久々に、、
<strong>「人間失格 〜太宰治と3人の女たち〜」</strong>
先々月公開の同監督作品
<strong>「ダイナー」</strong>ショックが抜けず、今作も公開日が近づくほどに
大丈夫かな、蜷川監督またやっちゃうんじゃ、、とかびくびくしていました。
というのも、
<strong>「ダイナー」</strong>はとにかく演出過剰で、大好きな藤原竜也が演出に隠れて
味が出ていないぐらいだったので、、
もちろん蜷川実花ワールドはとても魅力的で、ちょっと見ただけであ、これ蜷川実花だ、
って分かっちゃう唯一無二感はすごいと思います、でも
<strong>「ダイナー」</strong>はなー、、
そんな感じで観た今作は、なんとびっくり、とてもよかったんです♪
お話としては、時代は1946年ぐらい、太宰治の世界的ベストセラー小説「人間失格」は、作品よりもむしろそれができるまでの太宰の生きざまの方がドラマチックだった!というような、事実を基にしたフィクション作品という感じです。
本をほとんど読まない自分でも、さすがにタイトルと書きだしぐらいは知っている
太宰治の人間失格を基にした映画でした。
とにかくね、時代背景も相まってか、ド派手な蜷川演出が少なかったんです。
それがよかった、話の筋としては、
<strong>太宰治の正妻の宮沢りえ</strong>、
<strong>作家志望で愛人志望の
沢尻エリカ</strong>、
<strong>太宰の最後の愛人二階堂ふみ</strong>、この3人との関係を基本にして、そこから
<strong>「斜陽」「ヴィヨンの妻」</strong>などの作品が生まれて、さぁ、ついに
<strong>「人間失格」</strong>を執筆!
という流れなんですが、とにかくその3人と
<strong>小栗太宰</strong>の関わりが良すぎでした。
<strong>小栗太宰</strong>はかっこよさ、人間臭さ、頼りなさ、ダメ男でありつつモテ男でもあり、
あぁ、こういうのを女性は好きになるんだろうなぁ感が出まくっていました。
妻がいるのに他にうつつを抜かす
<strong>太宰</strong>を、
<strong>宮沢りえ</strong>は許しちゃうんだよね、それは
すべてその才能を誰よりも認めていたから、っていうのがね、すごすぎるでしょ。
正妻の前でだけ見せる太宰の感じ、そこに弱さとか気恥ずかしさとかが出てるんだ、
あと、本宅のはずなのに居場所がない感じ、いいよね、いい意味でも悪い意味でも
太宰は作家だから、おもしろいことを生み出す場所と本宅は違うのかな、なんてことを
考えてしまいました。
うつつの一人目、
<strong>沢尻エリカ</strong>、実はド派手演出が少なめ、といったけど、唯一この
沢尻エリカパートはだいぶ赤ピンクな感じで派手めでした、あぁ、後から思えば、
3人の女性のパートごとに派手演出を調節していたのかな、なんて思いました。
たしかに
<strong>沢尻エリカ</strong>のセリフ、愛されない妻より一生恋してもらう愛人がいい、にも
表れているけど、愛人関係はなんというか、キラキラしたもの、というかね、、
、、いや、おれはそんなこと思ってないけどね、どうやらそういうのが好きな人も
いるらしいからね、困るね、怖いね。
でも
<strong>沢尻パート</strong>はよかったんだよなー、
<strong>「ヘルタースケルター」</strong>の沢尻窪塚のシーンも
見ちゃいけないのを見てる感じでよかったけど、今回はまさに欲の開放って感じ。
居場所という意味で言うと
<strong>沢尻パート</strong>はまさに夢の場所、楽しいことも起こるし、
おもしろいことが起こる予感しかしない場所です、実際
<strong>太宰</strong>は
<strong>沢尻エリカ</strong>が演じた
<strong>太田静子</strong>の日記からヒントを得て、というかパクって
<strong>「斜陽」</strong>を書いたみたいです、
しかもその小説がバカ売れ、ほら、嬉しい楽しい予感しかしない(笑)
最後の愛人である
<strong>二階堂ふみ</strong>、すげーな、この期に及んでまだ他の女に行くか、、と。
ここのパートはとにかく暗いです、絡みのシーンも暗くて青い感じ、なんというか、
もう後はないぞっていう感じがすげー出てました、こわいこわい。
<strong>二階堂ふみ</strong>が演じた
<strong>富江</strong>、だいぶ
<strong>太宰</strong>に心酔していたみたいです、そこまで人を
惹きつけちゃう魅力がある人だったんだね。
<strong>小栗太宰</strong>の周りの面々、「堕落論」の
<strong>坂口安吾役</strong>に
<strong>藤原竜也</strong>、これはね、よかった!
主演の
<strong>「ダイナー」</strong>の時より100倍よかった(笑)こっちの方が真似したい(笑)
<strong>三島由紀夫役</strong>に
<strong>高良健吾</strong>、これもちょっとだけどよかったなぁ、、後半の
<strong>太宰</strong>の
シーンに影響を与えるいい役でした。
若手編集者の
<strong>佐倉役</strong>の
<strong>成田凌</strong>も好きだったなー、いろいろに巻き込まれて大変だけど
この人も
<strong>太宰</strong>が大好きなんだよなぁ。
<strong>沢尻弟役</strong>の
<strong>千葉雄大</strong>と
<strong>伊馬春部役</strong>の
<strong>瀬戸康史</strong>はこの中では目立たなかったけど、
<strong>瀬戸康史</strong>の九州弁は耳に残ったよね。
例えて言うなら
<strong>「ダイナー」</strong>の時は演出の味付けが濃すぎて飾り付けが派手すぎて、
素材の味が隠れちゃってなんかなー、な感じだったんだけど、今回は味付けは薄味で
飾りも適切だったから、肉本来の味が際立っていたなーという感じでした。
事実を基にしたフィクションだから、もちろんこんなドラマチックなことが実際に
全部行われているとは思わないけど、事実は小説よりも奇なり、なんていう言葉も
あるし、、自殺未遂やら薬物中毒やらを実際に経験している太宰治ならもしかして、、
みたいに思ってしまうような映画でした。
そんなわけでオススメ度は5、ほんと、
<strong>「ダイナー」</strong>がいいロイター板になった感じ。
あ、あと蜷川実花の演出作品にはとにかく濡れ場が似合うし、ないと物足りなさを
感じちゃうな、と思いました。それと着物が似合うんだよね、いいね着物は♪
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