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2019年10月29日21:22

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2019-10-27

 実家を継いでいる兄が旅行のため、ここ数日を実家の母と過している。
 少々認知症のある母の面倒を見ているが、別に寝たきりでも徘徊壁があるわけでも無く、意思疎通は普通にできるり、食事の補助がいるわけでもなく外食も普通にできるので、まだ有りがたい。
 本日は天気も良く快晴で正直日に当たると暑い位。なので、昼飯に日本蕎麦はうどんかどちらが良いか母に伺いを立てると、蕎麦が良いとのことなので「High!Siri!」と訊くと、教えてくれたのが美濃市曽代の「まきぼう」。
 曽代の「道の駅」北側に出来ていた日本そば専門店。
 蕎麦と天ぷら系しか無いので、迷った末に自分は「板蕎麦」。ざる蕎麦でも良かったのだが、店員に訊いたら、大盛りが並盛りの1・5倍量で、「板蕎麦」は並盛の2倍量とのこと。
 ざる蕎麦900円を大盛りにすると蕎麦が1・5倍になって270円アップで1170円、「板蕎麦」なら2倍量で1370円。たった200円違いなのでこれはもう「板蕎麦」に決定。
 出てきた蕎麦は真っ白な「更科系」でも真っ黒な「藪系」でもなく、中間的な透き通った灰色(多少挽いた蕎麦ガラが入っている)の蕎麦が新潟県魚沼地方の「へぎ蕎麦」を彷彿とさせる形状のざるに盛られている。
 そして「つゆ」は節の角がピンと立っているキリの良い味で蕎麦徳利に入って提供される。
 久しぶりに旨い蕎麦を食べた。「香りが」とか「喉越しが」とか蘊蓄を披露する能は無いがとにかく「旨い」。
 付いてくる山葵や刻み葱が邪魔になる程に旨い。(山葵は本山葵だろうか、舐めたら爽やかな辛みと甘味が立ち昇った。が、量を過ぎるたやはり辛くて涙が出る。)
 あっという間に全ての蕎麦を啜りきってしまう。
 そして何より、後で提供される蕎麦湯がこれまた旨い。うどん等の小麦粉系のメニューが無いから、この蕎麦湯は蕎麦だけを茹でた蕎麦湯。
 だから蕎麦の香りが移っているし、蕎麦湯を提供する四角い湯桶の下の方の蕎麦湯は蕎麦が溶け込んでネットリした味わいの蕎麦湯が楽しめる。
 蕎麦湯を呑む度に思い出すのは昔よんだ子供向けの「東海道中膝栗毛」の一章で、ヤジさんキタさんが財布を擦られて腹が減った状態で無理やり立ち寄った蕎麦屋で腹を満たすためにやたら蕎麦湯を呑むシーン。
 蕎麦湯の何かも知らぬ子供だったので笑い話と思っただけだが、このネットリした蕎麦湯であれば、たっぷり呑めばそれなりに腹に力も湧くであろう。
 こうした蕎麦屋は大切にしたいと思った。
 そして特筆すべきは、席に付いてから提供されるお茶が蕎麦茶であり、またこれが素晴らしく美味しい蕎麦茶であること。
 濃くて、蕎麦の香りが香ばしく立っている蕎麦茶を呑むと、さてこれから蕎麦を手繰ろうではないかという気にさせられる、そんな蕎麦茶であり一飲の価値あり。
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