mixiユーザー(id:1454372)

2019年09月24日21:37

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センパイ

今日、仕事終わる直前まで雑務をしていて
一人倉庫にこもっていたので腕まくりをしていました。

特に気にもとめないまま
中待合室を通って詰所に戻り
空いてる診察室の戸締りをしていました。

先生(主治医)がまだ診察をしていて
中待合室には二人ほど女性が座っていました。

その、片方の女性に声をかけられた。

「すいません、ちょっといいですか?」

キター
診察の時間が遅いっていう苦情だと。

「ハイ、どうされましたか?」

と聞くと

「あの…」

と、言いにくそう。

言いにくそうなので、隣に座って

「何でも言うてください^^」

と言ったら

「手…」

と。

え?

手?

よーく見ると、その方は数か月前に自宅が全焼して
大やけどを負った方だった。
大やけどを負ったということは知ってたけど
長袖を着て、スカーフ巻いてたから最初は気付かなかった。

顔も良く見ると、やけどの痕があった。

首のやけどが酷くて、引きつるということだった。

で、私の手はどこで手術したのかということを
聞きたかったらしい。

仕上がりが、とてもキレイだなと思ってくれたようで。

そうだな、確かに仕上がりは良いやけどなんですけど、
理由が理由なだけにちょっと恐縮です。

私の手は、レーザーで焼いてやけどを負わせたんですけど
彼女の手は、皮膚移植をしていた。

首も見せてもらったけれど、
結構なことになっていた。

と、話が盛り上がってきたところで
主治医が診察室から出てきて、彼女が呼ばれた。

診察室に入ってく彼女に

「あとで、またいいですか?」

と言われたので、
まあ5時過ぎたけどまあいっか。
看護長にその旨話して、ちょっとお残り。

彼女の診察が終わって
和室のとこに座って話をした。

私の手の手術をしたところに行ってみたいということだったので
先生は神戸の先生で、香川へ手術に行ったと話した。

で、すんごいモジモジしてたので、
紹介してもらいたい感じなんですかね?と聞くと
目をキラキラさせて、そうです、と。

病院じゃなかったら、即そうしたいところなんですけど
場所が場所だけに、まずは主治医に聞かなくちゃいけない
ということを話し、彼女の次の診察までには聞いておくと約束した。

猶予は3週間あるので、それまでに聞こうと思ってたら
タイミングよく、彼女と別れた直後に主治医にバッタリ。

火事のときに運ばれた病院との兼ね合いがあるそうで
そこの先生と相談してからという大人の事情。

まあ、そういう展開だろうとは思いましたが。

旦那さんと子どもさん1人を火事で亡くして
それでも前向きにしている彼女でしたが、
話をしていたら涙がポロポロとこぼれてきて。

「泣いても旦那さんと子どもは戻ってこないから
泣かないでおこうと思って泣かなかったのに
なんでかな、涙出ちゃった」

と。

いやいや、泣いていいんですよ
むしろ、泣きたいときは泣いた方がいいんですよと言って。
私には隣に座って背中をさすることしかできないんですけどね。

私が主治医に話をした後、
主治医は待合で待ってる彼女の横を通ったんですけど、
その時、彼女も興奮気味に主治医に

「先生!」

と声をかけると
主治医は

「良かったですねぇ、イイ先輩がいましたね^^」

と言って、事務所に入って行った。

この手が、役に立つ時が
来た…のかな…と、しみじみ。

やっぱり、見る人は見てるんだなと思いました。

彼女は、やけどが気になったようですが、
自傷している患者さんも
やっぱり私の手を見たら気になるんだろうなと思いました。

暑くっても、
やっぱり患者さんの前で腕まくりはいけませんね。
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