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2019年09月20日22:39

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゚Д゚) < デモンテの館 (Demonte Colony)

死にまくり俳優ショーン・ビーン、最近は死ぬ役を断る
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=14&from=diary&id=5796530

「僕が死ねば死ぬほど、映画が人気になるからね! この映画でも3回死んでるんだ」と名俳優は言ったとか言わないとか…オーム・シャンティ…チャペル
 ほら、「トロイ」では死ななかったじゃんショーン・ビーン! 「ロード・オブ・ザ・リング」はまあ、原作の時点で名シーンと言われてるわけだしね…。なんだかんだ「王の帰還」でも重要な出演シーンのある役ですけど。ボロミアかっこEEEEー!

 …まあ、死ぬ役ってのはどう演じてもある程度印象的になるから、美味しい役所ではあるけども「もうヤダ」ってなるのもわからんでもない。頑張れショーン・ビーン! 君は死ななくても死んでても、カッコE役はもらえるくらいにはヤクザ顔だよ! …あ、違う違う。ホラー映画とか似合いそうな顔だね! …いや違う違う。えーっとですね……ホラー映画でも見ながら一旦落ち着こう。フウうまい!



デモンテの館 (Demonte Colony) 2015年 116分
主演 アルルニティ & ラメーシュ・ティラク & サナント & アビシェーク(・ジョセフ)・ジョージ
監督/脚本 R・アジャイ・グナナムトゥ
"皆殺しだ…皆殺しにされる!!"

https://www.youtube.com/watch?v=so6-G5pfmtM

 映画脚本の売り込みを続けるホラー映画マニアのラーガヴァンは、脚本のネタ探しのため、友人の気弱な電気技師サジート、デザイナーのヴィマル、既婚女性の愛人をやってるスリニヴァサン(通称スリニ)を集めて、有名なチェンナイ郊外の幽霊屋敷デモンテの館を訪れる。

 真夜中の廃墟になんらかの気配を感じるラーガヴァンたちではあったが、その日は特に何も起こらないまま。その翌日、ラーガヴァンは自宅にてデモンテの館の由来を友人たちに語り出す…
***********
 植民地時代、チェンナイの半分を手中に収めたポルトガル人実業家ジョン・デモンテ卿は、その財力で妻に贈るインド最高級の金の首飾りを作らせた。しかしその間、本国からインド渡航しようとしていた息子が事故死し、屋敷に残していた妻は何者かに陵辱されて精神病を発病。その怒りから使用人たちを皆殺しにして屋敷に火をつけて死んだデモンテの館には、呪われた金の首飾りだけが残っている。この首飾りは、屋敷からこれを持ち去ろうとする人々を死に追いやり、必ず屋敷内に戻ってくると伝えられる…
***********
 「そして…これがその首飾りさ」ラーガヴァンはそう言って、屋敷内で見つけた物を皆に披露すると…!!


挿入歌 Vaada Vaa Machi

https://www.youtube.com/watch?v=6zD_DSqISkU


わーい(嬉しい顔) R・アジャイ・グナナムトゥの監督デビュー作となる、新風タミル語(南インド タミル。ナードゥ州の公用語)ホラー映画。
 タイトルのデモンテの館は、映画公開時には実在した有名な幽霊屋敷だったそう(公開後、同じ年の間に取り壊されたそうな)。

 同名タイトルでテルグ語(南インド アーンドラ・プラデーシュ州とテランガーナー州の公用語)吹替版、ヒンディー語(インドの連邦公用語。主に北インド圏の言語)吹替版も公開。
 日本では、2017年のICW(インディアン・シネマ・ウィーク)にて上映。

 新進気鋭の監督が贈るホラー映画の傑作という事で、いわくつきの実在する幽霊屋敷を舞台にしたお話かと思っていたら、さにあらず。物語は、肝試し的幽霊屋敷探訪を早々に切り上げ、その後に奇怪な超常現象に襲われるラーガヴァンの自宅アパートの一室のみを舞台に展開する恐怖譚を、様々なアイディアを駆使して描いて行く。

 出だしからしばらくは、しがない男たちのダメダメな生活をコミカルに描いて行くいつも通りの娯楽映画な雰囲気で、中盤のデモンテの館の由来譚から本格歴史ドラマが展開(舞台はほぼ屋敷内だけだけど)。それが終わってからのホラー映画への転調も鮮やかで、日本映画「呪怨」を狂言回しにしたテレビ画面を使った恐怖演出が見事(「リング」とかも見てるんでしょか、この監督。まあ、テレビからなにか出てくるとかではないけれど)。
 物語的には単純な構成ながら、これでもかと詰め込まれた不条理感・恐怖シーンの多彩さが、その場面ごとに色々なホラー映画演出を想起させながら、最終的に詩的な美しさをも発揮するんだからトンでもね。

 監督を務めたR・アジャイ・グナナムトゥは、1988年タミル・ナードゥ州トリッチー(別名ティルチラーパッリ、ティッルチラーパッリ、ティルチとも)生まれ。
 チェンナイの大学でヴィジュアルコミュニケーションを専攻して短編映画制作に没頭し、別の映画研究所でデジタル映画製作も修了。短編映画コンテストに参加して注目され、AR・ムルガダズ監督作「7aum Arivu(第7の感覚 / 11年公開作)」「Thuppakki(銃 / 12年公開作)」で助監督を務めて映画界入りする。
 本作で長編映画の監督&脚本デビューとなり、続く18年公開の監督作「Imaikkaa Nodigal(一寸先は…)」も大ヒットして一躍ヒットメーカーとして注目されている。

 後半のホラー展開以降ほぼ主人公となるスリニヴァサンを演じるのは、1987年タミル・ナードゥ州チェンナイ生まれのアルルニティ(・タミララス)。
 タミル・ナードゥ州首相だったM・カルナニディを祖父に持ち、従兄弟に映画プロデューサー兼男優のウダヤニディ・スターリン、同じく映画プロデューサー兼配給会社オーナーのダヤニディ・アザギリがいる。
 父親M・K・タミララスがプロデュースする10年公開のタミル語映画「Vamsam(血統)」で映画&主演デビュー(当初主演予定だった従兄弟のウダヤニディ・スターリンが降板したことで、主演の座が回って来たそうな)して、ヴィジャイ・アワード新人男優賞ノミネート。以降、着実にヒット作に出演し続けて、本作は6本目の出演作となる。

 話の発端を作るラーガヴァンを演じるのは、チェンナイ出身の男優サナント(・レッディ)。
 学生時代から演劇に参加して舞台に立ちつつ、工学とヴィジュアルコミュニケーションを学ぶ(工学は、映画への興味が勝って1年でやめたそう)。演劇とともに短編映画に多数出演し、本作で長編映画デビュー。以降、16年の「Jil Jung Juk(ジル・ジャン・ジャク)」や19年の「ペーッタ(Petta)」などに出演してタミル語映画界で活躍中。

 デザイナーのヴィマルを演じるのは、1987年生まれのラメーシュ・ティラク。
 マスコミ学の学位を取得後、ラジオDJとして活躍。その人気から、タミル語TVドラマ「Kana Kaanum Kaalangal」に出演して俳優デビューとなり、11年のタミル語映画「Mankatha」のノンクレジット出演、12年の「Marina」の端役出演を経て、13年の「キケンな誘拐(Soodhu Kavvum)」で主役級デビューする。同じ年には、タミル語・マラヤーラム語(南インド ケーララ州の公用語)同時公開となった「Neram(時)」に出演して、マラヤーラム語映画デビューもしている。以降、タミル語映画を中心に活躍中。

 主役級の中では一番影の薄いサジートを演じたのは、アビシェーク・ジョセフ・ジョージ(本作クレジット上ではアビシェーク・ジョージ)。
 詳しいデータが出てこないけど、短編映画出演を経て本作で長編映画デビューとなった人のようで、以降もタミル語映画界・TV界で活躍中とのこと。

 07年のタミル語映画「Muni」に始まる、タミルのホラーコメディ映画ブームを踏襲するように、前半はコメディ色が強く人気映画の潮流を意識した作りながら、後半のド直球ホラー演出にて、それまでと異なるホラーブームを生み出すことに成功しているあたり、かなりホラー映画を研究しての戦略だったのだろか。
 ほとんどの恐怖要素は幽霊由来の不条理で説明不要の現象にしながら、突然の人体の発火炭化現象を逐一「幽霊によって引き起こされた一連の事故の積み重ねが、こんな現象を引き起こしてるんですよ!」って説明シーンが入るのは新鮮というか謎というか(スリラーというか、サスペンス要素?)。
 新人監督に売り出し中の若手&新人俳優の起用と言った「売れ線を備えつつ、新しい流れを生み出してみようよ!」ってパワーに溢れた一作ですわ。


OP Dummy Piece - U

https://www.youtube.com/watch?v=Gcq3VrR1OV4
*映画冒頭部分。曲は、2分33秒あたりから。



・本作監督R・アジャイ・グナナムトゥが、助監督参加していた「Thuppakki (トゥッパッキ -銃を抜け-)」はこちら
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1972473087&owner_id=3570727

・本作出演のサナント主演作「Jil Jung Juk (ジル・ジャング・ジャク)」はこちら
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1950809228&owner_id=3570727



・Demonte Colony を一言で斬る!
「インドにも、こっくりさんみたいなおまじないがあるのネ!」
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