恵比寿ルルティモ寄席 2019

「恵比寿ルルティモ寄席 2019」

恵比寿ガーデンホール
指定席4100円（1ドリンク付き)

19時開演

行ってきましたー！

ネタ出しの会。大ネタばかりがウリ。
順番は当日まで不明でしたが、配布されたチラシに記載されていました。
この順番！　見た瞬間笑った。　

1ドリンクはエビスビールをいただき、
タパスの中からお稲荷さんと豚汁。2つで500円。1つだと300円。
でも、ちょっと少ない。この貧相さはどうしたものか。
まあしゃーないか、と、買ってきたサンドウィッチも食べる。

品のよい老若男女が集い雰囲気上々。
女性6割。前方センター。
藍色の高座。紫の座布団。黒い背景。渋い。照明がしっかりあたりとても見やすい。

＊桃月庵あられ「饅頭こわい」。
15分。師匠に似た丸い形の方。

＊三遊亭兼好「陸奥間違い」
いつも通り、明るい第一声。名乗る。
今年を振り返り、大河ドラマの間違い、捕まった人たち、捕まった人たちで寄席。
大爆笑。
権助が頼まれた用事の先を間違えて訪ねてのドタバタ。
「ひぇっ」って驚いたポーズもおかしく、明るくわいわいと進む。
間違いが結果的に皆を良い方向に収めるのもいい話。
大笑いしての30分。

＊春風亭一之輔「帯久」
紋付長着に黄土色の袴。
何やら重い雰囲気で入ってくる。
「兼好さんが降りてきて（笑いが多くて）、私も笑いをと思うんですが、
　この噺、つまんないんですよ、長いし。
　・・・いや自分を鼓舞するために言ってるんですが」
みたいなことを言う。わはは。
「あと20年くらいで還暦ですよ、いまは赤いチャンチャンコ見なくなりましたね」等、
還暦になると本卦還りといい、赤ちゃんに戻る、について説明あり。
私「帯久」聞いたことなかったのですが、この説明で、サゲがわかりやすかったです。
「おぉ、六十一とはホンケじゃな」
「いえ、今は別家で居候でございます」。

呉服の和泉屋さんのいい人ぶり、
帯屋の久七の、同情できない悪い人ぶり、
最後にまとめ上げるのは大岡越前。
どこに感情移入していいのかわからない噺だった。
でも誰も死なないし、最後もほっとする。

和泉屋さんが火をつけて、帯屋に見つかりヤイヤイされているところに
見回りの桔梗屋さん達がその事件を預かり、
和泉屋さんにはみんな世話になったからと二分渡して
「これで武兵衛さんに何か食べさせてやってください」とのやりとり。
とてもよかった。泣けた。
和泉屋さんも、火をつけた時だけ、気が狂ってしまったのだとわかる。
桔梗屋さんの温情に、和泉屋さんが正気に戻り、本当によかった。

引き込まれた48分。すばらしかった！

仲入り

＊橘家文蔵「竹の水仙」
時間がないので、すぐに入りましょう、とすぐに羽織を脱いで、
本当にすぐにはじめた。
黒紋付にオレンジの半襟。チラと見える襦袢は赤。お似合い〜
甚五郎のルックスが文蔵さんに似てたのかな、とも思わせる。
サゲは「数ある甚五郎伝説の中の「竹の水仙」の一席です」。
35分。

＊桃月庵白酒「芝浜」
黄色の入ったような白っぽい長着。
恵比寿は嫌いじゃない、バカラのツリーに蛾のように群がるカップル（あれ、これ、一之輔さんが言ってたっけ？）、業者の人が今日は早めに帰った、タパスって何の単位だ、全部くれるんじゃなくて一つだけ？等、腐しマクラ。ふふ。

おかみさん、関取風。起こす時の叩き方、河岸に活かせるところの押し出し、最終的に蹴り出し。「蹴っただろ！」「手だよ！」って言ってたけど。
河岸に出たら、またすぐ家の場面。
「誰かついてきてねーか？」と急いでうちに入る男。
そこで、革財布を拾ったことを説明。
おかみさんも「海で拾ったものは魚屋のもの」という主張をあっさり受け入れる。
3年目に告白するところでは、おかみさんが夢と信じさせたことに対して、
「あんた、案外素直なとこがあるから、目を見据えて3回言えば受け入れるでしょ、今回は2回だったけど」。
わはは。
男が腕のいい魚屋だってとこの場面もいい。
「酔ってても包丁は毎晩磨いている、ニヤニヤして、怖いけど」っておかみさんのセリフ。
男のおなじみが、客に刺身出して「刺身の角がピンとしてうまい。刺身は包丁だっていうけど、こりゃいいね。俺にも紹介してくれよ」ってとこ。繁盛の理由もわかる。
最後は、大ぶりの茶碗に酒を入れて右手で顔のあたりまで持ってきて、
歌舞伎だと拍子木が入ったタイミングで、
「よそう、夢になるといけねえ」
ポンっと言ってお辞儀。
気持ちのいい芝浜。
「替わり目」のおでん買いに行くまでを聞いた時と変わらない心持ち。
しかも、みんなが聞きたいセリフはそのまま。
素晴らしや。30分。

終了時間22時。

こちらの集中力も途切れず、すばらしい会でした。
特に一之輔さん！　満足しましたーー