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2019年11月30日14:33

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古楽の楽しみ、他XX(随時追記)

古楽の楽しみ 2019/11/25放送分
▽スウェーリンクのオルガン作品
ご案内:鈴木優人/ネーデルランドを代表する音楽家スウェーリンクのオルガン作品を、オランダの歴史的なオルガンによる演奏でご紹介します。

ヤン・ピーターソン・スウェーリンク
生涯の殆どをアムステルダムで過ごす
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スウェーリンク
大公の舞踏会 SwWV319
(オルガン)ジャック・ファン・オールトメルセン(2015没)

大公の舞踏会:当時流行していた舞曲のタイトル
即興の名手らしく華麗な装飾を施した
4つめや5つめの変奏:ジャズのブルーノートを思わせる魅力的なものとなる
聖ヨハネ教会16cの歴史的なオルガン
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スウェーリンク
「詩編第116編「私は主を愛する」 SwWV116」
(オルガン)ベルト・マッテル
 17cのオルガン、教会の真ん中にあるので程よく響く
4つの変奏曲からなる
1 二声部、右手はそのまま左手は装飾的
2
3二つの鍵盤に分かれて、フーガ
4呼び交すように華麗に動き回る

宗教改革の後カルヴァン派は礼拝でオルガンを使う事を禁止、歌のみとなる
カトリックの時代からスウェーリンクはオルガンを演奏していたが、アムステルダムにも宗教改革の波が訪れ教会堂はカルヴァン派のものとなってしまう
アムステルダム市民はオルガンの音色を愛していた"教会のオルガンは市の所有物なので"礼拝の後にコンサートを開いた
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スウェーリンク
「半音階的幻想曲 SwWV258」
(オルガン)ベルナルト・ウィンセミウス
 今日の演奏は新教会の17cのオルガン
ポリフォニー
レ〜ラまで半音階で下りてくる
だんだんリズムが細かくなる
煌びやかで革新的な旋律
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「みどりごが私たちのために生まれ SwWV315」
スウェーリンク:作曲
(オルガン)フレディ・アイヘルベルガー
演奏はオランダ南東部の街聖マルティヌス教会にある17cのオルガン

特殊効果のついたストップを使用
ナイチンゲール、鳥のさえずりの音が可愛らしいクリスマスの変奏曲
優人先生:パイプが水の中に入っていて水が震える事でこういった音色を出す
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スウェーリンク
「おろかなシモン SwWV323」
(オルガン)ピーテル・ファン・ダイク
偽作かも知れないしスウェーリンクの周りに居た人物の曲かも
2/2拍子のパヴァーヌ
ライデンの街聖ピーテルス教会の17cのオルガン
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スウェーリンク
「ただあなたにのみ、主イエス・キリストよ SwWV300」
(オルガン)レオ・ファン・ドゥセラール
 弟子ハインリヒ・シャイデマンによる写譜が残されている
 沢山の弟子を通じスウェーリンクの技法はブクステフーデやバッハへ受け継がれてゆく
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古楽の楽しみ 2019/11/26放送分
▽バッハのカンタータ
ご案内:鈴木優人/クリスマスの4週間前から始まる待降節、その直前の日曜日に上演されたカンタータ第116番と第140番をご紹介します。

バッハ
「カンタータ第116番「なんじ、平和の君、主イエス・キリスト」BWV116から第1曲」
(合唱)モンテヴェルディ合唱団、(合奏)イングリッシュ・バロック・ソロイスツ、(指揮)ジョン・エリオット・ガーディナー
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バッハ
「カンタータ第116番「なんじ、平和の君、主イエス・キリスト」BWV116から第2〜6曲」
(ソプラノ)キャサリン・フーグ、(アルト)ナタリー・シュトゥッツマン、(テノール)クリストフ・ゲンツ、(バス)ゴットホルト・シュヴァルツ、
(合唱)モンテヴェルディ合唱団、(合奏)イングリッシュ・バロック・ソロイスツ、(指揮)ジョン・エリオット・ガーディナー
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バッハ
カンタータ第140番「目を覚ませと呼ぶ声が聞こえ」BWV140から第1曲
(合唱、合奏)ラ・プティット・バンド、(指揮)ジギスヴァルト・クイケン

200曲ある教会カンタータの中で最もよく知られている
三本のオーボエ(族)+弦楽器
ソプラノのコラール旋律は原型のままだがアルト・テノール・バスは歌詞に応じて音形を次々変化させる
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バッハ
カンタータ第140番「目を覚ませと呼ぶ声が聞こえ」BWV140から第2,3,4曲
(ソプラノ)イェリー・スー、(アルト)ペトラ・ノスカイオヴァー、(テノール)クリストフ・ゲンツ、
(バス)ヤン・ファン・デル・クラッベン、(合奏)ラ・プティット・バンド、(指揮)ジギスヴァルト・クイケン

2テノールのレスタティーボ
3ソプラノとバス
ヴィオリーノ・ピッコロ(ヴァイオリンより小さな楽器)が美しく装飾
魂を表すソプラノとイエスを表すバスの愛に満ちた親密な二重唱
4テノール声部のみが歌う

ヴァイオリンとビオラのユニゾンで演奏されているが、元々の楽譜はヴィオラ用の記号
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バッハ
カンタータ第140番「目を覚ませと呼ぶ声が聞こえ」BWV140から第5,6,7曲
(ソプラノ)イェリー・スー、(アルト)ペトラ・ノスカイオヴァー、(テノール)クリストフ・ゲンツ、
(バス)ヤン・ファン・デル・クラッベン、(合奏)ラ・プティット・バンド、(指揮)ジギスヴァルト・クイケン

5私たちは永遠に結ばれている
6ソプラノとバスの愛の二重唱+オーボエの伴奏
愛は決して引き裂かれない
7非常に高らかで賛美歌とは思えない曲調で締めくくられる
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古楽の楽しみ 2019/11/27放送分
▽女性作曲家による声楽作品
ご案内:鈴木優人/17世紀のイタリアで活躍したフランチェスカ・カッチーニとバルバラ・ストロッツィ、二人の女性作曲家に焦点をあててお送りします。

フランチェスカ・カッチーニ
1587フィレンツェ生まれ
父はオペラに深く関わったジューリオ・カッチーニ
メディチ家に大変愛された
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フランチェスカ・カッチーニ
おお、なんと新しい驚き
(バス)マックス・ファン・エグモント、(合奏)リチェルカール・コンソート
 1618年に出版
 クリスマス、イエスの生誕を歌う
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フランチェスカ・カッチーニ
私はやつれ、身をこがし
(ソプラノ)オルガ・ピタルク、(バス、テオルボ)マルコ・オルヴァ
 先程と同じ曲集"ムジケ"より
 典型的な恋の嘆きを歌う
 喉を震わせるような音=トリルロ(トリル)
* * *
この装飾音は歌いこなすのに相当難儀するぞ…喉が強くないと無理
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フランチェスカ・カッチーニ
歌劇「ルッジェーロの救出」から第4場
魔法を解かれた女…(ソプラノ)カテリーネ・ファン・レーテム、メリッサ…(メゾソプラノ)ザビーネ・ルッツェンベルガー、
(合奏)ウエルガス・アンサンブル、(指揮)パウル・ファン・ネーフェル

1625年ポーランドのヴワディスワフ王子歓迎式典のため書かれた
女性が作曲した最初のオペラ
王子はいたく気に入り1628年ポーランドでも上演、外国で上演された最初のイタリアオペラとなる
ヘンデルも後に同じ題材で作曲している
祝典に相応しい楽曲
2016年オランダでのライブ録音
* * *
この曲にも独唱部分にトリルロが使われている
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バルバラ・ストロッツィ
1619年ヴェネツィア生まれ(今年は生誕400年)
台本作家ジュリオ・ストロッツィの娘
九つの歌曲集を出版、叙情的な旋律と和声が特徴
数多くのオペラが上演されていた時代、彼女自身はオペラを書かなかったが同じく"ラメント"を題材にした
マドリガーレ・アリア、世俗歌曲の殆どが"愛"を題材にしている
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ストロッツィ
「エウテルペの楽しみ」作品7から「いとしい人から奪った口づけに」
(ソプラノ)マルタ・アルマハーノ、(アーチリュート)ルーカ・ピアンカ
1659年に出版
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ストロッツィ
「カンタータ、アリエッタと二重唱曲集」作品2から「アモールよ、もう眠るな」
(ソプラノ)スサンネ・リュデーン、(合奏)ムジカ・フィオリータ

アモーレを揺り起こすような大変愉快な作品
* * *
晩秋の朝は寒い、オフトゥンに誘われる我々へ昨日は"目覚めよ"今日は"もう眠るな"
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ストロッツィ
「アリアとカンタータ集」作品8からセレナータ「今、アポロの胸に抱かれて」
(ソプラノ)エマヌエラ・ガッリ、(合奏)ラ・リゾナンツァ、(指揮、チェンバロ)ファビオ・ボニッツォーニ
 太陽神はあまり歌の内容に関係ない
 フィリスという娘に恋をした青年が主人公
 彼女の美しさを賛えるが相手にしてもらえず、別れを告げる
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ストロッツィ
「カンタータ、アリエッタと二重唱曲集」作品2から「私の女が歌うのは」
(ソプラノ)スサンネ・リュデーン、(合奏)ムジカ・フィオリータ
 男性の問いに女性がドレミで答える、イタリア語の言葉遊び。
 叙情的な嘆きからユーモアあふれるものまで大変才能があった
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古楽の楽しみ 2019/11/28放送分
▽スペインのバロック音楽
ご案内:鈴木優人/16世紀から17世紀にかけてスペインで演奏されていた宗教音楽と世俗音楽を中心にご紹介します。

ルイス・デ・リバヤス
「ルス・イ・ノルテ」から「エスパニョレタス」、「タランテラ」
(合奏)ザ・ハープ・コンソート
 大航海時代、新大陸からもたらされた金銀によって繁栄したスペインの舞曲
 ルス・イ・ノルテ=北極星は船乗りの指針
 ルイス・デ・リバヤスは若い頃新大陸にも足を運んだ

打楽器を演奏するのはペドロ・エステバン
エスパニョレタス、出だしが「リュートのための古風な舞曲」
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トマス・ルイス・デ・ビクトリア
「めでたし、海の星」
(合唱)ザ・シックスティーン、(指揮)ハリー・クリストファーズ

海の星=聖母マリアを象徴した呼び名
清らかなポリフォニー
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エンリケス・デ・バルデラバノ
「パヴァーナによる3つのディフェレンシアス」
(ビウエラ)ジョン・グリフィス

ビウエラ:撥弦楽器
ヴィオラと同じ語源で見た目は小型のギター。ギターの流行とともに廃れていった
バルデラバノは16cに活躍
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セバリョス
「閉ざされた庭」
(合唱)トリノ大学合唱団、(指揮)ダリオ・タッビア
閉ざされた庭=雅歌の一節から。聖母マリアを讃える歌
ロドリゴ・デ・セバリョスはビクトリアよりひと世代前の作曲家
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オルティス
ラ・スパーニャによるレセルカーダ第2,3,1,4,5,6番
(ヴィオラ・ダ・ガンバ)ジョルディ・サヴァール、(オルガン)ヘノベーバ・ガルベス
オルティスはナポリで活躍
ナポリは16cスペインの統治下にあった

どのような装飾を施せば良いか弦楽器奏者への手ほどきにもなっている
レセルカーダ(西)=リチェルカーロ(伊)
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イダルゴ
「魚、獣、鳥」
(ソプラノ)イザベル・モナール、(ハープ)マヌエル・ヴィラス
ホアン・イダルゴ
10代後半だった1631年からハープとチェンバロ奏者としてスペイン宮廷に仕える
 "魚、獣、鳥は私の気分を悪くする"
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マルティン・イ・コル
「ラ・フォリアによるディフェレンシアス」
(ヴィオラ・ダ・ガンバ)ジョルディ・サヴァール、(テオルボ)ホプキンソン・スミス
マルティン・イ・コルは18cの修道院のオルガニストとして活躍

ラ・フォリア 15cスペインかポルトガルのイベリア半島で生まれた、シャコンヌやパッサカリアとともに流行

非常に多彩なスペインの音楽の魅力
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ラス・カサス…「神か黄金か」が積ん読書になっているんだっけ(コラ
神と冨、どちらに仕えるのか。侵略行為と信仰の原点を問う。
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古楽の楽しみ 2019/11/29放送分
▽新大陸のバロック音楽
ご案内:鈴木優人/17世紀以降、イエズス会宣教師たちが新大陸に伝えた作品、そして新大陸で作曲された作品を中心にご紹介します。

ドメニコ・ツィーポリ
1688年生まれ、イエズス会士

ツィーポリ
「めでたし、海の星」
(合唱)エクス・カテドラ、(指揮)ジェフリー・スキドモア

ヴァイオリン2+通奏低音、ソプラノ・アルト・テノールの大変明るい曲
海の星=聖母マリア、危険な航海をする船乗りや宣教師たちの信仰対象であった
トランペットのように聞こえるのはトロンバ・マリーナという弦楽器、長さ2m。ハーモニクス=倍音奏法
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ツィーポリ
「オルガンとチェンバロのためのソナタ集」から「聖体奉挙 ハ長調」
(オルガン)カルロ・グアンダリーノ
ソナタ集は当時高く評価されヨーロッパ各地で演奏された
左手と足ペダルは和音を伸ばす、右手で装飾音

北イタリアのパイプオルガン
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作曲者不詳
「天上の喜びよ」
(合唱)エクス・カテドラ、(指揮)ジェフリー・スキドモア
ミサではラテン語を使ったが福音を伝えるため現地語の聖歌も作られた
現在でも800万〜1000万人の話者がいるケチュア語(語族)で書かれた最初の曲
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太鼓に乗せられた賛歌は珍しい
ケチュア語:母音が少なくア・イ・ウで構成され、オ・エを使うのはほぼ外来語
18c
イエズス会士マルティン・シュミットはオルガンを自ら作り現地の人にも教えた

作曲者不詳
「モテット「今日、イエスよ、あなたのもとに」」
(テノール)ヘンリー・ヴィルカ、(合奏)フロリレジウム
 三楽章形式
 主イエスを永遠に愛します
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作曲者不詳
「パストレータ」
(リコーダー)アシュリー・ソロモン、(合奏)フロリレジウム
リコーダー・ヴァイオリン・通奏低音
1740年ころ書かれた
四楽章
ボリビアの教会で響いたであろう旋律、非常に朗らかな音楽
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作曲者不詳
「わたしの愛しいイエスよ」
(合唱)エクス・カテドラ、(指揮)ジェフリー・スキドモア
スペイン語・ケチュア語両方で歌われている版
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フランシスコ・ロペス・カピリャス
モテット「月、太陽とすべてのもの」
(合唱)エクス・カテドラ、(指揮)ジェフリー・スキドモア
 スペイン語のモテトゥス
1605メキシコシティ生まれ
初めて現地出身者でメキシコシティ楽長に就任した人として歴史に名を残す
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ルーカス・ルイス・デ・リバヤス
「ルス・イ・ノルテ」から「チャコーナとマリオナス」
(合奏)ザ・ハープ・コンソート
 スペインハープ・アーチリュートなど
ルイス・デ・リバヤス
1626スペイン生まれ
1677舞曲集を出版(スペイン・イタリア・新大陸・アフリカ)

まさに大航海時代に相応しい曲集
マリオナスはチャコーナを少し簡単にしたような変奏曲
元々のチャコーナは明るく開放的

ヨーロッパを離れ少しずつ変化し受容されたバロック
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