞を捉えてしまうので余計に歌詞が沁み入ります。

「生まれてきただけで完璧だと 飛び立つ後ろ姿を 抱いた」

そして、主人公たちの親は、突然我が子に降りかかった理不尽過ぎる運命にどんな心境だったのだろうか…とか考えるともう頭がおかしくなりそうです。



��BABYMETAL 「live at wembley」 (2016)

BABY METALを知ったのはいつだったかのLoud Park(メタルフェス)に彼女たちが出演するというニュースを見た時でした。
年端もいかない女の子3人(現在は2人、いつの間にか成人になっていたようです)が歌い踊り、演奏は本職の楽曲陣の集合体“神バンド”が担うという、スタイルだけとっても相当な異物感を覚えたのを記憶しています。
Loud Parkを毎年見に行くメタル畑の友人も「アイドルのカラオケを聴きたいとは思わん」とバッサリ。
正直私もフェスによくある飛び道具枠だろうな…と、さして関心を示していませんでした。

それでもまずは一度聴いてみようかな、と紹介ページから「メギツネ」という曲を聴いてみたらこれが物凄いツボで。
和のテイストが入った曲がそもそも好みだったのに加えて、思っていた以上に楽曲がしっかりしていて、よくある「(ロックとかクソ興味もないけどその辺の大御所ねじ込んで)今回はロックに挑戦してみました♡」みたいなアイドル的なやっつけ感が感じられなかったのです。
これはひょっとするとひょっとするかも…。

その後リリースされたアルバムを聴いてみたらやっぱり面白い内容で、その辺から注目するようになっていました。
実際のところ、メタル界隈でこれほど…しかも全世界的に賛否両論を巻き起こした案件はなかなか無いんじゃないかと思います。

「こんなのメタルじゃない!」という声は今でも聞かれます。
しかし、世界中のどこの誰が文句をつけようと、そんなことはお構い無しに彼女たちはどんどん実績を積み上げ、気付けば海外の有名アーティストと共演を重ね、日本人で初めてウェンブリーアリーナでのライブを敢行し、そして長らく誰にも越えられなかった日本人としての全米チャート記録を更新するという…もう、軽くwikiを覗いただけでもちょっと前なら信じられないような事象がこれでもかと並んでいるわけです。
認める・認めないなんて次元はとっくに過ぎ去っているんですよ、好き・嫌いは別にとして。
個人的には、聖飢魔II・X Japanの系譜を引き継ぐ“正当にして王道たる邪道”という認識でいます。

さて、私のBABY METALに関する所感はこれくらいにしてアルバムの話を手短に。
Live at Wembleyは前述のロンドンはウェンブリーアリーナでの公演を収録したライブ盤です。
収録曲としてはファースト・セカンドアルバムからのベスト的な構成になっていて、とりあえずの入門用として聴くのにも最適なんじゃないかと思います。
聴き比べてみると1個前のライブ盤・LIVE AT BUDOKAN 〜RED NIGHT〜からのパワーアップ振りも堪能できます。
というか、BABY METALの曲は数多あるメタル内ジャンルの色んなバリエーションを網羅しているので、ヘタなコンピレーション盤を買うよりもメタルを知るのに良いテキストになるんじゃないかとも思っています。


〜推しの一曲〜
Road of Resistance
https://m.youtube.com/watch?v=zTEYUFgLveY

映像はウェンブリーアリーナのそれではなく、さいたまスーパーアリーナでのもの…だと思います。

ライブ盤としての良さというのはライブならではの空気を感じられてこそだと思うのですが、それはもちろんとしてこのラスト曲・Road of Resistanceがライブの締めくくりとして本当に素晴らしい。
「日本人初の快挙!」なんて触れ込みとは関係なく、ロンドンの地で伸び伸びと楽しげに観客と一体となったコール&レスポンス。
会場の興奮が頂点に達するタイミングを巧みに引き伸ばし、ここぞという瞬間にフィニッシュをかける見事さ。

そして(普段はMCが無いらしいです)終演後にメンバーがそれぞれ英語で観客に呼びかけるのですが、最後の最後にボーカルのSU- METALが語る極々短い以下のフレーズ、

“We're going back to Japan,but remember,
we're always on your side.
See youexclamation ×2”

このたった3行の間に生じる様々な感情の爆発に、時空を超えてこちらの涙腺も誘爆させられるというか、何度聴いてもグッと来てしまうのです。
流暢な英語の裏にも、並々ならぬ努力があったのかなぁ…とか余計な感心をしてしまったり。
曲のことを何も言及してませんでしたが、Dragon Force的な(実際にメンバーがレコーディングに参加)ピロピロ系疾走パワーメタルでアガりますよ。



��Pass Code 「ZENITH」 (2017)

最後の1枚は大阪出身のアイドルグループ?のPass Codeのメジャーファーストアルバム「ZENITH」です。
以前別の日記でも書きましたが、何の気なしにYouTubeで見つけてそこからハマったクチです。
アイドルというカテゴリーは“出身地”くらいの意味で捉えた方が良いんじゃないかと思います。
現在のperfumeがアイドルグループとして認識されていないのと同じような感じでしょうか。

スクリーモとエレクトロニカの融合から産まれたピコリーモに、グループアイドル要素まで悪魔合体させてしまったのがPass Codeの本質と言えます。
こちらも楽曲制作陣が本職なので、ナンチャッテ感の無いアルバムになっています。
解説サイトの中の一文が物凄く納得がいったので引用させていただくと、

「アイドルが好きな人にはおすすめできないアイドルのアルバム」

ということです。
逆に言えば、アイドル音楽に少なからずハードルを感じている自分も含めた人種でも、安心して聴けるアルバムであると。
ジャケットにメンバーの写真すら載ってませんからね。

でも、PVを見ると物凄く華があるし、突然飛び出すシャウトも意外性があって楽しいし、見所が詰まったグループだなと思います。
そして、メジャーファーストというのはやはり気合いが入るものらしく、構成に隙が無く、やめ時がありません。
どれくらいやめ時が無いかと言うと、このアルバムに関しては初めて聴いてから今日に至るまで、スキップして聴いたことがただの一度もありません。
つまみ食いで途中から聴いたこともありません。
聴きたいな、と思ったら必ず頭から完走させています。
ちなみにiTunesで確認したら揃って35回でした。

似たテイストの曲が多い反面(いわゆるバラード曲のも無し)、一度聴き始めると最後まで一気に走り抜けてしまうという、繰り返し聴いても色褪せない魅力に溢れた1枚として、平成ベストアルバムの最後として挙げさせていただきます。


〜推しの一曲〜
same to you
https://m.youtube.com/watch?v=lCRpxvO-BBQ

シングル曲のMISS UNLIMITEDも分かりやすくオススメできる曲なのですが、PVもあってちょっと変化球なこの曲を推しにします。
三拍子への変化や、振り返ってみるとどこがサビだったのか分からないという変わった構成の曲ですが、激しさだけでない幅の持たせ方が分かる曲だと思います。





…はい、以上10枚の紹介でした。
とりあえず令和元年が終わる前に終えることができてホッとしてます。
何をどう選ぼうが誰一人困りもしないのに、あっちを立てればこっちが立たず状態に頭を悩ませ、血の涙を流しながら選んだこの10枚です。
その時の気分でどうにでも変化はしますが、その過程も含めて記憶に留めておくことはとても意義深いものだと信じて、ここに記録として残しておこうと思います。

それでは皆様、良き年を。
See you BAD again.


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